1. サボテンに肥料は必要なの?

サボテンは、砂漠や雨の少ない土地で、かつ寒暖差の激しい過酷な環境で育つため、水や栄養を茎や根にためることができる。水やりがほとんどいらず、初心者でも育てやすいといわれるのは、サボテンの生息環境や、その仕組みが理由だ。必要な栄養分も土壌から吸収できるため、肥料も基本的には不要である。肥料がなければ育たない、枯れてしまう、ということもない。ただし、大きく育てたい、鮮やかでキレイな花を咲かせたい場合は、サボテンにも肥料を使う必要がある。
2. サボテンの肥料の与え方とタイミング

サボテンに肥料を与える際は、与え方とタイミングが重要になる。サボテンに向いている肥料は、液体肥料、有機肥料、固形肥料の3種類。肥料の種類によってもタイミングは異なり、いつでもよいというわけではないのだ。
春と秋の生育期
サボテンの多くは、春と秋が生育期にあたる。この時期に、月2~3回を目安として液体肥料を与えるとよい。最初は、規定量より薄めにし、少量ずつ与えるのがポイントだ。
植え替えの時期
サボテンが成長すると植え替えが必要になるため、そのタイミングで、土の中に少量の固形肥料、または有機肥料を混ぜる方法もある。根腐れを防止するために、根から離れた場所に混ぜるのが望ましい。
3. サボテンに肥料を与えるときの注意点

丈夫な植物といわれるサボテンではあるが、その根は非常に繊細だ。肥料が多すぎたり、強すぎたりすると、根腐れする可能性が高い。また、肥料の与えすぎによる「肥料焼け」を引き起こすこともあり、最悪の場合、サボテンが枯れてしまう。
肥料焼けとは?
肥料を過剰に与えることで、土壌の肥料濃度が上がり、濃度バランスが崩れる。バランスが崩れると、土壌を元の状態に戻そうとする働きにより、水分が移動するのだ。その際、サボテンの根から水分が奪われてしまう。その結果としてサボテンが枯れることを、肥料焼けという。肥料を与えたことでサボテンの元気がなくなったと感じる場合は、肥料焼けの可能性がある。土壌の肥料濃度を下げることが主な対処法だ。水を普段の3倍ほどたっぷりと与え、過剰な肥料を流し、様子を見てみよう。または、肥料を混ぜていない新しい土に植え替える方法もある。
4. サボテンにおすすめの肥料5選

コーヒーを淹れたあとの「コーヒーかす」が肥料になる、という情報を目にしたことがあるかもしれない。もし肥料になるのであれば、そのまま土に混ぜればよいのではないかと考えてしまいそうだが、そのまま使用しても肥料にはならない。抽出したことで、栄養分が抜けてしまっているため、メリットがないのだ、むしろそのまま土に混ぜてしまうと、土壌の窒素量が減り、サボテンの生育にもよくない。しかし、コーヒーかすと、腐葉土などのたい肥をバケツに入れ、1日1回混ぜながら約1カ月間発酵させると、肥料として使用できるようになる。コーヒーかすが腐葉土の独特なにおいを抑えてくれるほか、土に必要な微生物の成長を促進し、さらに虫も寄せつけにくいため、室内のサボテンにも使用しやすいだろう。
また、サボテンの肥料はホームセンターや100均でも販売されているため、手軽に購入できる。続いて、市販のおすすめ肥料を紹介していく。
また、サボテンの肥料はホームセンターや100均でも販売されているため、手軽に購入できる。続いて、市販のおすすめ肥料を紹介していく。
ハイポネックス「マグァンプK」
ハイポネックスジャパンの粒状肥料だ。大粒で約2年、中粒で約1年、効果が持続する。また、生育期の緩効性の追肥としても使用可能であり、その場合は、小粒がおすすめである。
ハイポネックス「ハイポネックス原液」
与えてすぐに効果がでる液体肥料だ。さまざまな植物に使用でき、15種類の栄養素が配合されている。水で薄めて使用するタイプのため、サボテンには規定より薄めた状態から様子を見て与えていこう。
ハイポネックス「キュート サボテン・多肉植物用」
使用量が一目でわかる、目盛り付きの液体肥料だ。サボテンや多肉植物を、鮮やかでキレイに育てるための専用活力液である。
ハイポネックス「ガーデンエッセンス」
土やハイドロ石の上に置くだけで、植物に活力を与えるガーデンエッセンス。酸化チタン配合による光触媒効果で、空気もキレイにしてくれるのが特徴だ。
花ごころ「多肉植物の肥料」
錠剤タイプで扱いやすい、多肉植物の肥料だ。長くゆっくりと肥料の効果が続く緩効性が特徴である。株元から2~3cm離した場所に、鉢植えのサイズに適した規定量の錠剤を置くだけで使用できる。
結論
サボテンは、基本的には肥料がなくても育てられるが、大きく育てたい、キレイで鮮やかな花を咲かせたいときは、肥料を使うとよい。ただし、水や栄養を茎や根にためられるサボテンの性質上、量やタイミングには注意が必要だ。サボテンの種類によって、生育期や水やりの頻度にも違いがあるため、それぞれに適したタイミングで、適量の肥料を与えよう。