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一般的なエアコンの写真

エアコンの送風とはどんな機能?電気代や効果的な使い方まで徹底解説

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年1月21日

エアコンの「送風」とはどういった機能なのだろうか?使う意味はあるのだろうか?そんな疑問にお答えするとともに、送風機能のメリット・デメリット、除湿機能との違い、冷暖房と比較した場合の電気代などを解説する。送風運転の効果的な使い方や、非搭載のエアコンだったときの対処方法もお伝えしていくので、ぜひ参考にしてほしい。

  

1. エアコンの送風とはどんな機能?除湿との違いも解説

エアコンをリモコン操作しようとしているところの写真
エアコンの送風とはどういった機能なのか、なぜ搭載されているのか、除湿機能とはどこが違うのかなど基本的なところから解説していこう。

送風は文字通り「風を送る」機能

送風機能は、部屋の空気を循環させることを目的として搭載されている機能だ。内部のファンで風を送り出す仕組みなので、冷房や暖房と違って室外機は動かない。扇風機と同じような機能と考えればわかりやすいだろう。冷房や暖房と異なり室温のコントロールはできないが、使い分けることでエアコンを効率よく活用できる。

送風機能と除湿機能の違いは?

【除湿は「湿度を下げる」ための機能】

除湿機能は部屋の湿度を下げるために使用する。主に冷房機能を借りて、空気中の水分を取り除く仕組みだ。洗濯物の部屋干しや湿気の多い梅雨どきなどに重宝するというご家庭も多いのではないだろうか?
送風機能には部屋の湿度を下げる効果はない(風を送ることで若干、下げられる可能性はある)が、エアコン内部を乾燥させることができる。こうした効果は除湿機能では得られないので、両者は明らかに用途が異なる。上手に使い分けることが大切だ。

【除湿方式は2パターンある】

除湿機能には主に2つの除湿方式がある。「弱冷房除湿」と「再熱除湿」だ。弱冷房除湿は温度を下げながら空気中の湿気を除去し、そのまま部屋に涼しい空気を戻す。このため弱冷房除湿の場合は冷房と同じように温度を下げる効果もある。
再熱除湿は一度空気の温度を下げたあと、再度暖め直して部屋に空気を戻す。空気の温度を下げたあと暖め直すため、その分の電気代がかかる。

2. エアコンの送風機能のメリットとデメリット

観葉植物とエアコンの写真
エアコンの送風機能は地味ではあるが、実は意外とメリットが多い。デメリットとともに解説しておこう。

エアコンの送風機能の3つのメリット

【冷房や暖房よりも電気代が安い】

エアコンの送風機能は、冷暖房運転に比べると電気代が安く済む。エアコンをつけると電気代が高くなるのではと心配する方も多いが、送風機能であれば電気代の節約になるのだ。ただし室温を上げたり下げたりする効果はないため、冷暖房機能を求めるときは使えない。

【エアコン内部の結露対策やカビ対策に効果的】

冷房運転をするとエアコン内部で結露が起こる。結露を放置すればエアコン内部にカビが生えてしまうこともある。そこで送風機能の出番というわけだ。冷房運転のあとに送風を使うことで、エアコン内部を乾燥させられる。ひいてはカビの発生を防止することにもつながる。

【冷房を使わずに体感温度だけを下げられる】

エアコンの送風機能は、扇風機と同じように部屋の温度を下げることはできないが体感温度を下げる効果がある。「冷房を使うほどではないがやや不快な暑さ」といったときはまさに、体感温度を下げる送風機能が役に立つ。

エアコンの送風機能のデメリットは?

エアコンの送風機能に大きなデメリットはない。強いて挙げるとすれば冷房や暖房のように部屋の気温を調整できない点、除湿機能のように部屋の湿度を下げられない点などがデメリットだろう。また、エアコンは持ち運びができないため、同じ送風機能であれば扇風機のほうが使い勝手がよいこともデメリットとして挙げられる。

3. エアコンの送風運転時にかかる電気代

エアコンと計算機の写真
エアコンの送風運転は冷暖房運転よりも電気代が安く済むとお伝えした。具体的に、どの程度電気代が安くなるのだろうか?冷暖房運転や扇風機の電気代との比較も交えて解説する。

電気代の計算方法

電気代は「消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)」で求められる。本稿では「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」による電気料金の目安単価「27円/kWh」を採用する。(※1)

送風運転1時間あたりの電気代の目安

【1時間あたり0.3〜0.5円程度】

メーカーや機種・型番によって異なるが、エアコンの送風機能を使った場合、電気代は1時間で0.3〜0.5円ほどが目安となる。たとえばシャープL-Xシリーズ「AY-L22X」の場合、1時間あたり0.5円である(※2)。多少の差はあるかもしれないが、おおよそこの前後と考えてよいだろう。

冷房運転や暖房運転1時間あたりの電気代と比較すると?

【冷房は1時間あたり11円、暖房は同12円程度】

先ほど挙げたシャープL-Xシリーズ「AY-L22X」で冷暖房を使ったときの1時間あたりの電気代と比較してみよう。冷房運転は1時間約11円(消費電力410W/電気料金単価27円/kWh)、暖房運転は同約12円(消費電力430W/電気料金単価27円/kWh)である。送風運転1時間あたりの電気代は約0.5円なので、いかに電気代が安いかがお分かりだろう。

扇風機の電気代と比較すると?

