1. 原稿用紙の書き方の前に

原稿用紙は、個人の趣味で使用することもあるが、読書感想文や小論文など、書いたものを人に見せる場合や、提出を求められることも多い。よい文章を書いたとしても、書き方を間違えると台無しになってしまう可能性もある。そのため、正しい書き方を知っておこう。また、原稿用紙にも、縦書き・横書きのいずれかなどの種類がある。指定された規格の原稿用紙を使うようにしよう。
実はサイズ・デザインもいろいろ
原稿用紙というと、B4サイズの400字詰めが一般的。子どもの頃に使ったことがある人も多いはずだ。しかし、原稿用紙にもいろいろなサイズがある。ハガキサイズから、B4、B5、A4など、意外に幅広い。文字数も定番の400字詰めだけでなく、幼児向けの81字詰め、小学校低学年くらいの子ども向けの196字詰めなど、さまざまだ。さらに、縁取りにイラストの描かれた、遊び心のある原稿用紙も販売されている。書き方も自由な個人での使用なら、外出先では持ち運びに便利な小さめのB5サイズ、デザインも楽しめるタイプなど、使いやすいものを選んでみてもよいだろう。
原稿用紙のメリット
原稿用紙は、四角いマス目に1文字ずつ字を書き込んでいくため、文字数を数えやすく、感覚を掴みやすい。たとえば、4000文字書くのであれば、一般的な400字詰めの原稿用紙10枚分書けばよいことになる。このように文字数の感覚が掴めると、文章の全体的な流れも意識しやすくなり、バランスよく展開することが可能だ。また、時間指定のあるスピーチなどでも、文字数がカウントできる原稿用紙を活用できる。1分間のスピーチであれば、約400字が目安となるため、原稿用紙1枚分の原稿を作ればよいと判断できるのだ。こうして簡単に文字数が数えられる点や、全体を意識した文章を書きやすい点が、原稿用紙の大きなメリットといえる。
2. 原稿用紙の正しい書き方

原稿用紙の書き方として迷うポイントといえば、小さい「っ」や「ょ」といった文字ではないだろうか。これらは1文字とカウントし、1マスずつ使って書くのが正しい。そのほかにも、句読点やマス目をあける場所など、細かい書き方のルールも知っておくのが望ましい。読書感想文や小論文などで多く使われる、縦書きの原稿用紙の正しい書き方について解説していこう。
マスをあける場所
題名を書く場合は、1行目に書く。このとき、上から2~3マスあけて書き始めよう。氏名は、枠外に欄がない場合、題名の次の行に書く。下から1~2マスあくようにし、姓名の間にも1マスあけて書くとよい。続いて、本文は氏名の次の行、もしくは1行あけてスタートする。さらに、初めの1マスをあけて書いていこう。段落を変えるときは必ず改行し、初めの1マスをあけて書くのが決まりである。
句読点の書き方
句読点は、1文字とカウントするため、それぞれ1マスずつ使用する。ただし句読点が新しい行の1マス目にくる場合は、前の行の最後の文字と一緒に書き入れよう。
記号の書き方
括弧(「」や『』)も、それぞれ1マスずつ使用する。ただし、セリフや会話文を書く際にかぎ括弧を使用した場合、句点と終わり括弧は同じマスに書き込む。点線やダッシュは、2マス使用するのが一般的である。
数字とアルファベットの書き方
数字は、縦書きでは原則として漢数字で書く。1なら「一」、25なら「二十五」と書くのが正しい書き方だ。年号を書くときは、一般的に「二〇二一年」という書き方をする。少しややこしいのがアルファベットだろう。縦書きの原稿用紙にアルファベットを横書きする場合は、大文字のみ1マス使用し、小文字は1マスに2文字ずつ記入するとよい。
3. 原稿用紙の書き方の注意点

原稿用紙の正しい書き方を知ったうえで、さらに注意しておくべき点を見ていこう。
行の頭に書いてはいけないもの
句読点が行の頭にくる場合、前の行の最後の文字と一緒に書き入れるのがルールだったが、「々」も、原稿用紙の各行1マス目にきてはいけない。たとえば「人々」の「々」が行の頭にくる場合は、ひらがなにするか、「人人」と書くのが正しい書き方となる。
行の末に書いてはいけないもの
原稿用紙の各行の頭に書いてはいけない記号なども多いが、末に書いてはいけないものもある。「、『などの始め括弧だ。行の末に来てしまう場合は、最後の1マスをあけて、次の行にうつるのが正しい書き方となる。
結論
意外にルールが多い、原稿用紙の書き方。とくにルールや原稿用紙の規格などが厳密に決まっている場合は、しっかりと正しい書き方を知ったうえで書いていきたい。しかし迷うポイントは、明確な答えがあるものがほとんどだ。書き方に迷ったときや、書き慣れるまでは、ぜひ当記事を参考にしてみてほしい。