目次
- 1. サボテンにも水やりは必要!ただし「やりすぎ」はNG
- 2. サボテンの水やりのポイントと適切な量は?
- 3. サボテンの水やりのタイミングと頻度は?
- 4. サボテンの上手な育て方とポイントまとめ
- 5. サボテンに寄り付きやすい害虫とその対策
- 6. サボテンを長く楽しむためにも水やりや育て方のポイントを覚えておこう
1. サボテンにも水やりは必要!ただし「やりすぎ」はNG

サボテンはアメリカやメキシコ周辺を原産とする多肉植物(観葉植物)だ。トゲには綿毛のような「刺座(しざ)」と呼ばれる部分がある。葉や茎に貯水する性質を持つため比較的枯れにくく、砂漠などの乾燥した環境でも生育する。そのため初心者でも育てやすい。
サボテンは「枯れにくい」が水やりは必要
たしかにサボテンは、ほかの植物と比べ乾燥に強い面がある。だが「植物」であり「生きて」いる。したがって水やりは必要だ。水やりをしないまま放置すれば当然枯れてしまうので、くれぐれも水やり不要などと思わないように気をつけよう。
ただし水やりのしすぎは根腐れを招くおそれがある
水が必要とはいえ与えすぎるのはNGだ。必要以上に水やりをしてしまうと根が呼吸できなくなり「根腐れ」を起こして枯れるおそれがある。サボテンに限ったことではないが、水やりは適切なタイミングと頻度でおこなうことが大切だ。
2. サボテンの水やりのポイントと適切な量は?

サボテンを立派に育てるためにも、水やりの仕方は季節によって変えよう。
水やりのポイント|春と秋
春と秋はサボテンにとっての「生長期」だ。土が乾いたらたっぷり水を与えよう。サボテンを置いている場所にもよるが、2週間に1度を目安にするとよい。なおこの季節は、午前中にサボテンの水やりをするのがおすすめだ。
水やりのポイント|夏
夏は多くのサボテンが「休眠期」に入る。本来水やりはほとんどしなくてよい季節だが、夏は土が乾燥しやすいため、土が乾いたタイミングで少量の水を与えよう。梅雨の時期など雨が続くときは、与えすぎに注意が必要だ。必ず土の状態をチェックしよう。なお夏場に水やりをするなら夕方以降がおすすめだ。気温が高い日中に水を与えるとサボテンが蒸れてダメージを受けやすい。気温が下がり始める時間帯に水やりをしよう。
水やりのポイント|冬
サボテンの種類によっては冬も休眠期になる。水はほとんど与えなくてもよいが、気温が5度以上で土が乾燥している場合は少量ずつ水やりをしよう。大きなサボテンは保水能力も高いが、小さな個体は枯れやすいため、こまめな水やりが必要な場合もある。サボテンは冷たい水が苦手なので、昼間の暖かい時間帯に15℃程度のぬるい水を与えるようにしよう。
水やりの量はどれくらい?霧吹きだけでは不十分!
サボテンは乾燥した環境でも自生するため、霧吹きでサッと水やりをすれば十分と考える方もいるだろう。だが霧吹きで水やりした程度では表面が濡れて終わってしまう。サボテン本体に十分な水を与えられないというわけだ。じょうろを使ってサボテンの頭から水やりをしてほしい。鉢底から流れ出るくらい与えればOKだ。
3. サボテンの水やりのタイミングと頻度は?

サボテンが「どのような状態になったら」水やりをすればよいのか、また「どれくらいの頻度で」水やりをすればよいのか。続いてはそんな疑問にお答えしていこう。
水やりのタイミングは「土が乾いたら」を基本にする
サボテンへの水やりは、土が乾いたら水を与えるのが基本だ。「水やりした直後と乾燥した状態の鉢の重さを比べて覚えておく」「土に竹串を挿して土が付着しなかったら乾燥と判断する」など、土の状態を見極める方法はいくつもある。
水やりの頻度よりも「土の状態」を意識する
上述のように、サボテンの水やりは土が乾いたタイミングがベストだ。したがって「◯日に◯回」など決まった頻度ではなく、土の状態を確認して水やりするか判断しよう。なおサボテンを屋外で育てる場合、雨水で土が濡れることも多い。このケースはほとんど水やりをしなくても生長する場合がある。
水やりは「生長期」か「休眠期」かも変わる
生長期は水を吸い上げてる力が強いため、土が乾いたらたっぷり水を与える。水が足りないと枯れてしまうので注意しよう。反対に、休眠期はサボテンが休んでいて水を吸う力が弱いため、水やりをしすぎると根腐れするおそれがある。なおサボテンの種類で生長期と休眠期が変わるため育てる前に確認しておこう。
4. サボテンの上手な育て方とポイントまとめ

