1. 漏電遮断器の原理とは?ブレーカーとの違いは?

漏電遮断器とはどのようなものなのだろうか?漏電遮断機の原理や一般的なブレーカーとの違いを解説する。
漏電遮断器の原理
漏電遮断器は「漏電ブレーカー」と呼ばれることも多い。漏電を検知したら電気回路を遮断して危険を防ぐための装置である。通常電気回路は絶縁状態で、電流が外に漏れないようになっている。だが、何らかの原因で電気が外に漏れたときに回路を遮断するのだ。
漏電遮断機は、回路内の電流の数値を行き帰りで計測して、差が出ているときに遮断する仕組みになっている。正常であれば行き帰りの電流は同じ数値なので、差が生じているということは電流が漏れていることになるのだ。
漏電遮断機は、回路内の電流の数値を行き帰りで計測して、差が出ているときに遮断する仕組みになっている。正常であれば行き帰りの電流は同じ数値なので、差が生じているということは電流が漏れていることになるのだ。
一般的なブレーカーとの違い
一度に多くの電化製品を使ったときに、ブレーカーが落ちるという経験がある方もいるだろう。一般的にブレーカーと呼ばれるものは「配線用遮断器」と呼ばれ、漏電遮断器とは別物である。
一般的なブレーカーは、電気回路内で過剰な電流が流れたときに遮断する装置だ。雷などで大きな電流が流れた場合などに、このブレーカーは落ちる。
一般的なブレーカーは、電気回路内で過剰な電流が流れたときに遮断する装置だ。雷などで大きな電流が流れた場合などに、このブレーカーは落ちる。
漏電遮断器は必ず設置しないといけないの?
自宅に漏電遮断器が設置されていないかもしれないと、不安に思われる方もいるだろう。実は、漏電遮断器は配線用遮断器と一緒に付いているのが一般的だ。気になる方は分電盤を確認してみよう。
電気設備に関する技術基準を定める省令における「電気設備の技術基準の解釈」では、「金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること」とある。(※1)例外の条件として「乾燥している場所」で使用する場合というのがあるが、家庭内では洗濯機や食器洗い機、給湯器など水を扱う電化製品が多くある。このため、家庭では必ず漏電遮断器を設置する必要があると考えよう。
電気設備に関する技術基準を定める省令における「電気設備の技術基準の解釈」では、「金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること」とある。(※1)例外の条件として「乾燥している場所」で使用する場合というのがあるが、家庭内では洗濯機や食器洗い機、給湯器など水を扱う電化製品が多くある。このため、家庭では必ず漏電遮断器を設置する必要があると考えよう。
2. 漏電遮断器が落ちる原因や対処法

漏電遮断器が落ちるときは、何らかの原因で漏電が発生したと考えられる。漏電遮断器が作動する原因や対処法を解説する。
漏電が起こる原因
漏電が起こったとき、原因は次のいずれかに当てはまる。
- 水漏れ
- 電化製品の劣化
- コードやプラグなどの劣化や破損
- 電気配線の劣化
- ネズミなど小動物による被害
漏電遮断器が作動したあとの対処法
漏電遮断器が作動すると停電状態になる。だが、漏電遮断器と配線用遮断器のどちらが作動したのかについては判断が付かない。漏電遮断器が作動したと確認する方法とその後の対処法を解説する。
- 分電盤を開き、漏電遮断器のレバーが下がっているかどうかを確認する
- 漏電を検知すると、漏電遮断器に付いている黄色の「漏電表示」ボタンも飛び出す
- すべてのブレーカーを切ったあと、漏電表示ボタンを押し込んで漏電遮断器のスイッチだけを入れる
- 漏電した回路を見つけるため、小さなブレーカーのスイッチを1つずつ入れ、電化製品からの異音や異臭がないか確認する
- 小さなブレーカーのスイッチを5秒おきに1つずつ入れ、どこかで漏電遮断機のレバーが下がったらその回路内に漏電箇所があることがわかる
- ブレーカーを落としたまま、回路内にあるすべての電化製品のプラグを抜いたり配線を確認したりして、漏電箇所を特定する
- 漏電箇所が電化製品なら修理に出し、配線など家屋そのものにある場合には電気工事の業者に問い合わせる
3. 漏電遮断器が正常に動くかをチェックしよう

万が一の漏電の際に漏電遮断器がきちんと作動しなければ、火災や感電につながりかねない。このため、定期的に漏電遮断器をチェックする必要がある。漏電遮断器の点検方法を説明する。
- 分電盤を開き、漏電遮断器のスイッチが入っていることを確認する
- 漏電遮断器の横に付いている「テスト」と表示されているボタンを押す
- 正常に動いていれば、漏電遮断機の横にある漏電表示ボタンが飛び出して停電する
- 正常に作動していることを確認したら、漏電表示ボタンを押し入れ、漏電遮断器のスイッチを入れる
この点検を月に1度行っておくと安心だ。
結論
漏電遮断器について、その原理や落ちた際の対処法を解説した。漏電遮断器は万が一の漏電の際に、感電や火災を防いでくれる。普段気に止めることはほとんどないが、家庭には必ず設置されているはずだ。いざというときに作動するように、定期的に点検しておこう。
(参考文献)
※1出典:経済産業省「電気設備の技術基準の解釈 」
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/dengikaishaku.pdf