目次
- 1. 暖房器具の「コスパ」とは何が基準になるのか?
- 2. 暖房器具の種類別に「価格」と「性能」を比較
- 3. 暖房器具の種類別に「1時間あたりの電気代」を比較
- 4. 価格・性能・電気代のトータルコスパに優れた暖房器具はどれ?
- 5. 暖房器具の電気代を抑えるコツ
- 6. 暖房器具を選ぶときのポイント
- 7. 一人暮らしでコスパ重視の方におすすめの暖房器具
- 40,000円前後〜
- 部屋全体の暖めが可能
- 7,000円前後〜
- 部分的な暖めが可能
- 10,000円前後〜
- 部屋全体の暖めが可能
- 4,000円前後〜
- 部分的な暖めが可能
- 7,000円前後〜
- 部分的な暖めが可能
- 3,000円前後〜
- 部分的な暖めが可能
1. 暖房器具の「コスパ」とは何が基準になるのか?

コスパは「コストパフォーマンス」の略で、費用に対する効果という意味の和製英語だ。費用に対して効果が高ければ「コスパが高い、コスパに優れている」などと表現する。では、暖房器具におけるコスパは何を基準に考えればよいのだろうか?
「価格」と暖め範囲などの「性能」
基準のひとつは本体価格と性能だ。やや極端だが「1万円で20平米暖められる暖房器具」と「1万円で1平米しか暖められない暖房器具」では前者のほうがコスパが高いことは一目瞭然だ。だが、もうひとつ着目すべきポイントがある。それが電気代だ。
長期的に見た「電気代」も重要なコスパの要素
「1万円で20平米暖められる暖房器具」は費用対効果が高い。だがもし「1時間あたりの電気代が100円」だったらどうだろうか?高すぎるため最終的に「コスパが低い、悪い」となるはずだ。それならば「本体価格5万円で30平米暖められ、1時間あたりの電気代が10円で済む」という暖房器具のほうが、コスパが高いと感じる方は多いだろう。暖房器具のコスパは「価格」「性能」「電気代」で判断することが大切だ。
2. 暖房器具の種類別に「価格」と「性能」を比較

暖房器具にもいろいろな種類がある。当然、本体価格や性能もさまざまだ。まずは上述した着目ポイントのうち、本体価格と性能(暖められる範囲)を比較してみよう。それぞれの暖房器具の特徴とともに解説する。
エアコン
暖房器具の中でも広い範囲を暖めることができるのがエアコンだ。部屋全体の温度をコントロールしやすいといったメリットがある。冷房や除湿機能もあるので冬以外にも活躍する。
ストーブ(石油、ガス、電気)
石油ストーブでは灯油と乾電池を使用する。電気代はかからないが灯油の価格は大きく変動するため、ランニングコストはそのときによって異なる。ガスストーブや電気ストーブは暖まるまでが早いため、足元をすぐに暖めたいときなどはおすすめだ。
ヒーター(オイル、ガス、セラミック、ハロゲン)
放射熱で暖めるオイルヒーターは、風が出るエアコンと比較して乾燥しづらい。部屋全体に効果があるが、暖まるまでには時間がかかる。ガスファンヒーターは、リビングなどの広い部屋を暖めるのに向いている。セラミックやハロゲンは暖まるまでが早く、台所やトイレなど狭いスペースを短時間で暖めたいときに便利だ。
ホットカーペット
ホットカーペットは内部の電熱線に電気を通して暖める仕組みだ。暖かいのは表面だけだが、ほかの暖房器具と合わせて使うことで体感温度を上げられる。
こたつ
部屋全体を暖めることはできないが、体感温度を上げることでほかの暖房器具の設定温度を下げられる。暖まるのが早いため、メインの暖房をつけるほど寒くはないときにも活躍するだろう。
電気毛布(あんか)
布団の中に入れて使用する電気毛布(あんか)は、就寝時の冷えた布団や体を暖めてくれる。電気毛布には掛け毛布と敷き毛布、掛敷タイプがある。
3. 暖房器具の種類別に「1時間あたりの電気代」を比較

やはり長く使い続ける暖房器具でもっとも考えるのが「電気代」だろう。いろいろな暖房器具1時間あたりの電気代の目安を紹介しよう。もちろん、メーカーや機種、性能や契約している電力プランなどさまざまな要素で変わるので、あくまでひとつの目安と捉えてほしい。
エアコン1時間あたりの電気代の目安
エアコンの電気代は1時間で2〜53円が目安だ。電気代はやや高めだが、コスパがよい省エネタイプだったり、機能に優れたりといった商品も多い。
オイルヒーター1時間あたりの電気代の目安
1時間の電気代は12〜18円くらいになる。放射熱で部屋をじわじわ暖める仕組みで、火を使わないので小さい子どもやペットがいるご家庭も安心だろう。ただし部屋全体が暖まるまでには時間がかかる。
ガスファンヒーター1時間あたりの電気代の目安
ガスファンヒーターはガス代と電気代が必要だ。合わせると1時間で4円〜11円が目安だろう。広範囲を暖められてコスパも高い。ただしガスコンセントが必要なので使用場所が限られるおそれがある。
電気ストーブ1時間あたりの電気代の目安
電気ストーブの電気代は1時間10〜27円あたりが目安だ。部屋全体を暖めることもある程度はできるが、暖まるまでが遅くコスパは悪い。狭いスペースやほかの暖房器具の効果が出るまでのつなぎにおすすめだ。
ホットカーペット1時間あたりの電気代の目安
1時間で8〜12円と電気代は比較的安く感じるが、暖められるのは表面だけだ。サイズが大きいほど電気代がかかるため、使う人数に適した商品を選ぶのがポイントである。
こたつ1時間あたりの電気代の目安
電気代は1時間で2〜4円と安いため、コスパがよい暖房器具といえるだろう。電気代は強弱の設定によって異なってくる。
セラミックファンヒーター1時間あたりの電気代の目安
電気代は1時間で14〜32円だ。暖められる範囲は狭く電気代も高いため、コスパはあまりよくない。ただしコンパクトで狭い空間ならすぐ暖まるため、洗面所など限られた空間で使うのによいだろう。
電気毛布1時間あたりの電気代の目安
電気代は1時間で0.6〜1.3円が目安である。基本的に就寝するまでの短い間と使用する時間が限られているため、毎日使っても電気代は抑えられるだろう。
4. 価格・性能・電気代のトータルコスパに優れた暖房器具はどれ?