ここまでサボテンの適切な水やりの方法やタイミングなどを解説した。だが元気なサボテンに育てるには、水やり以外の部分も重要になってくる。正しい育て方やポイントをまとめたので、ぜひこちらもご確認いただきたい。
鉢の選び方
サボテンは根腐れを起こすことがあるため、水はけや通気性に優れた「素焼きの鉢」を選ぶとよい。サボテンよりもひと回り大きいサイズ感のものがおすすめだ。
日当たり(置き場所)
サボテンは本来日当たりがよく乾燥した環境で自生するため、日当たりのよい場所が適している。だが直射日光に当たると葉焼けを招くおそれもある。レースのカーテン越しなど、直接日光は当たらないものの、明るい場所がおすすめだ。
温度
サボテンは厳しい寒さが苦手だ。気温が5℃以下になる場合は室内に入れて管理しよう。冬は窓際の気温が低いため、窓から離した場所に置くとよい。ただし日当たりは確保したいため、離れすぎないことも大切だ。
用土
水はけや通気性のよい土を用意しよう。市販のサボテン用(多肉植物用)の培養土がおすすめだ。自分で土作りをするなら赤玉土小粒6:腐葉土2:川砂2の割合で混ぜるか、川砂8:腐葉土2の割合で混ぜた土にくん炭を加えるとよい。
水やりと肥料・追肥
水やりについては先に述べたように、土が乾いたらたっぷり与える。植え替え時は緩効性肥料を与え、追肥は生育期(5〜9月)に月2回ほどを目安におこなうとよい。
植え替え
サボテンの根は生育スピードが速い。1〜2年に1回のペースで植え替えよう。時期は3〜4月がベストだ。植え替え1週間前から水やりを控え、土が完全に乾いた状態で根を鉢から引き抜く。根についた土を落とし、傷んだ根や伸びすぎた根をカットする。新しい鉢にサボテンの根を広げて植え替え、上から土を盛れば完了だ。
植え替え直後の管理
植え替え直後は根が水を吸収しきれないため、1〜2週間は水やりを控えよう。またこの時期は直射日光に当てず、半日陰に置いておくのが望ましい。
株分け
サボテンに子株がついたら株分けで増やせる。ピンセットなどで子株を外し、切り口を1〜2週間ほど乾燥させてから新しい土に植える。水は10日ほど与えないのがポイントだ。
5. サボテンに寄り付きやすい害虫とその対策

サボテンの育て方において注意したい害虫についても知っておこう。
カイガラムシやハダニなどには気をつけよう
カイガラムシやハダニはサボテンに寄り付きやすい害虫だ。カイガラムシは日本で約400種も発見されており、植物に寄生して吸汁の被害を及ぼす。ハダニは乾燥した場所に発生しやすく、植物の葉から栄養を奪って生長不良を引き起こす。ほかにもネジラミ、コナカイガラムシ、ワタムシなどの害虫が発生することもあるだろう。
【害虫対策】
害虫を見つけたら歯ブラシなどでこすって落とすか、薬剤を散布して対処しよう。予防策として、春の植え替え時に土を入れ替える、サボテンに霧吹きで水をかけるなどの方法も有効だ。
6. サボテンを長く楽しむためにも水やりや育て方のポイントを覚えておこう

サボテンの育て方そのものは難しくはない。だが乾燥に強いイメージがあるため、どうしても水やりを忘れてしまったり、少量しか与えなかったりして枯れさせてしまうことがある。季節や生長期・休眠期などによって変わる水やりのポイントや、お伝えしてきた育て方のポイントなどを参考に、ぜひ元気で立派なサボテンを育ててほしい。
結論
サボテンも植物なので水やりが欠かせない。やり方は季節などで異なるが、基本的には「土が乾いたらたっぷり与える」と思っておこう。ただしサボテンには生長期と休眠期がある。とくに休眠期は水を与えすぎて根腐れを起こさないように注意しよう。