1. カッティングシートの剥がし方の種類
カッティングシートの剥がし方は2種類ある。ドライヤーとスクレーパーの特徴と、知っておきたい剥がし方の基礎知識について紹介しよう。
ドライヤー
ドライヤーの温風を使ったカッティングシートの剥がし方だ。粘着糊を熱で柔らかくすることで、手でも剥がしやすくなる。使用するのは家庭で使っている一般的なドライヤーで十分だ。ただし、貼ってから時間がたったカッティングシートは取れにくく、ドライヤーだけだとのりが残る可能性もある。
スクレーパー
スクレーパーは柄があるヘラ状の工具で、汚れや塗装をこすって剥がすために使用する。落ちにくいカッティングシートの粘着糊も、こすることでキレイに除去できるだろう。ただし、金属製やプラスチック製、カーボン製など、スクレーパーにはさまざまな種類がある。硬い金属製だと貼った場所を傷つける可能性があるので、選び方には注意してほしい。
シール剥がしスプレーが便利
シール剥がし専用のスプレーを使えば、カッティングシートをキレイに取り除けるだろう。ドライヤーやスクレーパーと組み合わせて使うのがおすすめだ。ただし、シール剥がしスプレーにはいろいろな種類があり、プラスチックなど一部の素材に使うと溶けることもある。「使用する素材に対応しているか」「カッティングシートの塩ビ素材に使えるか」を確認するのがポイントだ。
目立たない部分でテストする
ドライヤーやスクレーバーを使った剥がし方でも、素材を傷つける可能性がある。カッティングシートを剥がす前に、目立たない部分で試してみよう。シール剥がしスプレーを使う場合も、あらかじめテストしておくと安心だ。大事なものに貼り付けたカッティングシートを除去する場合は、傷つけないよう慎重に道具を選んでほしい。
2. カッティングシートの剥がし方【ドライヤー編】
ドライヤーを使用したカッティングシートの剥がし方を解説しよう。手で剥がす方法なので、素材を傷つける心配が少ない。ただし、ドライヤーの熱が素材に影響を与える可能性がある。アクリル板などは変形するケースもあるので、異常がないか確認しながら作業しよう。
- カッティングシートをドライヤーで温める
- 粘着力が弱くなったのを確認したら端から少しずつ手で剥がす
- 粘着糊が残っている場合はシール剥がしを吹きかけて布で拭き取る
カッティングシートがすべて剥がれるまで、手順1~2までを繰り返す。手で何とか触れられる温度まで、しっかりと温めるのが剥がし方のポイントだ。また、丈夫な素材の場合は、シール剥がし材の代わりにガムテープを使う剥がし方もある。
3. カッティングシートの剥がし方【スクレーパー編】
スクレーパーを使った方法なら、貼ってから時間がたったカッティングシートも剥がしやすい。車に貼ったカッティングシートの剥がし方と併せて、詳しい手順を紹介する。
スクレーパーを使った剥がし方
スクレーパーは素材を傷つけにくいカーボン製やプラスチック製を選ぶ。シール剥がしスプレーは商品によって使い方が違うので、説明を読んでおくと安心だ。
- シール剥がしスプレーをカッティングシートに吹き付ける
- 2~5分ほど放置してシワシワの状態になるのを待つ
- スクレーパーを使って浮き上がったカッティングシートを剥がす
シール剥がしスプレーは吹きかけるときに飛び散りやすい。新聞紙で周囲を覆う、汚したくないものを遠ざけておくなどの対策が必要だ。残ったカッティングシートのカスは、布を使ってキレイに拭き取ろう。
車のカッティングシートを剥がす方法
車のカッティングシートを剥がす場合、傷がつかないかが心配だ。スクレーパーを使った剥がし方とコツについて詳しく解説する。車に使えるスクレーパー(もしくはヘラ)と、車専用のシール剥がしスプレーを用意しよう。
- タオルを使って汚れを軽く拭き取る
- 10cmほど離れた位置からシール剥がしを吹きかける
- シール剥がしスプレーの説明書通りに一定時間放置する
- 車を傷つけないようスクレーパーでゆっくりと剥がす
- 水をバケツに入れてタオルを浸したらカスや薬剤を拭き取る
力を入れすぎないように注意して、端から焦らずにゆっくりとこするのが剥がし方のポイントだ。スクレーパーを10度くらいの角度で車に当てれば、傷つける心配が少ない。
結論
カッティングシートをキレイに除去するには、剥がし方が肝心だ。ドライヤーやスクレーパー、シール剥がしスプレーなどの道具を使えば、粘着剤が残る心配がないだろう。ただし、貼った場所によっては、素材が傷む可能性があるので注意が必要だ。スクレーパーはプラスチック製やカーボン製を選び、シール剥がしスプレーは使える素材を確認しておこう。傷つけないように注意しながら、丁寧に作業をするのが剥がし方のポイントだ。