春節とは何のこと？どのように過ごすのが定番なのか解説！

春節とは中国の旧正月のことだ。旧正月とは旧暦の正月、つまり1月1日を指す。この日付は旧暦に基づいているため年によって変動し、現在の暦でいうと毎年1月後半から2月前半ごろに当たる。中国では春節の前日から7日間が連休となり、学校や会社も休みになるのだ。

旧暦とは月の満ち欠けを基準にした暦である「太陰太陽暦」のことで、アジア各国で広く使われてきた。日本でも、明治維新のころに西洋由来の「太陽暦」を導入するまで、長いこと太陰太陽暦が使用されていた。

現在はアジアでも太陽暦を採用している国が多いが、暦が変わってもそれまでの文化は変わらず、旧暦の正月に当たる旧正月は現在も大切な日とされている。中国や台湾ではこの日を春節と呼ぶが、韓国やシンガポール、マレーシアなどの国々ではまた違った名前で呼ばれているのだ。

2021年の春節は2月12日だ。その日付は毎年変わり、2022年は2月1日で、2023年は1月22日に当たる。これは旧暦である太陰太陽暦が、月の満ち欠けを基準に1ヶ月を決めているためだ。太陰暦では太陽暦よりも1年の日数が少なくなるので、閏月（うるうづき）を数年に1回設け、1年を13ヶ月として帳尻を合わせている。その分、春節の日付が年によってズレるといえる。

春節とは中国の旧正月だとわかったが、期間中はどのように過ごすのが定番なのだろうか？上で解説した通り、中国では春節の前日である大晦日から7日間が連休となる。ほかにも清明節や労働節、端午節、中秋節、国慶節といった祝日があるが、中でも春節はとくに大きな連休だ。そのためこの時期は、帰省や旅行をする方が多い。

春節の風習としては、龍や獅子の舞を踊る、目下の人や年配の人に「紅包」と呼ばれるお年玉をあげる、爆竹を鳴らして祝うなどが挙げられる。街は春節のカラーである赤で装飾され、赤い提灯や縁起のよい写真が飾られる。

また、家族で集まってご馳走を食べるのも定番だ。中でもとくに大晦日の夕食が重要視される。毎年いい収穫があるという意味の「年年有魚（年年有余）」という言葉から、大晦日の夜には魚料理が欠かせない。ほかにも地域によって違いがあるが、水餃子や焼き餃子、肉料理、餅、春巻き、あんの入った団子などを食べることが多い。

春節は大型連休となるため、この機会を利用して日本に来る中国人も増える。中国に本社を持つ旅行会社「Trip.com Group Limited」が発表した情報によると、春節休暇での周辺国海外への旅行先としては、日本の人気がもっとも高いようだ（※1）。

春節に日本を訪れる中国人が多い理由とは、いったい何なのだろうか？前述のTrip.comによると、冬の日本でウィンタースポーツをしたい、雪を見たい、温泉を楽しみたいという中国人が増えているという。
ほかにはショッピングや観光を目的に来る方も多く、テーマパークで遊ぶ、食事をする、アニメや映画作品の舞台となった場所を訪問するなどの目的でも人気がある。また日本は治安がよいため、安全性の高さも理由の1つに考えられているようだ。

春節とは中国の旧正月だ。華やかに飾られた中国の街では、獅子舞や爆竹がおめでたいムードを盛り上げる。家族や親戚とご馳走を食べるなど団らんして過ごす方も多いが、1週間の大型連休であるため日本を訪れる中国人も多い。日本とは違った過ごし方をする春節に興味を抱かれた方は、もっとくわしく調べてみてはいかがだろうか。

（参考文献）
※1出典：Trip.com Group Limited「中国人旅行者の今春節休暇は日本が人気旅行先トップに」
https://jp.trip.com/newsroom/zhong-guo-ren-lu-xing-zhe-nojin-chun-jie-xiu-xia-hari-ben-garen-qi-lu-xing-xian-totupuni-2/