目次
- 1. ボールペンのインク汚れを消すのが大変な理由
- 2. 紙に書いたボールペンを消す方法
- 3. 皮膚についたボールペンを消す方法
- 4. 衣類や布についたボールペンを消す方法
- 5. ガラスや金属、プラスチックなどについたボールペンを消す方法
- 6. 壁紙やビニール、ホワイトボードについたボールペンを消す方法
- 7. 衣類についたボールペンをすぐに消せないときの応急処置
- 8. ボールペンを消すときはインクの液性と素材を確認しよう
- 紙
- 木
- レンガ
- ブロック
- 石
- 本革や合皮 など
- ビニールを敷き、その上に用意した布切れを1枚敷く
- ボールペンで汚れた部分を下に向けて布切れの上にのせる
- 消毒用エタノールまたは除光液を数滴垂らす
- もう1枚の布切れで汚れた部分を軽く叩く(こすらないこと)
- インクが下の布に移ったら洗濯機で普通に洗って完了
- 消毒用エタノールまたは除光液を布に含ませる
- インクが消えるまでボールペン汚れを拭く
- 汚れてもよいハンカチなどの布を水に濡らして絞る(なければティッシュでもOK)
- ボールペン汚れの下に乾いたティッシュを敷く
- 濡らして絞ったハンカチまたはティッシュなどで上から叩く
- できる限り汚れを下に敷いたティッシュに移す
- 帰宅後すぐに洗濯する
- ティッシュまたは汚れてもよいハンカチなどの乾いた布を用意する
- ボールペン汚れをそっと「つまむ」ようにして汚れを移す
- 帰宅後すぐに洗濯する
1. ボールペンのインク汚れを消すのが大変な理由

なぜボールペン汚れはなかなか消すことができないのか、基本的なところを解説する。
そもそも消すことを前提としていない
当たり前といってしまえばそれまでだが、そもそもボールペンは消すことを前提に作られていない。むしろ消えては困る筆記用具だ。消すのが大変な理由はまさにここにある。
液性や素材によっては深くに染み込んでしまう
もうひとつ、ボールペンには水性や油性といった液性がある。液性により適した消し方が異なるうえ、ボールペン汚れがついた場所や素材などによってはまったく消すことができない場合もある。素材の奥深くに染み込んでしまった場合などはとくに、諦めなければならないことも多い。
ボールペン汚れが消せない場所や素材
残念ながら、ボールペン汚れが付着した場所や素材によっては、どんな手を用いても消せないことがある。上述した場所や素材についたボールペン汚れは、液性に関わらず消せないと思っておこう。ただし木は、油性ボールペンであればプラスチック消しゴムなどで消せる可能性がある。
とはいえその場合でも消せるのは表面だけで、染み込んだ汚れは残ってしまうだろう。なお革製品などは修理専門店に持ち込むことでキレイになることもあるので覚えておこう。
必ず消える、薄くなるとは限らないと思っておこう
本稿ではこれ以降、液性や素材ごとにボールペン汚れを消す方法を紹介していく。だが上述した理由から「必ず消える」「薄くなる」とは限らないことだけ、何卒ご承知おき願いたい。
2. 紙に書いたボールペンを消す方法

ここからはボールペンのインク汚れを消す方法について紹介していく。まずは紙に書いたボールペンを消す方法から見ていこう。知っておくと、書き間違えてしまったときなどに役立つかもしれない。
砂消しゴム
砂を練り込んだ消しゴムが砂消しゴムだ。砂が研磨剤のような役割を果たしてくれる。以前は使いづらい(うまく消せない)ものも多かったが、近年は品質が向上しボールペンをよりキレイに消せるようになっている。
とはいえ紙が破れたりインクが広がったりといったリスクも想定されるため、まずは見えない(紙が破れたりインクが広がったりしても問題ない)部分で試してからのほうがよいかもしれない。
カッター
厚紙の場合であれば、カッターで削るといった方法もある。ただしかなり繊細な作業となるため難しいのと、紙が破れるといったリスクは排除できない。悪化させるリスクもあるため、そこまでするくらいなら紙そのものを新しいものに交換したほうがよいだろう。
3. 皮膚についたボールペンを消す方法

続いて、皮膚についたボールペンを消す方法を説明する。
皮膚についたボールペンを消す方法
【ジェルボールペンや水性ボールペンの場合】
手や顔など皮膚にボールペン汚れがついてしまったときは、石けんとぬるま湯で洗うのが基本だ。一気に消すことは難しいが徐々に薄くなっていく。気にしないのであれば、日々お風呂に入るだけでも少しずつ消えていくだろう。
【油性ボールペンの場合】
油性ボールペンも基本的には同じだ。石けんやボディーソープなどとぬるま湯で少しずつ落ちていく。シワに入り込んだインクなどはとくに落ちにくいが、少しずつ消えていくはずなので根気よく待とう。
リップクリームやハンドクリームを使って消す方法
リップクリームやハンドクリームには油分が含まれている。油性ボールペンであれば反応して溶けるため消しやすくなる。リップクリームやハンドクリームを十分なじませたら、ぬるま湯などで洗い流してみよう。
消毒用エタノールを使って消す方法
石けんを使ってもなかなか消えてくれないボールペン汚れであれば、消毒用アルコールを使ってみるのもおすすめだ。ただし皮膚が弱い方、敏感な方などは荒れるおそれがあるため控えたほうがよいだろう。
もちろんそうでない方も、使いすぎは避けた方がよい。アルコールは皮脂も一緒に奪ってしまうためだ。心配な方は、最初から石けんやボディーソープのみ、もしくはリップクリームやハンドクリームを使う方法などに留めておこう。
4. 衣類や布についたボールペンを消す方法

