1. 漏電火災警報器とは?
漏電遮断器は聞いたことがあるけれど、漏電火災警報器はあまりなじみがないという方も多いのではないだろうか。その名の通り漏電が発生したときに、音を出して知らせるという機器だが、どのような仕組みになっているのだろう。
漏電火災警報器が作動する仕組み
漏電火災警報器は、屋内の電線の絶縁物などに損傷が起こり、電気回路に漏電が発生したときに作動する。
問題が生じていない場合には、変圧器から各電化製品に供給されている電流値は「行き」と「帰り」が同じになるはずだ。しかし、漏電が起こると一部の漏れた電気がアースなどを通じて大地へと放たれてしまう。変圧器に戻ってきた電流値に誤差が生まれ、一定以上の電流値の差が出たときに漏電火災警報器が作動、音響装置から警報音を発して危険を知らせるという仕組みだ。
問題が生じていない場合には、変圧器から各電化製品に供給されている電流値は「行き」と「帰り」が同じになるはずだ。しかし、漏電が起こると一部の漏れた電気がアースなどを通じて大地へと放たれてしまう。変圧器に戻ってきた電流値に誤差が生まれ、一定以上の電流値の差が出たときに漏電火災警報器が作動、音響装置から警報音を発して危険を知らせるという仕組みだ。
2. 漏電火災警報器の設置基準
消防法では漏電火災警報器を設置しなければならない建物がある。どのような建物なのか説明しよう。
ラスモルタル造の建築物には漏電火災警報器の設置義務がある
漏電によって火災が発生しやすいとされるラスモルタル造の家屋や建造物に関しては、消防法により、漏電火災警報器を設置する義務がある。設置工事は資格を持った電気工事士が行い、さらに点検整備は消防設備士(乙種7類免状取得者)が実施することが義務付けられている。
ラスモルタルとは
では、ラスモルタルとはどのようなものなのだろう。
ラスモルタルとは、左官工事の際に塗り壁や吊り天井の下地に金属製の「メタルラス」「ワイヤーラス」「ラスボード」などを使い、その上からモルタルを塗るという工法だ。ラスとモルタルを密着することで、丈夫な壁を作ることができる。さらに、木造住宅の場合、ラスモルタル層との間に空気層ができるため、断熱効果と湿気の侵入防止効果など多くのメリットがある。
最近ではラスモルタル造の建造物は少なくなっているが、築年数が経っている家屋や中古物件をリノベーションして購入した場合などは、ラスモルタルが使用されている可能性がある。
ラスモルタルとは、左官工事の際に塗り壁や吊り天井の下地に金属製の「メタルラス」「ワイヤーラス」「ラスボード」などを使い、その上からモルタルを塗るという工法だ。ラスとモルタルを密着することで、丈夫な壁を作ることができる。さらに、木造住宅の場合、ラスモルタル層との間に空気層ができるため、断熱効果と湿気の侵入防止効果など多くのメリットがある。
最近ではラスモルタル造の建造物は少なくなっているが、築年数が経っている家屋や中古物件をリノベーションして購入した場合などは、ラスモルタルが使用されている可能性がある。
ラスモルタルの弱点
ラスモルタルは、多くのメリットをもつ工法だが、建物全体をラスという金属で覆うという状態になる。このような状態で漏電が起こると、壁の下地となっている金属製のラスに通電して熱を発する。漏電した電流の量が多いほど、また長時間発熱することによって、火災を招く可能性が高くなる。そのため、ラスモルタル工法で作られた建造物には、漏電火災警報器の設置が義務付けられている。
3. 漏電火災警報器の点検方法
漏電火災警報器は、漏電火災の危険をできるだけ早く知らせるためのものだ。もし不具合で作動しなければ、大きな火災になって人命まで危険にさらすことになる。このようなことにならないように普段から点検は必ず行わなければならない。
漏電火災警報器の点検は資格のある専門家に
一般的な漏電ブレーカーでは、テストボタンが付いているので素人でも簡単に点検はできる。しかし、漏電火災警報器については、消防設備士の乙種7類の資格を持った専門家でなければ点検することができないので注意しよう。
漏電火災警報器の点検の頻度
漏電火災警報器には、車の整備点検と同じように、定期点検が必要になる。外観や試験ボタンなどで行う簡単な点検は半年に1回以上、作動試験や絶縁抵抗、実際の音量などの詳しい点検は1年に1回以上行うことになっている。
4. 漏電火災警報器が鳴ったらどうすべき?
もし、漏電火災警報が鳴った場合、どのように対処したらいいのか、事前に把握しておけば慌てずに済む。
ブレーカーを一旦全部切る
漏電火災警報器が鳴ったら、慌てずに分電盤の分岐回路のブレーカーを全部切る。家電など負荷がかかっている回路側で漏電が起こっている可能性があるため、分岐回路のブレーカーを元に戻して、一旦復帰させ、ひとつずつ回路をONにしていく。ある回路をONにしたときに漏電火災警報器が鳴れば、その回路が漏電を起こしているということなので「OFF」にする。そのあとで、電気管理者に連絡をして点検・検査・修理を行ってもらう。
結論
漏電火災警報器は、ラスモルタル造の建造物に設置が義務付けられている。ラスという金属で覆われたモルタル工法なので、漏電によって火災が発生しやすいからだ。点検は簡易点検を半年に1回、本点検を年に1回、資格を持った専門家が行わなくてはならない。中古物件などでラスモルタル造かどうか不安に感じている方は、一度専門家に調べてもらおう。