1. エアコンに換気機能はある?
エアコンは室内機と室外機がワンセットになっている。室外機の前に立つと、空気が排出されているのがわかる。ではエアコンに換気機能があるのだろうか。
エアコンに換気機能はナシって本当?
実は、一般的なエアコンには換気機能は付いていない。エアコンは室内の空気を循環させているだけだ。冷房運転のときには、室内の空気から熱のみを室外機から排出させて、室温を下げている。夏は外の空気の方が暑くなっている。その空気を取り入れてしまうと冷房効率が悪くなってしまうため、外気は完全にシャットアウトするというのが一般的なエアコンのコンセプトだ。つまり、エアコンから出る風は、空気の流れを作ることはできても、新たな空気を取り込む換気にはならないということになる。
換気ができる例外的なエアコンもある
換気ができる例外的なエアコンがダイキンの「うるさらシリーズ」だ。給気換気機能が搭載された唯一のエアコンといっていい。24時間モードでエアコン機能を停止していても、換気だけは稼働し続けるという機能も持っている。
そのほかにも、換気機能はないものの空気清浄機能を持つパナソニックのXシリーズも注目だ。冷暖房しながら、カビの胞子や有害物質である花粉などのアレルゲン、PM2.5やウイルスなども除去してくれる。
そのほかにも、換気機能はないものの空気清浄機能を持つパナソニックのXシリーズも注目だ。冷暖房しながら、カビの胞子や有害物質である花粉などのアレルゲン、PM2.5やウイルスなども除去してくれる。
2. 換気できるエアコンの仕組み
ダイキンのうるさらは、なぜ換気ができるのだろうか。新型コロナで換気が注目されるなか、換気のできるエアコンの仕組みについて調べてみた。
もともとは換気目的ではなかった?
「うるさら」というネーミングでわかるように、もともとはエアコンで乾燥しやすい状況を改善するために開発された機能だった。2000年代には、各メーカーから換気機能を搭載したエアコンが発売されていたが、その機能は消費者にはあまり受け入れられず姿を消していく。
そのなかで唯一残ったのがダイキンの最上位機種である「うるさらRシリーズ」だった。つまり、換気機能として新たに開発されたのではなく、既存の別機能が新型コロナによって換気機能として注目されたということだ。
そのなかで唯一残ったのがダイキンの最上位機種である「うるさらRシリーズ」だった。つまり、換気機能として新たに開発されたのではなく、既存の別機能が新型コロナによって換気機能として注目されたということだ。
ダイキンのエアコン換気機能の仕組み
うるさらは、「無給水加湿」が特徴だ。加湿器のように給水する必要がなく加湿することができる。その仕組みは、暖房運転をするときに室外機に設置された加湿ユニットという部品が屋外の空気を取り込む。そこから水分だけを取り出して室内を加湿する。つまり、ここで換気が行われることになる。この仕組みを応用することで、換気ができるエアコンを製造することができるようになった。
3. 換気するときはエアコンをつけたままでいい?
せっかくエアコンで快適に過ごしていた部屋だが、換気のために窓を開けなければならない。コロナ対策としては1時間あたり2回以上、数分間の換気が推奨されている。換気のときにエアコンは消しておいた方がいいのか、それともそのまま運転していた方がいいのか。電気代の観点から考えてみよう。
窓を開けて換気するときはエアコンはつけっぱなしが正解
暑い夏にエアコンをつけた部屋を換気すると、熱風が入ってきて部屋の温度が一気に上がってしまう。エアコンの電気代がもったいないからと電源を切ってしまう方もいるが、この行為はかえって消費電力をアップしてしまう。
実は、エアコンは電源を入れたときが最大消費電力になり、設定温度に近くなると消費電力が小さくなる。そのため、こまめにエアコンの電源を切ったり入れたりすると電気代が上がってしまうことになる。換気のときには、エアコンのスイッチは入れたままのほうが電気代の節約になる。
実は、エアコンは電源を入れたときが最大消費電力になり、設定温度に近くなると消費電力が小さくなる。そのため、こまめにエアコンの電源を切ったり入れたりすると電気代が上がってしまうことになる。換気のときには、エアコンのスイッチは入れたままのほうが電気代の節約になる。
エアコンのフィルターはこまめに掃除を
エアコンは吸い込んだ空気を冷やす・温めることで部屋全体を快適にする。このとき、エアコンのフィルターが汚れていると吸い込む空気が少なくなってしまうため、冷やしたり温めたりする力が弱まる。設定温度になるのに時間がかかってしまうため、多くの電力を必要とする。あるデーターによると1年間エアコンのフィルターを掃除しない場合、消費電力が25%も増加したという。換気とともにフィルターの掃除も忘れずに行いたい。
結論
一般的なエアコンは、空気の循環のみで換気を行うことはない。唯一例外なのがダイキンのうるさらシリーズだが、これも吸水無しで室内の湿度を高めるために開発されたシステムだ。新型コロナで換気が注目されているなか、エアコン使用中の適切な換気方法も大切だ。換気のたびにエアコンを切るのではなく、つけっぱなしで換気をした方が節電効果があることを知っておこう。