1. 電池の白い粉の正体と触った場合の対処法

日常生活の中で非常に密着している電池は、今やなくてはならない存在といっても過言ではないだろう。リモコン式の照明、電池式置時計、ワイヤレスマウスなど、気づけば日々のあらゆるところで電池を使用している。それだけ使用する場面の多い電池なので、今までに白い粉が付着した電池を見たことも一度ならずあるのではないだろうか。
白い粉は電解液が結晶化したもの
電池に付着した白い粉は何かと問われたら「液漏れの跡」と答える人は多いかもしれない。確かにそれは正解ではあるのだが、その液漏れの液体とは一体どのような物質なのだろうか。
電池は正極、負極、電解液で構成されており、それらの化学反応によって電気を起こしている。液漏れする際の液体とは、その中の電解液のことである。主な電池の種類と使用されている電解液は下記のとおりだ。
電池は正極、負極、電解液で構成されており、それらの化学反応によって電気を起こしている。液漏れする際の液体とは、その中の電解液のことである。主な電池の種類と使用されている電解液は下記のとおりだ。
【電池名称:電解液】
マンガン乾電池:塩化アンモニウム、塩化亜鉛、水
アルカリマンガン電池:アルカリ金属水酸化物、水
空気亜鉛電池(補聴器などに使用されるボタン電池):アルカリ金属水酸化物、水
二酸化マンガンリチウム一次電池(車のキーレスエントリーなどに使用されるコイン形電池):リチウム塩、有機電解液
アルカリマンガン電池:アルカリ金属水酸化物、水
空気亜鉛電池(補聴器などに使用されるボタン電池):アルカリ金属水酸化物、水
二酸化マンガンリチウム一次電池(車のキーレスエントリーなどに使用されるコイン形電池):リチウム塩、有機電解液
触った場合はとにかく流水で洗い流す
電池内部の電解液のうち、アルカリ金属水酸化物を使用している電池は、強いアルカリ性物質であるため、皮膚に触れると化学やけどを引き起こす恐れがある。そこで、液漏れした液体を触った場合は、大量の水で洗い流さなければならない。マンガン電池に使用されている電解液は弱酸性であるため、アルカリ性電解液より危険性は少ないものの、やはり触った場合は水で洗い流すべきである。
液漏れした電池に付着している白い粉は、電解液が空気に触れることで結晶化したものであり、水溶性の物質だ。白い粉自体を触ってすぐに問題はなくとも、その粉が水や汗に溶けることで化学やけどを起こす可能性が出てくる。白い粉を触って何も起こらないからと安心せず、「白い粉には触らない」「触ったら水で洗い流す」ことを徹底しよう。
液漏れした電池に付着している白い粉は、電解液が空気に触れることで結晶化したものであり、水溶性の物質だ。白い粉自体を触ってすぐに問題はなくとも、その粉が水や汗に溶けることで化学やけどを起こす可能性が出てくる。白い粉を触って何も起こらないからと安心せず、「白い粉には触らない」「触ったら水で洗い流す」ことを徹底しよう。
化学やけどとは
化学やけどとは、化学物質による皮膚・粘膜の損傷のことである。通常のやけどのような熱傷より、時間とともに皮膚の奥へ損傷が進行することが多い特徴があるため、触ってすぐに問題がなくても安心してはいけない。一般社団法人化学形成外科学会によると、化学やけどの際は、大量の水道水に勝る中和剤はないとの見解もあるため、電解液や白い粉を触った場合は、まずは水で洗い流し、必要があれば医師に相談するべきである。
2. 電池の周辺についた白い粉の掃除方法

液漏れした液体や白い粉に触ると危険であることはお分かりいただけたかと思うが、かといって電池周囲に付着した液体や白い粉をそのまま放置することはできないため、掃除が必要である。そこで、液体及び白い粉が電気機器や家具に付着した場合の掃除方法を紹介しよう。
用意するもの
- 防水性ゴム手袋
- ゴーグル、メガネ
- ティッシュペーパーもしくは捨ててもよい雑巾、古い布
- 爪楊枝、綿棒
- 液漏れした液体がすでに白い粉になっている場合は、掃除の際に粉が飛び散って目や口に入らないよう、ゴム手袋とゴーグルを着用する。
- 液漏れした電池をティッシュペーパーで包み、ビニール袋へ入れる。
- 電池の触れていた電気機器や家具に付着した液体は、ティッシュペーパーできれいに拭き取る。
- ティッシュペーパーや雑巾などを水で湿らせ、こまめに取り換えながら白い粉をきれいに拭き取る。
以上、一見過剰な掃除方法だと思うかもしれないが、後々思わぬ炎症を起こさないためにも、念入りに掃除することをおすすめする。
3. 使い終わった電池の処理はまず絶縁

液漏れの原因はいくつかあるが、適切な使い方や保管方法を守っていれば液漏れを引き起こす可能性は大幅に回避できる。下記に液漏れを発生させないための取り扱い上の注意点を紹介するので参考にして欲しい。
液漏れを起こさないために心がけること
液漏れを起こさないために心がけること
- 電極の向きを正しく入れる。
- 長期間使用しない場合の電池は取り外す。
- 使用していないときはスイッチを切る。
- スイッチのない機器は電池交換を定期的にする。
- 使いきりの一次電池を充電器で充電しない。
- 使用推奨期限内に使用する。
- 液体で濡らさない。
- 電池を交換する際は、すべての電池を同時に交換し、新しい電池と古い電池、種類の違う電池を混ぜない。
- 直射日光、暑い車内に放置せず、涼しい乾燥した場所で保管する。
- 保管する際、金属物と一緒に保管しない。
使い終わった電池の処理
ここで、とくに注意して欲しい点について少し詳しく解説する。上記では、使用前、使用中の注意点について紹介したが、実は使用後の使い切った電池の処理にも注意が必要だ。使い切った電池は、本来、自治体のルールに従って早めに廃棄することが基本である。
しかし、電池は小さく場所をとらないうえ有害ごみとなり、捨て方にも注意が必要であるため、ついつい廃棄処理はまとめてすればよいと考えがちだ。だが、廃棄する電池をそのままの状態で一つの容器の中に入れておくと、時間の経過とともに液漏れを起こす可能性が出てくる。
そもそも、電池の捨て方の基本としてビニールテープで絶縁してから捨てることになっている。そこで、電池を交換した場合は、捨てる直前ではなくすぐに絶縁しておくとよいだろう。そのようなこまめな処理をすることで液漏れを防ぐことができ、思わぬ危険から回避できることにつながるのだ。
しかし、電池は小さく場所をとらないうえ有害ごみとなり、捨て方にも注意が必要であるため、ついつい廃棄処理はまとめてすればよいと考えがちだ。だが、廃棄する電池をそのままの状態で一つの容器の中に入れておくと、時間の経過とともに液漏れを起こす可能性が出てくる。
そもそも、電池の捨て方の基本としてビニールテープで絶縁してから捨てることになっている。そこで、電池を交換した場合は、捨てる直前ではなくすぐに絶縁しておくとよいだろう。そのようなこまめな処理をすることで液漏れを防ぐことができ、思わぬ危険から回避できることにつながるのだ。
結論
電池に付着した白い粉の危険性とその処理の仕方について紹介したがいかがだっただろうか。電池は身近なものであるだけに、液漏れしてもつい、たいしたことはないと考えてしまうかもしれない。しかし、実は非常に危険な物質なのだ。電池事故の多くは液漏れによるトラブルであり、小さな子どもの被害報告も少なくはない。今回紹介した内容を参考に、思わぬ危険な事態が起こらないよう注意して欲しい。
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