【1時間あたり0.9円程度】

扇風機もメーカーや機種のほかモーターの種類でも消費電力に幅がある。そのため目安だが「強」で運転した場合の消費電力は35W程度だ。1時間あたりの電気代にすると約0.9円である。エアコンの送風運転と扇風機は、(1円未満という意味では)ほとんど電気代が変わらないと思ってよいだろう。

4. エアコンの送風機能の効果的な使い方

エアコンとリモコンの写真
エアコンの送風機能について詳しく解説してきたが、実際のところどんな場面でどのような使い方をするのが効果的なのか、いまいち見えていないかもしれない。「こんな使い方をするとよい」というケースをまとめたので解説させていただく。

冷房運転の前に使用する

夏場の閉め切った部屋には熱気がこもっている。その状態のままいきなり冷房運転をすると効率が悪く電気代が余計にかかることがある。窓を開けて送風運転することで、熱気を素早く外に逃せるのでぜひ試してみてほしい。ある程度熱気を逃してから冷房運転をすれば、消費電力を抑えられる。すなわち電気代の節約につながるということだ。部屋と室外の温度差がなくなる程度まで送風運転をするのがポイントになるので覚えておこう。

冷房運転後のカビ対策に使用する

冷房運転したあとのエアコン内部は結露によって水分が溜まっている。上述したようにカビの原因となるため、速やかに水分を飛ばしておきたい。自動で内部を乾かす「内部クリーン」といった機能が搭載されていないエアコンの場合、冷房運転または除湿運転のあと、送風運転を30分〜1時間程度、送風運転をして湿気を飛ばしておこう。

扇風機の代わりに使用する

送風機能は扇風機としても使用できる。ルーバーの向きを変えれば風向きも調節できるので、風に当たって涼をとることも可能だ。冷房を使うほどではない暑さのときも、送風機能を活用することで快適に過ごせるだろう。

空気を循環させる目的で使用する

温かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まるため、同じ部屋でも温度差が発生する。エアコンの送風機能で空気を循環させることで、部屋の温度を均一にすることが可能だ。送風機能で空気の流れを作ってから冷房や暖房を使うことで、涼しさや暖かさを感じやすくなる。

エアコンを長期間使わないときにも送風運転が活躍する

暑い季節が終わりしばらくエアコンを使わないときは、エアコン内部の結露を乾燥させるため送風運転をおこなおう。晴れた日に3〜4時間程度、送風運転するのがおすすめだ。

5. エアコンに送風機能がないときはどうする?

エアコンの写真
さまざまなメリットや効果がある送風機能だが、エアコンのリモコンを見ても「送風」の文字が見当たらないこともある。そうした場合、送風機能を使いたいときはどうすればよいのだろうか?

まずは「取扱説明書」を確認する

リモコンに送風ボタンがなくても、送風機能と同等の機能を搭載したエアコンはある。「空清」「風だけ」「ミスト」など名前が異なるケースがあるので注視してみよう。見当たらなければ、取扱説明書やメーカーのホームページで送風に該当する機能があるか確認してみよう。

冷房で「32℃」などに設定すると送風運転になる機種もある

室温が30℃以下なのを確認してから、もっとも高い温度設定にして冷房運転すると、送風運転と同等の効果が得られる機種もある。たとえば日立製のエアコンは32℃に設定して冷房運転をすると、室外機が動かないため送風運転になる。
ただし室温が32℃より高い場合は冷房運転になるので注意しよう。なおエアコン内部を乾燥させるために暖房運転をすると、エアコン本体に負担となる場合がある。この場合は必ず冷房を使用してほしい。

6. エアコンの送風ファンの掃除も重要

エアコン内部をクリーニングしているところの写真
お伝えしているように、エアコンの送風機能には内部に発生した結露を飛ばしてカビを防ぐといった効果がある。とはいえカビの発生を100%防げるものではない。やはり定期的にフィルターなどとあわせて送風ファンも掃除することが大切だ。

送風ファンなど内部の掃除は業者に依頼しよう

取り外しと水洗いが可能な「フィルター」の掃除程度であれば、月1回あるいはシーズンに2回など自分でできる。すでに実践している方も多いはずだ。だがフィンやファンといった、エアコン内部の汚れを素人が取り除くのは難しい。
クリーナーも販売されているが、本格的に内部まで掃除するには分解が必要な場合も多い。素人がやるには故障や感電などさまざまなリスクがともなうため、エアコンのクリーニング業者に依頼することをおすすめしたい。

7. エアコンの送風機能を賢く使って電気代の節約につなげよう

エアコンの送風機能を使って快適に保たれている居室空間のイメージ写真
エアコンの「送風」は風を送る機能だ。室温を上げたり下げたりする効果や除湿効果はないが、使い方によっては冷房の電気代を抑えたり、結露によるカビを防いだりできるなど、実は重宝する機能でもある。これまで使ったことがなかったという方もぜひ、これを機に送風運転の意味や使い方を見直してみてはいかがだろうか?

結論

エアコンの送風機能は室温を調整できるわけではないので、利用している方は少ないかもしれない。だが冷房運転前に使うと電気代を節約できたり、体感温度を下げたり、エアコン使用後に使えばカビの予防もできたりとメリットは大きい。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2021年3月29日

  • 更新日:

    2022年1月21日

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