1. えんどう豆の育て方の前に
えんどう豆は、明治時代以降から本格的な栽培が始まったといわれている。日本人にとって非常になじみ深い食べ物なのだ。
えんどう豆の育て方を紹介する前に、まずはどのような特徴を持つのかについて解説しよう。
えんどう豆の育て方を紹介する前に、まずはどのような特徴を持つのかについて解説しよう。
含まれる栄養素
えんどう豆は食物繊維とタンパク質が豊富な食べ物である。ビタミンB1やビタミンB2、カリウムなども含まれており、非常に栄養価が高いのだ。
料理の彩りをよくしてくれることもあり、日々の食事に積極的に取り入れたい食べ物のひとつである。
料理の彩りをよくしてくれることもあり、日々の食事に積極的に取り入れたい食べ物のひとつである。
種類によって収穫時期が異なる
えんどう豆は以下のような種類があり、種類によって収穫時期が異なる。
・若いうちに収穫し、さやごと食べる「さやえんどう(絹さやえんどう)」
・大きくなった豆とやわらかいさやを食べる「スナップえんどう」
・未成熟な豆を食べる「実えんどう(グリーンピース)」
・成熟した豆を食べる「えんどう豆」
さやえんどう(絹さやえんどう)はビタミンCが豊富、えんどう豆は食物繊維が豊富など、種類によって含まれる栄養素も多少異なるのだ。
ちなみに、成熟したえんどう豆は豆類として扱われるが、さやえんどうやスナップえんどう、実えんどうは野菜類として扱われる。
・若いうちに収穫し、さやごと食べる「さやえんどう(絹さやえんどう)」
・大きくなった豆とやわらかいさやを食べる「スナップえんどう」
・未成熟な豆を食べる「実えんどう(グリーンピース)」
・成熟した豆を食べる「えんどう豆」
さやえんどう(絹さやえんどう)はビタミンCが豊富、えんどう豆は食物繊維が豊富など、種類によって含まれる栄養素も多少異なるのだ。
ちなみに、成熟したえんどう豆は豆類として扱われるが、さやえんどうやスナップえんどう、実えんどうは野菜類として扱われる。
生育適温は15~20度
えんどう豆の育て方でまず気になるのが栽培の時期だろう。栽培に適した気温は15~20度である。ひんやりとした涼しい場所を好み、幼苗はとくに寒さに強い。ただし成長するにつれて耐寒性が落ちるため、種まきのタイミングには注意が必要である。後ほど育て方については詳しく説明するが、早すぎても遅すぎてもいけないのだ。
2. えんどう豆の正しい育て方
さまざまな料理に使え、栄養も豊富なえんどう豆。育て方のポイントを押さえれば、初心者でも比較的簡単に収穫できる。ここでは、えんどう豆の正しい育て方を分かりやすく解説しよう。
土作り
えんどう豆は酸性土壌に弱いため、あらかじめ中和させておくことが重要だ。種まきの2週間ほど前には、苦土石灰をまいてよく耕しておく。そして種まきの1週間前には元肥と堆肥をまき、再度耕しておこう。畝を作ることも忘れてはいけない。
ちなみに元肥とは種や苗を植え付ける前に与える肥料のこと。堆肥とは、家畜のふんや落ち葉などを微生物の力で発酵・分解させて作られる、土を改良する資材のことである。
また、えんどう豆は豆類の中でもとくに連作障害を嫌う植物である。そのため、3~4年程度えんどう豆を栽培していない場所を選んでほしい。同じ畑に連続して栽培すると、収穫量が激減する可能性が高い。
ちなみに元肥とは種や苗を植え付ける前に与える肥料のこと。堆肥とは、家畜のふんや落ち葉などを微生物の力で発酵・分解させて作られる、土を改良する資材のことである。
また、えんどう豆は豆類の中でもとくに連作障害を嫌う植物である。そのため、3~4年程度えんどう豆を栽培していない場所を選んでほしい。同じ畑に連続して栽培すると、収穫量が激減する可能性が高い。
種まき
えんどう豆は10~11月頃に種をまこう。2~3月頃に種をまく「春まき」もあるが、えんどう豆はひんやりとした涼しい場所を好み、耐寒性が強い。そのため秋にまくのが一般的なのだ(ただし寒冷地の場合は春に種をまく方がよい)。