衣類や布などについたボールペン汚れは少々厄介だ。液性で消し方が変わるため、先に水性か油性かを確認しておこう。
衣類など布に染み込んでしまった場合の消し方
【ジェルボールペンや水性ボールペンの場合】
木綿や麻、絹、あるいはポリエステルを始めとする合成繊維にボールペン汚れがついてしまったときは、水に濡らしてから洗濯洗剤(液体なら原液)を含ませてもみ洗いをし、流水でよくすすぐ。何度か繰り返すと薄くなってくるので普通に洗濯するか、そのままもみ洗いを繰り返して消そう。ただし「水洗いNG」のアイテムだったときは消すことができない。
【油性ボールペンの場合】
消毒用エタノールもしくは「プロピレングリコール」を含む除光液、それから汚れても構わない無地の布切れ2枚とビニールシートを用意する。布の色が移るのを防ぐため必ず無地の布を用意しよう。また消毒用エタノールや除光液を衣類や布に少しだけ塗り、変色しないかどうかも確認しておいてほしい。手順は以下の通りだ。
【消毒用エタノールや除光液で消す手順】
汚れを移す際はこすらないように、くれぐれも気をつけてほしい。うっかりこすってしまうとボールペンの汚れが広がってしまうおそれがあるためだ。また作業する前に、必ず衣類や布などの目立たない部分で変色や脱色がないか確認することも忘れないようにしよう。
5. ガラスや金属、プラスチックなどについたボールペンを消す方法

次はガラスやせともの、金属やプラスチックといった素材についてしまったボールペン汚れを消す方法を紹介する。これらは衣類や布などと異なり、比較的消しやすい素材である。
ガラスや金属、プラスチックについたボールペン汚れの消し方
【ジェルボールペンや水性ボールペンの場合】
水に濡らした布でこする。それでも消えないときは石けんまたは洗濯洗剤をつけてみよう。石けんなどを使用した場合は、成分が残らないようにきちんと水拭き→乾拭きで仕上げることもわすれないようにしよう。
【油性ボールペンの場合】
ごく軽いものであれば、プラスチック消しゴムでこするだけで消えることがある。それでも消えないときは、消毒用エタノールまたは「プロピレングリコール」を含む除光液を使ってみよう。
【消毒用エタノールや除光液で消す手順】
布の染料が落ちて素材に付着するのを防ぐため、無地のものを用意しよう。なお同じ金属でもアルミなどは、時間が経ちすぎるとそれ自体が染まってしまい消せなくなることがある。
またプラスチックに消毒用エタノールや除光液を使う際も変形したり溶けたり、あるいは強度が低下したりといったリスクがある。二次的なトラブルを避けるためにも、可能であれば油性ボールペンの汚れはプラスチック消しゴムのみで消すのがおすすめだ。
6. 壁紙やビニール、ホワイトボードについたボールペンを消す方法

続いて、油性ボールペンの汚れが付着してしまったときの消し方を素材別に説明していく。
壁紙やビニール、ホワイトボードについたボールペン汚れの消し方
【ジェルボールペンや水性ボールペンの場合】
ガラスなどと同じように、まずは濡れた布でこすってみてほしい。消えなければ石けんや洗濯洗剤などで試してみよう。基本的には消える素材なので、多少残るおそれもあるが目立たない程度まで薄くすることはできるはずだ。
【油性ボールペンの場合】
こちらもガラスなどと消し方は同じである。まずはプラスチック消しゴムでこすってみて、消えないときは消毒用エタノールまたは「プロピレングリコール」を含む除光液を使って試してみよう。
7. 衣類についたボールペンをすぐに消せないときの応急処置

仕事中や外出先などで、ワイシャツにボールペン汚れが付着してしまうこともある。もっとも重要なことはスピード感であるため、本来は直ちに消したいところだ。だがどうしても難しい状況もある。そんなときは、帰宅後に少しでも消しやすくするための応急処置を施しておこう。
衣類についたボールペン汚れがすぐに消せないときの応急処置
【ジェルボールペンや水性ボールペンの場合】
取り掛かるのが早いほど効果が期待できる。このときも、こすってしまうと広がるおそれがあるため、あくまでトントンと軽く叩くことを心がけて汚れを移していこう。
【油性ボールペンの場合】
油性ボールペンインクは「繊維にのっている」状態だ。絶対にこすらず、のっている汚れをつまんで移すイメージでとにかくそっと、処置をしよう。
8. ボールペンを消すときはインクの液性と素材を確認しよう

お伝えしてきたように、ボールペン汚れを消すには「液性」と「素材」が重要になる。それによって適した消し方が異なるためだ。何より大切なのはスピード感だが、慌てて液性を間違えるとまったく消えず、しかも時間が経ってさらに消しにくくなることも想定される。
まずは液性と素材を確認し、そのうえで適した消し方を選択してほしい。なお繰り返しとなるが、紹介してきた方法で必ず消える、薄くなるとは限らないこと改めてご承知おきいただきたい。
結論
ボールペンは消すことを前提として作られていないため、意図しない場所や素材についてしまったときは消す作業が大変だ。液性と素材を見極めて効率よく消していこう。また外出先などで衣類に付着してしまったボールペン汚れは、速やかに応急処置を施せば帰宅後かなり薄くできる、または消せる可能性がある。水性と油性で応急処置が異なるので、こちらもぜひ覚えておこう。