1. 洗車に使える食器用洗剤もある

洗車に食器用洗剤を使えるかどうか、結論からいえば、使うこと自体は可能である。ただし、中性洗剤であれば、という点には気を付けなければならない。
中性洗剤とは?
中性洗剤とは、中性の性質をもつ洗剤である。洗浄力があり素材への刺激の少なさが特徴で、一般的な食器用洗剤の多くが中性で作られている。中性かどうかは、パッケージに記載されているので、すぐに見分けられる。
食器用と洗車用の違いは?
どちらも目的は汚れを落とすことなのだが、それぞれ成分や用途が違う。食器用洗剤は、主にガラスやプラスチックの油汚れを落とすものである。一方、洗車用シャンプーは、車の塗装面に付いた泥や砂、排ガス、ワックスの残りなどをキレイにするのが主な目的だ。洗車用のシャンプーを切らしたときの代用として、食器用洗剤を使うのはよいが、油汚れを落とす以外の成分が乏しい食器用洗剤には注意点が多い。その点は、記事の後半に解説する。
2. 洗車に食器用洗剤を使うメリットとデメリット

食器用洗剤を洗車に使うこと自体は問題ない。ただし、メリットとデメリットを理解した上で使うことが大切である。ここでは、食器用洗剤を使うことのメリットとデメリットを紹介する。
メリット1.安く手に入る
食器用洗剤は、コスパがよい。ほとんどが洗車用シャンプーよりも安く手に入る。洗車用シャンプーは1,000円前後のものが多いが、食器用なら、その半分以下の価格で購入できる。
メリット2.どこでも買える
食器用洗剤は、すぐに手に入る手軽さがある。いつも行くスーパーマーケットやドラッグストア、また、コンビニエンスストアでも購入できる。わざわざホームセンターやカー用品店に行かなくてもよい。
メリット3.使い分ける手間がない
ほぼ毎日使う食器用洗剤なら、どの家庭でも常備されているだろう。洗車の際は、それを使えばいいので、洗車用シャンプーの用意、使った後に別で保管しておく手間が省ける。
デメリット1.泡切れが悪い
車のボディに洗剤が残ってしまうと、塗装面などが傷む原因になる。また、コーティングのノリの悪さにもつながる。食器用洗剤は、少量で泡のもちがよくなるように作られている。そのため、洗車に使った場合はいつも以上にしっかり流さないと、洗剤が残ってしまう可能性がある。
デメリット2.ワックスまで落としてしまう
油汚れに強い食器用洗剤は、ワックスまで落とすことがある。ワックスをかけている方は注意が必要だ。その反面、古いワックスを落として、新しくかけ直したい方にはおすすめできる。
デメリット3.車体を傷めることも
すすぎが不十分で洗剤が残ってしまった場合、窓枠やワイパー、タイヤなどのゴム材を傷めてしまう可能性がある。とくに経年劣化したゴム材は、食器用洗剤によって、さらに劣化を加速させてしまう。
3. 洗車に食器用洗剤を使う際の注意点

洗車に使えることが分かった食器用洗剤。しかし、洗車用シャンプーと違い注意しなければいけないところも多い。最後に、使用する際の注意点を見ていこう。
洗剤選びに注意
食器用洗剤は、酸性、中性、アルカリ性の3種類。洗車に使う際は、中性洗剤を選ぶ必要がある。酸性やアルカリ性だと、洗浄力が強すぎるために扱いが難しく、車のボディや塗装などを傷めてしまう恐れがある。洗剤は慎重に選ぶようにしよう。
薄めて使う
食器用洗剤は薄めて使うようにしよう。食器用洗剤は、洗車用シャンプーより界面活性剤の濃度が高く、原液のまま使用すると、ゴム材や樹脂部分を傷める原因にもなる。バケツなどで薄めてから使うことをおすすめしたい。
よくすすぐこと
食器用洗剤は泡切れがよくないので、すすぎをしっかりする必要がある。洗剤が残っていると、乾いたときに塗装面などが傷む可能性があるからだ。すすいだと思っていても、車の表面には洗剤のぬめりが残っていることがよくある。食器用洗剤を使った場合は、いつも以上に丁寧に洗い流すようにしよう。
結論
食器用洗剤は、中性であれば洗車に使うこと自体はできる。ただし、薄めて使う、よくすすぐなど、注意点に気を付けないと車に悪影響が出てしまう。そのため、なるべく普段は洗車用シャンプーを使い、切らしてしまったときの代用に、食器用洗剤を使用する程度がよいだろう。