秋まきでは、草丈が10cm程度で冬を越せるようタイミングを調節してほしい。幼苗の頃が最も寒さに強く、成長するにつれて耐寒性が落ちていく。種を早くまきすぎると冬の寒さによって枯れてしまう恐れがあるのだ。反対に種をまくタイミングが遅すぎると、暑さに弱い性質がある分、収穫の時期までに十分育たない可能性がある。
種まきの際は、深さ3cmほどの穴に3~4粒まき、2cmほど土を被せる。株間は30cm程度空けよう。芽が出たら生育がよいものを1~2本残し、ほかのものは間引きする。
秋まきでは、草丈が10cm程度で冬を越せるようタイミングを調節してほしい。幼苗の頃が最も寒さに強く、成長するにつれて耐寒性が落ちていく。種を早くまきすぎると冬の寒さによって枯れてしまう恐れがあるのだ。反対に種をまくタイミングが遅すぎると、暑さに弱い性質がある分、収穫の時期までに十分育たない可能性がある。
種まきの際は、深さ3cmほどの穴に3~4粒まき、2cmほど土を被せる。株間は30cm程度空けよう。芽が出たら生育がよいものを1~2本残し、ほかのものは間引きする。
水やり
種まき後はしっかりと水をやり、発芽するまでは土の表面が乾燥しない程度に水やりする。その後は基本的に降雨を水やりの代わりとし、乾燥した日が続くようならたっぷりと水をやる程度でかまわない。
湿度が高すぎると根腐れを起こす可能性があるため、水のやりすぎには注意しよう。
湿度が高すぎると根腐れを起こす可能性があるため、水のやりすぎには注意しよう。
肥料の与え方
追肥である化成肥料は、以下のタイミングで与える。1m2(平方メートル)あたり50gを目安にしてほしい。肥料を与えすぎると枝や葉ばかりが成長し、実がつきにくくなってしまう。
・1回目:つるが伸び始めたとき
・2回目:花が咲き始めたとき
・3回目:さやを収穫し始めたとき
・1回目:つるが伸び始めたとき
・2回目:花が咲き始めたとき
・3回目:さやを収穫し始めたとき
収穫
えんどう豆は種類によって収穫時期が違う。以下を参考にして、好みのタイミングで収穫しよう。
・さやえんどう(絹さやえんどう):開花後10~15日。実のふくらみがうっすらと確認できたタイミングで収穫
・スナップえんどう:開花後20~25日。さやがキレイな緑色になり、実がぷっくりとしたタイミングで収穫
・実えんどう:開花後30~35日。さやの表面にしわがよってきたタイミングで収穫
・さやえんどう(絹さやえんどう):開花後10~15日。実のふくらみがうっすらと確認できたタイミングで収穫
・スナップえんどう:開花後20~25日。さやがキレイな緑色になり、実がぷっくりとしたタイミングで収穫
・実えんどう:開花後30~35日。さやの表面にしわがよってきたタイミングで収穫
ポットから育てるのがおすすめ
えんどう豆の種を畑などに直接まくのもよいが、ポットから始める育て方がおすすめである。種まきから発芽するまでは、鳥による被害が多いからだ。ポットでの管理は種を守りやすいだけでなく、天気に左右されにくいのもメリットだ。ポットは直径9cm程度のものを選ぼう。
本葉が2~3枚のときに生育のよいものを1~2本残し、本葉が3~4枚になったら根鉢の土を崩さないよう慎重に植え付ける。
本葉が2~3枚のときに生育のよいものを1~2本残し、本葉が3~4枚になったら根鉢の土を崩さないよう慎重に植え付ける。
3. えんどう豆の育て方の注意点
えんどう豆を育てる際は寒さや病気、害虫などの対策が欠かせない。キレイで美味しい実を収穫するためにも、育て方の注意点として以下の2点を必ず押さえておいてほしい。
防寒対策
冬を越すときは、株元にワラやもみ殻などを敷いたり、不織布または寒冷紗をかけたりして防寒対策をしよう。冷たい風や霜にあたると傷んでしまうのだ。えんどう豆の生育が進みすぎている場合は、とくに寒さから守る育て方を心がけることが重要である。
乾燥を防止するためにも重要な作業だ。
乾燥を防止するためにも重要な作業だ。
