1. エアコンの暖房が効かない?まずは温風が出る仕組みを理解しよう
暖房が効かない原因や対処法を紹介する前に、まずはエアコン暖房の仕組みについて解説したい。
エアコンから温風が出る仕組み
エアコンといえば室内機のイメージが強いが、実際は室内機と室外機がセットになって初めて機能する。エアコンから温風や冷風が出るのは、室内機と室外機の間で「冷媒」と呼ばれるガスが行き来しているためだ。
暖房の使用時には、エアコン室外機の熱交換器に集まった冷媒が圧縮機に送られ、圧縮されて高温になる。高温の冷媒は室内機の熱交換器に移動し、持っている熱エネルギーを室内の冷たい空気に与える。こうして冷媒から熱をもらった空気が、温風として吹き出されるのだ。このようにエアコンの暖房は、冷媒が循環することで機能している。
暖房の使用時には、エアコン室外機の熱交換器に集まった冷媒が圧縮機に送られ、圧縮されて高温になる。高温の冷媒は室内機の熱交換器に移動し、持っている熱エネルギーを室内の冷たい空気に与える。こうして冷媒から熱をもらった空気が、温風として吹き出されるのだ。このようにエアコンの暖房は、冷媒が循環することで機能している。
2. エアコンの暖房が効かないときに考えられる原因
ここからは、エアコンの暖房が効かない際に考えられる主な原因を挙げていこう。
1.リモコンの設定が誤っている
エアコンが暖房運転になっているか確認しよう。まさかと思うかもしれないが、運転モードが、「冷房」「除湿」「送風」になっていることもある。ボタンの押し間違いも含め、意外とある原因なのだ。当然、暖かい風は出ないので、部屋を暖めることができない。
2.風向きが適切でない
暖かい空気は上に溜まる性質がある。エアコンの風向きが上向きになっていると、吹き出された暖かい空気は上に流れていくので、部屋全体に行き渡らない。
3.吹出口がふさがれている
温風が出てくる吹出口がカーテンや家具などによってふさがれていないかもチェックしよう。吹出口のまわりに物があると、温風が妨げられて暖房が効かないように感じるだろう。吹出口の近くは十分なスペースを空け、温風の障害にならないようにしたい。
4.フィルターに汚れが溜まっている
エアコンフィルターが汚れていると、暖房の効きが悪くなる。とくにコートやカーディガンなど、冬の衣類はホコリを発生させやすく、フィルターにホコリが溜まりやすい。フィルターが詰まると、エアコンは内部に空気を取り込みにくくなり、風量が弱くなる。そうなると、部屋の隅々まで暖かい風が行き届かなくなるのだ。
5.外から冷気が侵入している
冷気は窓から入ってくる。たとえば丈の短いカーテンを使ってはいないだろうか。カーテンの丈が短いと、冷気がカーテンの下からどんどん入ってくるので注意してほしい。
6.外気温が低すぎてエアコンの能力が追いついていない
寒波などで気温が大きく下がると、エアコンの暖房能力が落ちてしまう。エアコンは屋外の空気に含まれる熱を取り入れて暖房するため、屋外の気温によって暖房能力が変化する。寒い日に限って暖房が効かないと感じてしまうのはそのためだ。
7.エアコンの適用畳数を超える部屋で使用している
エアコンにはそれぞれ適用畳数がある。適用畳数を超える広さの部屋で使用している場合、部屋に温風がうまく行き渡らず暖房が効かないように感じるかもしれない。
8.霜取り運転中である
室外機が霜取り運転中の場合、暖房が急に止まることがある。室外機の熱交換器が冷たくなると空気を吸い込みにくくなり暖房の効きが悪くなるため、エアコンには霜取り運転の機能が搭載されている。15分ほど暖房が止まったあと自動で運転を再開した場合は、霜取り運転中だった可能性が高いだろう。寒いのにエアコンが一定の時間止まったり、暖房が効かないと感じたりするのは故障でなく、ほとんどは霜取り運転が原因なのだ。
9.室外機にトラブルが生じている
室外機の裏側に落ち葉やゴミが溜まっている、室外機のフィルターが詰まっているなどのトラブルが生じていないだろうか。このような状況で空気を吸い込みにくくなると、エアコンの暖房能力は低下しやすくなる。
3. 原因別・エアコンの暖房が効かないときの対処方法
暖房が効かないのにはさまざまな原因が考えられるとわかった。ここからは、上で紹介してきた原因別の対処方法を解説していこう。
1.リモコンの設定温度や「暖房モード」になっているか確認する
暖房が効かないと感じたら、まずはリモコンの設定状況を確認しよう。誤って「冷房」「除湿」「送風」に設定していないか、設定温度は適切かなどチェックしておきたい。
2.ルーバーが上向きで固定されていないか確認する
ルーバーの向きを変えて風向きを下向きにするか、自動に設定しよう。また、扇風機やサーキュレーターを使うと、効率的に上に溜まった暖かい空気を循環させることができる。
3.吹出口のまわりに十分なスペースを確保する
吹出口の近くにカーテンや家具などがある場合は取り除き、温風を妨げないようにしよう。
4.フィルターを取り外してお手入れをする
エアコンのフィルターは定期的に掃除することが大切だ。詳しい掃除方法は取扱説明書に記載されているので、それに従ってキレイにしよう。エアコンを頻繁に使うシーズンは月に2~3回程度、少ししか使わない時期でも月に1回程度を目安に掃除するといい。
5.断熱シートを貼るなど窓に防寒対策を講じる
