1. カッティングシートの使い方【準備編】

カッティングシートを使う前に準備を整えておこう。使い方の基礎知識とデザインを自作する方法についてまとめた。
カッティングシートとは?
中川ケミカルが商標登録をしている装飾用シートだ。粘着剤付きの塩ビフィルムであり、窓や看板、車、バイクなどに貼って使用する。カラーや質感、機能がそれぞれ違うため、用途によって適した商品を選べるだろう。ハサミやカッターでカットすることで、文字など自由なデザインを楽しめるのが魅力だ。
カッティングシートの種類
カッティングシートにはいろいろな種類がある。使い方によって適した商品は異なるので、それぞれの特徴をチェックしておこう。
- 屋外用:屋外耐候性の目安(期間)が定められている
- 屋内用:つや消しタイプが多くライトの光が反射しても見えやすい
- 反射:光が当たったときに反射する
- 蓄光:光を吸収して暗闇で発光する
- メタリック:金属のような光沢と仕上がり
- 透明:ガラスに貼ることで光を透過し、さらに重ねることで色の変化を楽しめる
- 曇りガラス:透明なガラスに貼ることで曇りガラスの風合いになる
- リメイクシート:貼って剥がせるタイプが多く家具や家電をリメイクできる
屋外用のカッティングシートは、主に屋外装飾や車に使用する使い方が一般的だ。また、UVカットや防虫、断熱など、機能を持ったカッティングシートもあるので、使い方と一緒にチェックしてほしい。
デザインを自作する方法
デザインを業者に注文する方法もあるが、自作することもできる。必要なのは「カッティングシート」「デザインナイフ」「転写シート(マスキングテープで代用可)」「スティックのり」「ピンセット」だ。また、デザインは手書きでもOKだが、印刷するならプリンターもしくはコピー機が必要になる。
- デザインを印刷用紙にプリントする
- スティックのりを使ってカッティングシートの上にデザインを貼る
- 台紙だけ残してデザインナイフでデザインを切り抜く
- 切り抜いた部分以外を残して不要な部分を剥がす
- ピンセットでデザインが描かれた印刷用紙だけ剥がす
あとはデザインの上から転写シートを圧着して、ドライ貼りや水貼りで貼るだけで完成だ。転写シートの代わりにマスキングテープを使う場合は、デザインがはみ出さないように覆う必要がある。境目を重ねて隙間ができないように貼ってほしい。
2. カッティングシートの使い方【貼り方編】

水貼りとドライ貼りの違いを確認しよう。用途やデザインによって適した貼り方は異なるので、使い方の基本として覚えてほしい。
水貼り
- 転写シートとカッティングシートをスキージー(ヘラ)とドライヤーで圧着させる
- マスキングテープを使ってカッティングシートの下辺を貼る位置に仮止めする
- 固定したまま裏返したらカッティングシートの剥離紙を剥がす
- 貼る部分とカッティングシートの両方に洗剤水を吹きかける
- 裏返したカッティングシートを元に戻したらスキージーで圧着する
- シワにならないように水をしっかり抜いたらマスキングテープと転写シートを剥がす
あとは水分が乾燥するまで待てば貼り付く。カッティングシートと転写シートを圧着するときは、手で触れられるギリギリの温度までドライヤーで温めよう。焦らず丁寧に作業をするのが使い方のポイントだ。
ドライ貼り
水を使わずに貼る方法なので乾燥を待つ必要がなく、複雑なデザインでも貼り付けやすい。ただし、貼ったあとの位置修正はできないので、カッティングシートの使い方には注意しよう。
- 転写シートとカッティングシートをスキージー(ヘラ)で両面から圧着する
- マスキングテープを使ってカッティングシートの下辺を貼る位置に仮止めする
- 固定したまま裏返したらカッティングシートの剥離紙を剥がす
- 裏返したカッティングシートを元に戻したらスキージーで圧着する
- 空気を抜いたらマスキングテープと転写シートを剥がす
貼ったあとは修正できないので慎重に作業を進めよう。貼り付いているのか確認しながら、丁寧に圧着するのが使い方のポイントだ。手順4ではまずスキージーで軽くシワを伸ばし、あとから力を入れて圧着するとキレイに仕上がる。
3. カッティングシートの使い方【剥がし方編】

カッティングシートを剥がす方法を、使い方と一緒に覚えおくと安心だ。2種類の剥がし方についてそれぞれ説明しよう。
ドライヤーを使った剥がし方
ドライヤーの熱でカッティングシートを温めれば粘着剤が柔らかくなる。手で触れられるギリギリくらいまで温めたら、少しずつ剥がしていこう。
素材によっては熱で傷むことがあるので、確認しながら温めるのがポイントだ。もし接着剤が残ったら素材に対応したシール剥がしを活用する。シール剥がしの使い方は裏側の説明で確認しておこう。
素材によっては熱で傷むことがあるので、確認しながら温めるのがポイントだ。もし接着剤が残ったら素材に対応したシール剥がしを活用する。シール剥がしの使い方は裏側の説明で確認しておこう。
スクレーパーを使った剥がし方
スクレーパーは汚れやシールの除去に使用するヘラ状の工具だ。剥がす場所を傷つけにくいプラスチック製やカーボン製を選ぼう。素材に対応したシール剥がしと組み合わせれば、貼ってから時間がたったカッティングシートも剥がしやすい。
記載された使い方通りにシール剥がしを吹きかけたら、2~3分ほど放置しよう。スクレーパーで削りとり、残ったカスを布で拭き取るだけでキレイに除去できる。
記載された使い方通りにシール剥がしを吹きかけたら、2~3分ほど放置しよう。スクレーパーで削りとり、残ったカスを布で拭き取るだけでキレイに除去できる。
結論
カッティングシートの使い方はさまざまだ。用途や貼り付けたい場所によって適したカッティングシートは異なるので、種類やその特徴について確認しておこう。デザインナイフを使えば、デザインを自作することもできる。また、使い方の基礎知識として、貼り方と剥がし方をチェックしよう。正しい方法を覚えておけば、初心者でも失敗する心配が少ない。