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床暖房とホットカーペットの違いとは?電気代や電磁波の影響も解説

床暖房とホットカーペットの違いとは?電気代や電磁波の影響も解説

投稿者:ライター 西村七海 (にしむらななみ)

鉛筆アイコン 2021年9月13日

冬になると活躍する床暖房やホットカーペット。どちらも足元から暖めるタイプの暖房のため、同じような仕組みだと思われがちだ。しかし実際は、それぞれ暖め方が異なり、初期費用や電気代にも違いがある。使用環境などに適したものを選ぶためには、特徴や違いを知っておきたい。そこで、床暖房とホットカーペットの違いやメリット・デメリットをまとめるとともに、電気代や電磁波による影響についても解説していく。

  

1. 床暖房とホットカーペットの違いとは?

床暖房とホットカーペットの違いは、床が暖かいか、カーペットが暖かいか、という点だけではない。暖め方も異なるのだ。まず床暖房には、ガスや灯油などを熱源とし、温水を床下のパイプに循環させて暖める温水式床暖房と、床下の電熱線を電気で暖める電気式床暖房の2種類がある。熱源は異なるが、どちらも床だけではなく、部屋全体も暖めることができるのが特徴だ。一方、ホットカーペットが暖かいのは触れている部分のみになる。つまり部屋全体を暖めることはできないのだ。

なぜ床暖房は部屋が暖まり、ホットカーペットは暖まらないのか。その違いは熱の伝わり方に関係している。熱の伝わり方には、「伝導」「ふく射」「対流」の3種類がある。接触した部分が熱い、冷たいと感じるのは伝導によるもの。熱が赤外線を放って離れた場所に伝わっていくのがふく射。そして気体や液体が動き、その流れとともに熱が伝わるのが対流だ。ホットカーペットは触れている部分のみ暖かさを感じる、伝導熱による暖房。そのため、室温などを上げることはできないのだ。対して床暖房は、伝導とふく射の両方を利用している。そのため、床に触れている部分は伝導熱により暖かく、さらに遠赤外線によるふく射熱で部屋全体も暖めることが可能になっている。

床暖房のメリット

  • 床だけでなく、部屋全体も暖めることができる
  • ホコリや塵が舞わない
  • 温水式床暖房なら低温火傷の心配がほとんどない

床暖房のデメリット

  • 設置のための初期費用が高い
  • 設置に工事が必要になる
  • 暖まるまで時間がかかる(部屋全体を暖めるため)
  • 故障した際にコストがかかる
  • 電気式床暖房は低温火傷に注意が必要

ホットカーペットのメリット

  • 初期費用が安い
  • 取り換えが簡単
  • 暖まるまでが早い(触れている部分のみ)
  • インテリアに合わせてデザイン性を楽しめる

ホットカーペットのデメリット

  • 伝導式のため部屋は暖まらない
  • エアコンなど他の暖房器具との併用で光熱費がかさむ可能性がある
  • エアコンなどと併用する場合はホコリや塵が舞う可能性がある
  • 低温火傷に注意が必要

2. 床暖房やホットカーペットの電気代

床暖房とホットカーペット、それぞれの暖め方の違いや特徴がわかったところで、やはり気になるのが電気代などの光熱費ではないだろうか。温水式床暖房は、ガスや灯油など、どの熱源を使用するかによっても光熱費が左右される。電気式床暖房は、温水式で一般的なガスよりも、ランニングコストが高い傾向にある。ホットカーペットはふく射熱によって部屋が暖まる床暖房とは違い、触れている部分しか暖かさを感じない。つまり部屋の温度が低く寒さを感じる場合、エアコンなどのほかの暖房器具を併用することになるため、その分のコストも考慮する必要がある。続いて、それぞれのおおよその光熱費や計算方法を見てみよう。ただし、平均的な数値での計算であり、必ずしも同じ金額になるというわけではない。

床暖房の光熱費

日本床暖房工業会による温水式床暖房費の目安は、約20畳(居間・食堂・台所の合計)で6時間以上稼働させた場合、灯油式で約8,850円、ガス式で約8,790円(※1)とされている。

電気式床暖房による電気代は「消費電力(kw)×使用する時間(h)×1時間分の電力量単価(円/kWh)」で計算できる。電気式床暖房の消費電力は、6畳でおおよそ960Wとされており、電力量単価は、全国平均が27円。1日8時間稼働させたと仮定して計算すると、1日あたり約207円となる。つまり同じ条件で1カ月(30日)使用した場合は、約6,220円の電気代がかかることになる。

ホットカーペットの電気代

ホットカーペットも、電気式床暖房と同じ計算式でおおよその電気代を割り出せる。こちらもホットカーペットの平均的な消費電力500W、電力量単価は全国平均の27円、そして同じ8時間使用したと仮定して計算してみよう。すると、1日あたり約108円になるため、1カ月で約3,240円の電気代がかかるということになる。エアコンを併用する場合は、そこにエアコンの電気代も加算しなければならない。エアコンの消費電力を800Wとし、同じ条件で計算すると、1日あたり約172円。つまりエアコンの電気代が1カ月で約5,184円だ。ホットカーペットと合計すると、1カ月あたり8,000円を超える電気代となる。

3. 床暖房やホットカーペットの電気代床暖房とホットカーペットの電磁波による影響

電磁波は、テレビや電子レンジ、携帯電話など、身の回りにあるほとんどの電子機器から出ている。電気式床暖房とホットカーペットも電気を使用するため、例外ではない。ただし、電気式床暖房使用時の電磁波は、おおよそ0.7~1µT(マイクロテスラ)とされており、ホットカーペットは10.4µTほどとされている。国際的な電磁波に関するガイドラインに定められた基準値は200µTのため、電気式床暖房とホットカーペットの電磁波は基準を大きく下回っているのだ。つまり、体に悪影響を及ぼすような危険な数値ではないことがわかる。

結論

床暖房とホットカーペットは似ているが、実際はそれぞれに暖め方が異なり、初期費用や電気代にも違いがある。予算や使用環境なども考慮して、適したものを選びたい。気になる電磁波に関しては、どちらも国際的な基準値を大幅に下回っているため、安心して利用できるだろう。

(参考文献)
※1出典:日本床暖房工業会「ランニングコスト」
https://www.yukadanbou.gr.jp/about/cost/ranning.html
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  • 公開日:

    2021年2月15日

  • 更新日:

    2021年9月13日

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