窓からの冷気を防ぐためには、窓に断熱フィルムや断熱ボードを貼ることも有効だ。またすきま風が入ってくる箇所には、すきまテープなどを貼って冷気を防ごう。カーテンを遮熱(断熱)仕様のものに変え、室内の暖かい空気が逃げないようにするのもおすすめだ。
6.外気温が上がるまでほかの暖房器具を併用する
寒波や積雪の影響で外気温が低い際は、エアコンのほかにホットカーペットや床暖房などの暖房器具も併用しよう。また部屋の湿度が高いと体感温度も高くなるため、加湿器を使って湿度を上げるのも手だ。
7.使用する部屋の広さに適したエアコンを取り付ける
エアコンの適用畳数はカタログや取扱説明書などに記載されている。たとえば適用畳数が「6~7畳」などと幅があるケースでは、木造平屋の場合は6畳、鉄筋マンションの場合は7畳というように判断してほしい。
適用畳数が現在の部屋と合わない場合、使用する部屋の広さに適したエアコンへの買い替えがおすすめだ。もしくはほかの部屋のエアコンと入れ替える、別のエアコンを増設するなどして暖房能力を高めたい。
適用畳数が現在の部屋と合わない場合、使用する部屋の広さに適したエアコンへの買い替えがおすすめだ。もしくはほかの部屋のエアコンと入れ替える、別のエアコンを増設するなどして暖房能力を高めたい。
8.霜取り運転が終わるまで10〜15分待つ
霜取り運転中は、10〜15分ほど待てば自動的に温風が出るようになる。霜取り運転をなるべく回避するためには、部屋の設定温度を低めにすることや、フィルターの掃除をこまめにするなどが有効だ。
9.室外機まわりの物を撤去する、室外機をお手入れする
室外機の近くに落ち葉やゴミが溜まっていないかチェックし、まわりに物を置かないようにしよう。同時に室外機のフィルターが詰まっていないかも確認して、汚れている場合は掃除するといい。
それでもエアコンの暖房が効かないときは?
上記の対処法を行い、さらに取扱説明書を見ても解決しないときは、メーカーのサポート窓口に問い合わせよう。エアコンが故障している場合も考えられるので、修理や買い替えも検討したい。
4. エアコンの冷風は出るのに暖房が効かないときの原因と対処方法は?
中には、エアコンの冷風は出るのに暖房が効かないときもあるかもしれない。この章では、この場合の原因と対処方法を見ていこう。
冷媒ガスが漏れているおそれがある
冒頭でも紹介したようにエアコンから温風が出る仕組みは、冷媒と呼ばれるガスが圧縮されて高温になり、室内の空気に熱を与えることにある。基本的に冷媒は外に出ることがないため、エアコンを使い続けていても減少するわけではない。しかし配管不備や部品の劣化などでガスが漏れると、熱エネルギーを運ぶ冷媒が少なくなる。そのため室温程度のぬるい冷風しか出なくなり、暖房が効かないように感じられるのだ。
使用を中止して点検・修理を業者に依頼する
エアコンを稼働して20分ほどたってから室外機のパイプに霜がついている場合、冷媒ガスが漏れているおそれがある。この場合は使用を中止し、業者へ点検・修理を依頼しよう。
5. 車のエアコンの暖房が効かないときに考えられる原因と対処方法
冬場の車内は凍るほどの寒さだ。それなのにエンジンを掛けて待っても、冷たい風しか出ないなんてこともあるだろう。最後に車の暖房が効かない場合の理由を解説する。
サーモスタットの不具合を疑う
車の暖房が効かない理由として多いのが、サーモスタットの故障だ。車の暖房は、エンジンの温度を調整する冷却水が温められることによって、温風を作り出している。サーモスタットは、冷却水をエンジンに閉じこめておく弁の役割をしている。エンジンの温度が適正になると弁が開き、冷却水を循環させる仕組みだ。しかし、サーモスタットの故障で弁が開き続けるなどの不具合が起こると、冷却水が温められず、暖房効果に影響が出るのだ。
そのほかに考えられる原因は?
・ヒーターコイルワイヤーの不具合
・ヒーターブロアモーターの故障
・オートエアコンシステムの故障
・ヒーターミックスダイバーの故障
・冷却水の不足
・ヒーターブロアモーターの故障
・オートエアコンシステムの故障
・ヒーターミックスダイバーの故障
・冷却水の不足
自動車修理工場に相談するのがスムーズ
車の暖房が効かない原因はいくつもある。どれも一般の方では修理するのが難しいものばかりなので、自動車修理工場に相談するのが得策である。暖房が効かないのはもちろん、故障した部品によっては、エンジンのオーバーヒートにもつながるおそれがあるため、放っておくのは危険だ。故障や不具合を発見した場合は、早めに修理工場に相談し、修理を行おう。
6. エアコンの暖房が効かない原因はさまざま!まずは速やかに原因の究明を
エアコンの暖房が効かない原因はさまざまだ。リモコンやルーバーの設定ミス、フィルターの汚れなどのほか、吹出口や室外機のまわりがふさがっている、外気温が低すぎる、霜取り運転をしているなどの可能性が考えられるだろう。まずはご家庭の状況を見極めて原因をはっきりさせ、それに応じて対処しよう。
結論
紹介した対処法でも直らない場合は故障を疑い、専門の業者にチェックしてもらうといい。エアコンには寿命があるため、15年を超えて使っているなどのケースでは修理より買い替えを検討したほうがいい場合もある。お使いのエアコンの使用年数や状況にも合わせて判断していこう。