1. サボテンの接ぎ木とは?

サボテンの接ぎ木とは、下になる「台木」と呼ばれるサボテンの上に「接ぎ穂」と呼ばれる別のサボテンを載せて、新しいサボテンを作る手法だ。
接ぎ木のメリット1.生長促進効果がある
サボテンで接ぎ木をするメリットとして、生長促進効果が挙げられる。サボテンの中には成長速度が遅かったり、育成が難しかったりする「難物」と呼ばれるものが存在する。それらのサボテンは、接ぎ木をして台木からのサポートを受けることで育成を早めることができる。また、根腐れなどにより弱ったサボテンも接ぎ木により再生する可能性があるのだ。台木は地面や水から栄養を吸収し、接ぎ穂は太陽から光合成をすることで相互に栄養を行きわたらせることができるため、生長が促進されるといわれている。
接ぎ木のメリット2.鑑賞が楽しくなる
接ぎ木によりサボテンの見た目も変化する。2種類のサボテンが融合した姿はユニークであり、鑑賞にも適している。接ぎ木を行ったサボテンは1つ1つ形が異なり、その一風変わった見た目を楽しむのも接ぎ木のメリットといえる。
2. もう失敗しない!サボテンの接ぎ木のやり方

次は、接ぎ木のやり方について紹介する。失敗しないためのポイントをおさえながら、実際の接ぎ木の手順を学ぼう。
用意する道具
- カッター(2本)
- 消毒用アルコール
- 固定用具
サボテンのダメージを少なくするために、切断用のカッターは新品で切れ味がいいものを用意しよう。新品のカッターには錆防止のオイルが付いている場合があるため、消毒用アルコールを使ってふき取り消毒をしておく。こうすることで、接ぎ木によりサボテンに菌が入るのを予防する効果もある。また、カッターは台木用と接ぎ穂用の2本を用意するといいだろう。
サボテンを固定する道具はセロハンテープ、包帯、マスキングテープなどの使いやすいものを用意しよう。
サボテンを固定する道具はセロハンテープ、包帯、マスキングテープなどの使いやすいものを用意しよう。
ステップ1.台木を用意する
まずは台木用のカッターを使い、台木を水平にカットする。この時、奥から手前に引くように切ることで水平に切りやすくなる。サボテンの切断面は切りっぱなしにしてしまうと乾燥し陥没するため、面取りをしよう。鉛筆削りの要領でサボテンの角部分を斜め下にそいだら、接ぎ穂の大きさに合わせて再度水平にカットしておく。
ステップ2.接ぎ穂を用意する
接ぎ穂用カッターを使い、接ぎ穂も水平にカットする。こちらも台木同様に切断面の角を面取りし、再度切断面を切り直す。
ステップ3.サボテンを接着・固定する
台木と接ぎ穂の準備が整ったら、いよいよ2つを接着させる。接着面の空気を抜くようなイメージで少し押し付けたら、セロハンテープ・包帯・マスキングテープなどの固定用具を使ってサボテン同士がずれないように固定しよう。
ステップ4.固定を外す
サボテンの接ぎ木を行ったあとは、固定をしたまま風通しのよい日陰にしばらくおいておく。1週間から10日程度たったら様子を見て、2つのサボテンがしっかりと活着していれば接ぎ木は成功だ。固定を外して鑑賞しよう。
3. サボテンを接ぎ木するときの注意点

接ぎ木する際には、サボテン同士の相性にも注意が必要だ。接ぎ穂と比較して台木の生育スピードが早すぎると貧弱になったり、サボテンの割れやヒビの原因にもなる。相性のよいサボテンを探したいなら、インターネットを利用するか、サボテンの取り扱いがあるショップに尋ねるといいだろう。
接ぎ木が失敗するとどうなるの?
接ぎ木が失敗してサボテン同士が活着しなかった場合、接ぎ穂が外れたりしぼんだりする。接ぎ木の失敗がわかった場合は接ぎ穂をつけたままにせず外し、次の機会に備えよう。
結論
今回はサボテンの接ぎ木の方法や注意点について紹介した。接ぎ木をしたサボテンは生長スピードがあがり、よりユニークな見た目になる。今回紹介した接ぎ木の方法を参考に、ぜひ世界に1つだけのサボテンを作り、育ててみてもらいたい。