目次
- 1. 石油ストーブの「燃費」はどれくらいか?
- 2. 石油ストーブの燃費とそのほかの暖房器具の電気代を比較すると?
- 3. 石油ストーブは種類によって燃費が変わるのか?
- 4. 石油ストーブの選び方は?燃費以外のチェックポイントも解説
- 5. 燃費重視の方におすすめ!人気の石油ストーブ3選
- 1時間あたりの消費石油量:0.2L
- 石油(灯油)1Lあたりの価格:124.46円
- ※1:函館市|家庭用灯油平均価格推移(1リットル ホームタンク用)
https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014011700413/files/touyu.pdf
1. 石油ストーブの「燃費」はどれくらいか?

さまざまな暖房器具があるが、本稿ではその中でも、昔から多くのご家庭で使われている石油ストーブについて燃費を考えていく。
石油ストーブ1時間あたりの燃費はどれくらい?
当然メーカーや機種、火力設定や石油(原油・灯油)の価格などさまざまな要因で変わる。そのためあくまで目安だが、おおよそこれくらいと考えてよいだろう。
【石油ストーブ1時間あたりの燃費は約25円】
上記の条件で計算してみた場合、石油ストーブ1時間あたりの燃費は24.892円、すなわち約25円となる。石油価格は函館市が公開している「家庭用灯油平均価格推移」のうち、令和4年4月の平均価格を採用させていただいた。(※1)
石油ストーブの燃費は「燃料消費量」がわかれば計算できる
お使いの石油ストーブの燃費を調べたいと思ったときは、取扱説明書やメーカーのホームページなどに記載されている「燃費消費量」を元に計算してみよう。あとはその時点での石油の価格がわかればおおよその燃費を求められるはずだ。
2. 石油ストーブの燃費とそのほかの暖房器具の電気代を比較すると?

1時間あたり約25円という燃費は優れているのか、それとも燃費が悪いのかというところも焦点になってくる。続いてはそうしたさまざまな暖房器具の電気代と、石油ストーブの燃費を比較してみよう。
エアコンやファンヒーター1時間あたりの電気代と比較すると?
電力料金の目安単価は「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」が定める「27円/kWh」を採用させていただく。まずエアコンだが、暖房の消費電力750Wの製品で1時間あたり20.25円の電気代がかかる。次にファンヒーターだが、こちらは上述した1時間あたりの石油代24.892円に電気代が加わる。燃焼時の消費電力60Wのファンヒーターとした場合、トータルすると1時間あたり26.512円(うち電気代1.62円)となる。
石油ストーブの燃費は原油価格に大きな影響を受ける
単純に上記の結果を比較した場合、もっともコストを抑えられるのが「エアコン」、ついで「石油ストーブ」「ファンヒーター」ということになる。ただし商品の性能や使用方法、原油や電気の単価など、実にさまざまな要素で変わってしまう。そのため一概に「どの暖房器具がもっともコストパフォーマンスが高い」とはいえないが、確実なのは石油ストーブの燃費は原油価格によって高くも安くもなるということだ。
3. 石油ストーブは種類によって燃費が変わるのか?

ところで石油ストーブには種類があるのをご存知だろうか?実はその種類によって、燃費も変わってくる場合がある。燃費重視で石油ストーブを探している方はぜひ、その種類や特徴を知っておいたほうがよいだろう。
対流式
対流式とは、熱い空気を上昇させて空気の流れを作る仕組みのことで、空間全体を暖めている。360°全方向へ熱を発するため、部屋の中央に置くと広範囲の部屋も効率的に暖められる。学校の教室の後ろに置いてあったようなストーブだ。
反射式
反射式は、輻射熱を活用して部屋を暖める仕組みのものである。燃焼部の奥に反射板が設置されており、熱が跳ね返ることでストーブの正面を暖める。一般家庭に多いタイプで、比較的コンパクトな商品が多い。
対流式と反射式の燃費の違い
どの程度の広さの部屋で使用するか、火力はどの程度に設定しているかなどにもよるが、仮に同じ空間で同じレベルまで暖めるという条件で使用した場合、輻射熱を利用する反射式のほうが燃費がよいケースが多い。ただし石油ストーブの後ろ側まではなかなか暖まらないため、空間全体を暖めたいときは燃費が多少悪いとしても対流式のほうが遥かに優れている。
4. 石油ストーブの選び方は?燃費以外のチェックポイントも解説

「これだ」という石油ストーブに出会うためには、探し方が重要になる。選び方を知っておけば失敗しないだろう。
対流式か反射式か
上述のように対流式か反射式かで石油ストーブの性能は大きく変わってくる。どこで使用したいのか、どういった暖め方をしたいのかなどで絞り込もう。
適用畳数は問題ないか
石油ストーブを購入する際は、必ず適用畳数を確認することだ。12畳の空間に対して適用畳数8畳という石油ストーブを購入した場合、十分な効果が得られないことがある。
【RC造や木造などの構造にも着目】
適用畳数は部屋の広さだけでなく構造も関係する。鉄筋コンクリートは熱が逃げにくく、木造は熱が逃げやすいといった性質があるためだ。木造にお住まいの方は部屋の広さより2〜3畳、適用畳数が広いものを選ぶと部屋が暖まりやすくなるだろう。
タンクの容量
タンクの容量が多ければ一度の給油で長く使える。頻繁に給油する手間がかからないといった利点がある。ただしタンクの容量が大きいほど石油ストーブ本体も大きくなるため、設置場所を考えて選ぶ必要はあるだろう。なおタンクが取り外せるタイプは給油も楽におこなえる。
点火方法
石油ストーブは乾電池で点火するものが多いが、中にはマッチで点火できるものもある。ハンドルを回して点火できるものは災害時に重宝するだろう。ご家庭だけでなく避難先でも使用したいといった目的がある場合は、ハンドル式の商品を探してみてはいかがだろうか。
5. 燃費重視の方におすすめ!人気の石油ストーブ3選

石油ストーブの商品はたくさんあるが、その中でも今回は人気メーカーであるコロナ・トヨトミ・フジカの商品を紹介する。購入するときの参考にしてほしい。
コロナ「石油ストーブ RX-22YA」
反射式の石油ストーブで、燃料消費量は最大「0.218L/h」だ。点火や消火の表示がわかりやすく、ダークグレーのカラーもインテリアに馴染みやすい。給油が簡単なのも特徴だ。
トヨトミ「対流型 石油ストーブ RB-250」
対流式の石油ストーブで、燃料消費量は最大「0.243L/h」である。消火時のにおいを防ぐ「ニオイセーブ消火」を搭載している。ピンクやホワイトなどオシャレなカラーも特徴だ。
フジカ「フジカ・ハイペット KSP-229-21C」
燃料消費量は最大「0.26L/h」。高度3,000mで燃焼確認済みなど、アウトドアでも活躍してくれる石油ストーブだが、もちろん室内でも使用できる。コンクリートなら約10畳までOKだ。
結論
石油ストーブの燃費は使用方法(火力の設定)や暖め方、原油の価格などさまざまな要因で変わってくるが、燃料消費量がわかればある程度は計算できる。選ぶ際は「対流式」「反射式」といった暖め方、適用畳数、タンクの容量などもチェックしよう。
(参考文献)