価格と性能、そして1時間あたりの電気代を解説してきたが、結局、どの暖房器具がコスパに優れているのだろうか。「部屋全体を暖める暖房器具」と「足元など部分的に暖める暖房器具」に分けて発表しよう。
部屋全体を暖める暖房器具でコスパが高いのは「エアコン」
部屋全体を暖めるなら「エアコン」がおすすめだ。部屋が十分に暖まるまでの電気代はやや高めだが、部屋が暖まれば消費電力は落ち着く。省エネ性能が向上している点からも、長時間の使用であればエアコンが最適だ。
部分的に暖める暖房器具でコスパが高いのは「こたつ」
足元などを部分的に暖めるなら「こたつ」がよい。消費電力が少なく長時間使用しても電気代を抑えられるからだ。暖まるまでの時間が早いので効率よく暖をとれる。近年では、人感センサーでオン・オフを切り替える省エネこたつも登場している。
5. 暖房器具の電気代を抑えるコツ

暖房器具の電気代は工夫次第で抑えられる。無駄に電力を消費してしまうと「コスパが悪い暖房器具」になってしまうが、うまくコントロールして電気代を抑えられれば、同じ暖房器具でも「コスパが高い」と感じられるはずだ。
断熱シートや防寒アイテムを併用する
窓やその隙間から冷風が入るのを防ぐ「断熱シート」をぜひ活用しよう。暖房効果だけでなく結露予防にも役立つ。また着る毛布やブランケットなど、部屋で使用する防寒アイテムも充実している。これらを併用するのがおすすめだ。
暖めたい範囲に適した暖房器具を使う
部屋全体を暖める場合はエアコンやオイルヒーター、自分の周りだけなら電気ストーブ、足元など部分的ならこたつやホットカーペットを使う。このように、用途に応じた暖房器具を選ぶことは電気代の節約にもつながる。
複数の暖房器具を組み合わせる
エアコンとこたつを併用すれば、エアコンの設定温度を少し下げても快適に過ごせる。結果的に、エアコンのみよりも電気代を抑えられる可能性が高い。複数の暖房器具をうまく併用しよう。
サーキュレーターなどを併用する
エアコンを使いながらサーキュレーターで循環させれば、効率よく部屋全体を暖めることができる。エアコンの使用時間を短くしたり、温度を1℃上げたりすることができれば電気代も抑えられるはずだ。こうした、暖房器具以外の家電を組み合わせる方法もおすすめである。
電力会社や契約プランを見直す
電気代が安くなるからとはいえ、今お使いの暖房器具を買い替えるにはコストがかかる。そこで、電力会社や契約プランを見直すのもひとつの方法だ。電力会社ごとにさまざまプランがあるので、ご家庭の電気の使い方に合ったプランを選ぼう。
6. 暖房器具を選ぶときのポイント

暖房器具を選ぶときは、電気代のほかにもチェックするべきポイントがある。そのポイントを解説していこう。
省エネ性能は電気代にも関わる
暖房器具は長時間使うことが多いため、省エネやエコモード機能がついているかチェックしよう。これらの機能は電気代の節約に直結する。
万が一に備えて安全性能があると安心
転倒したときや消し忘れたときの自動電源OFF機能、チャイルドロック機能など、安全性能が搭載されていると安心感が違う。
適用畳数のチェックも忘れずに
広い部屋で暖め範囲が狭い暖房器具を使うとコスパが悪くなる。十分に部屋が暖かくならなければ、暖房器具を買い足すことにもなるだろう。購入前に、使用する部屋の広さと暖房器具の適用畳数を確認するのは基本だ。
7. 一人暮らしでコスパ重視の方におすすめの暖房器具

一人暮らしの場合は空間が限られているため、暖めたいのが部屋全体なのか部分的なのかによって暖房器具を選び分けることが大切になる。
部屋全体を暖めるなら「エアコン」がおすすめ
ほとんどの暖房器具は床置きだが、エアコンは壁に取り付けるため場所を取らず、狭い空間でも使い勝手がよい。省エネやエコモードなど機能の充実したモデルが多く、年間通して使えるところもメリットである。
部分的に暖めるなら「電気ストーブ」がおすすめ
スイッチを入れるとすぐ暖かくなるので、自分の周りだけをすばやく暖める場合に便利だ。ヒーターの大きさと部屋の広さ次第だが、部屋全体もある程度暖めることができる。ただし暖房器具の中でも電力を多く消費するため、長時間の使用には注意が必要だ。
【とにかく電気代を抑えたいなら「こたつ」も選択肢】
一人暮らしの場合も、電気代を抑えることに重きを置くのであればやはり「こたつ」が最適だ。夏は通常のテーブルとして活用できるメリットがある。
結論
ひと口に「暖房器具」といっても、暖め範囲や価格、電気代などが異なるため絞り込みづらい。探すときは「部屋全体を暖めたいのか」「部分的に暖めたいのか」をベースに、価格・性能・電気代に着目して絞り込んでいくとよいだろう。