1. 床暖房の光熱費はどれくらい?

床暖房には、大きく分けて「温水式床暖房」と「電気式床暖房」の2種類がある。温水式床暖房は、水を沸かして床下のパイプを循環させることで暖める仕組みだ。温水式床暖房の熱源はガスが主流だが、灯油や電気を使用するものもある。電気式床暖房は、電気を熱源とし、床下に張り巡らせた電熱線を暖める仕組みだ。それぞれに熱源が異なるため、かかる光熱費にも違いがある。設置面積や使用時間などにも左右されるため、おおよその数字にはなるが、床暖房の種類ごとに、一般的にかかるとされる光熱費を見ていこう。
温水式床暖房の光熱費
熱源として主流のガスを使用する温水式床暖房の光熱費、つまりガス代は、1日10時間使用した場合で、1カ月あたり約8,000~9,000円が目安だ。さらに日本床暖房工業会によると、温水式床暖房費の1カ月あたりの目安は、約20畳(居間・食堂・台所の合計)で6時間以上稼働させた場合、灯油式で約8,850円、ガス式で約8,790円(※1)だとしている。
電気式床暖房の光熱費
電気式床暖房の電気代は、1日10時間ほどの運転で、1カ月あたり約13,000円といわれている。ただし電気式床暖房は、さらに細分化すると、「蓄熱式」「PTCヒーター式」「電熱線ヒーター式」に分けられる。蓄熱式は、比較的安い深夜電力で熱を蓄え、日中に利用するシステム。PTCヒーター式は、熱源が温度を感知して自動で調節してくれるため、温度を一定に保つことができるうえに、すでに温度の高い部分は発熱量を抑えることもできる。そして電熱線ヒーター式は、電熱線を貼ったパネルを敷くシンプルな構造だ。設置費用を抑えることができるものの、深夜電力などではなく運転時の電力を使用するため、電気代が高い傾向にある。どの電気式床暖房を使用しているかによっても、電気料金に差が出る可能性があることは知っておこう。
2. 床暖房の光熱費はエアコンの電気代より安い?

床暖房とエアコンの光熱費は、使用する機種や設置面積、使用環境、気温など、さまざまな要因に左右されるため、一概に比較することはできない。しかし一般的には、エアコンの電気代の方が、床暖房の光熱費よりも安い傾向がある。エアコンの電気代は、1日6~8時間の使用で、1カ月あたり約5,000円とされている。月々の光熱費に約8,000~13,000円かかるとされる床暖房と比較すると、やはりエアコンの電気代の方が数千円安い。ただし、古い機種を使用している場合や、気温が低い場合は、一般的とされる料金と大きな差が出る可能性もある。さらにエアコンは、広い部屋であればそれだけ電気代が高くなることも知っておきたい。
エアコンの電気代の計算方法
おおよその数字にはなるが、「消費電力(kW)×使用時間(h)×1時間あたりの電力量単価(円/kWh)」で、エアコンの電気代を計算することができる。消費電力はエアコンごとに異なるが、仮に800Wとし、使用時間は8時間、電力量単価は全国平均の27円で計算してみよう。すると、0.8kw(800W)×8時間×27円=約173円となるため、1日のエアコンの電気代がおおよそ173円ほどだと知ることができる。
3. 床暖房の光熱費を節約するコツ

床暖房を使用して暖かく快適な空間で過ごしたいが、光熱費はできる限り安く抑えたい、と思う方も多いことだろう。ここからは、床暖房の光熱費を節約するコツを解説していく。
頻繁に電源をオンオフしない
エアコンは、つけっぱなしの方が電気代が安いという情報を目にしたことはないだろうか。これはエアコンに限った話ではなく、実は床暖房でも同じことがいえる。数時間運転しているときの光熱費よりも、起動から設定温度に上昇するまでの方が高い場合があるのだ。
温水式床暖房は先ほど解説したとおり、水をガスなどの熱源で沸かして循環させる仕組みのため、電源を入れるとまず水を沸かすことになる。一番エネルギーを必要とし、なおかつ光熱費がかかるのが、水をお湯に沸かすときなのである。もともとの水の温度が冷たく、寒ければ寒いほど、温度が上がるまでに時間がかかってしまうため、より光熱費がかかりやすい。電気式床暖房であっても、冷たい状態から暖めるまでに多くエネルギーが必要になるのは同様だ。床暖房の種類にもよるが、上がった温度をキープする方が、エネルギー消費は少なくて済むことが多い。頻繁に電源をオンオフしてしまうと、何度も温度を上げ下げすることになるため、その度に光熱費がかかってしまう。使用するタイミングを考え、短時間で頻繁にオンオフするのは避けよう。
温水式床暖房は先ほど解説したとおり、水をガスなどの熱源で沸かして循環させる仕組みのため、電源を入れるとまず水を沸かすことになる。一番エネルギーを必要とし、なおかつ光熱費がかかるのが、水をお湯に沸かすときなのである。もともとの水の温度が冷たく、寒ければ寒いほど、温度が上がるまでに時間がかかってしまうため、より光熱費がかかりやすい。電気式床暖房であっても、冷たい状態から暖めるまでに多くエネルギーが必要になるのは同様だ。床暖房の種類にもよるが、上がった温度をキープする方が、エネルギー消費は少なくて済むことが多い。頻繁に電源をオンオフしてしまうと、何度も温度を上げ下げすることになるため、その度に光熱費がかかってしまう。使用するタイミングを考え、短時間で頻繁にオンオフするのは避けよう。
電源は20~30分前にオフにする
床暖房は、電源を切ってからも余熱で少しの間は暖かい。そのため、部屋を出る時間ギリギリまでつけておくのではなく、使用終了する時間の20~30分前に電源をオフにするのがおすすめだ。
設定温度を下げる
床暖房の設定温度を下げることで、温度を上昇させるためのエネルギーが抑えられるため、節約につながる。暖かい服装や、窓からの冷気を遮断するなどの工夫で、設定温度を下げてみよう。
カーペットなどは敷かない
床にカーペットなどを敷きたくなるかもしれないが、熱伝導率が下がってしまうため、床暖房にはあまり適さない。無駄なエネルギーを消費してしまい、光熱費が上がってしまう可能性もあるため、床暖房が設置されている場所には、カーペットなどは敷かないようにしよう。
省エネモードで使用する
床暖房にもよるが、起動時や運転時の省エネモード機能が搭載されているものもある。省エネモードを活用して光熱費を抑えよう。
ガス料金や電気料金のプランを見直す
ガス料金や電気料金のプランを見直すのもまた、一つの節約方法だ。ガスと電気のセット販売なども増えており、中には割引を用意している企業もある。必ずしも支払いを一本化してまとめることが節約になるとは限らないが、比較サイトなどを活用して、現時点よりお得になるかどうかを調べてみるのもよいだろう。
結論
床暖房の光熱費は、設置面積などによっても異なるが、温水式よりも電気式床暖房の方が高い傾向になる。暖房の主流であるエアコンとは一概に比較できないものの、一般的にはエアコンの電気代の方が安いことが多い。床暖房の光熱費が気になる場合は、節約のコツを意識してみよう。