病気と害虫対策
もう1点育て方で注意したいのが、えんどう豆に発生する病気や害虫だ。中でも、とくに気を付けてほしいのが「うどんこ病」と「ハモグリバエ」である。
うどんこ病は、葉や茎などにうどん粉をふりかけたような白いカビが生える病気だ。4月頃の気温が上昇したタイミングで発生する場合が多い。感染すると花が咲かなくなったり、枯れたりする。葉が密集していると発生しやすいため、定期的に整枝して風通しをよくしておこう。
病気にかかっている部分を見つけたらすぐに除去してほしい。農薬であらかじめ予防しておくのもおすすめだ。
また、ハモグリバエの幼虫は葉の中へもぐり、白っぽい線を描くように食べ進めながら移動する。そのまま放置していると葉全体が白くなって、枯れたり品質が低下したりする。見つけ次第駆除してほしい。殺虫剤を散布するのも効果的だ。
うどんこ病は、葉や茎などにうどん粉をふりかけたような白いカビが生える病気だ。4月頃の気温が上昇したタイミングで発生する場合が多い。感染すると花が咲かなくなったり、枯れたりする。葉が密集していると発生しやすいため、定期的に整枝して風通しをよくしておこう。
病気にかかっている部分を見つけたらすぐに除去してほしい。農薬であらかじめ予防しておくのもおすすめだ。
また、ハモグリバエの幼虫は葉の中へもぐり、白っぽい線を描くように食べ進めながら移動する。そのまま放置していると葉全体が白くなって、枯れたり品質が低下したりする。見つけ次第駆除してほしい。殺虫剤を散布するのも効果的だ。
4. えんどう豆のプランターでの育て方
えんどう豆は畑ではなく、プランターで手軽に育てることも可能である。プランターでの育て方は基本的にはこれまで紹介した内容と同じ流れだが、いくつか押さえるべきポイントを紹介しよう。
プランターでえんどう豆を育てる際は、つるなしの品種を選ぶのが大切だ。つるあり種は背丈が高くて収穫量が多い分、広い場所での栽培に向いている。一方、ベランダや庭といった限られたスペースではつるなし種が適しているのだ。
用意するプランターは深さ30cmほどの中~大型サイズがよい。株間を20cmほど空けた育て方がよいため、幅が60cmあればえんどう豆を3株育てられる。
水はけがよくなるよう、プランターの底には鉢底石を敷き詰める。そしてプランターの8分目まで培養土を入れたら、種まきまたは苗の植え付けを行おう。
そのほかの育て方のポイントとしては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える、冬場は風が強い場所を避けて防寒対策をしっかり行うのも忘れないでほしい。
プランターでえんどう豆を育てる際は、つるなしの品種を選ぶのが大切だ。つるあり種は背丈が高くて収穫量が多い分、広い場所での栽培に向いている。一方、ベランダや庭といった限られたスペースではつるなし種が適しているのだ。
用意するプランターは深さ30cmほどの中~大型サイズがよい。株間を20cmほど空けた育て方がよいため、幅が60cmあればえんどう豆を3株育てられる。
水はけがよくなるよう、プランターの底には鉢底石を敷き詰める。そしてプランターの8分目まで培養土を入れたら、種まきまたは苗の植え付けを行おう。
そのほかの育て方のポイントとしては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える、冬場は風が強い場所を避けて防寒対策をしっかり行うのも忘れないでほしい。
結論
えんどう豆は10~11月頃に種をまこう。鳥による被害を防ぐため、ポットから育てるのがおすすめである。成長とともに耐寒性が落ちていくので、草丈が10cm程度のときに冬を越すのが理想的だ。防寒対策をするのも忘れないでほしい。また、えんどう豆はプランターで育てることも可能である。育て方のポイントを押さえれば自宅で育てられるため、気になる方は一度えんどう豆の栽培に挑戦してみてはいかがだろうか。