1. 冠婚葬祭の「冠」とは?

冠婚葬祭とは人の一生に関わる重要な4つの儀式を表す言葉である。冠婚葬祭の「冠」とは、昔の「元服」を表す言葉で、元服すると髪を結って、冠や烏帽子を付けたことに由来している。冠婚葬祭の冠は、現代では人生の節目のお祝い行事全般のことを意味していて、その行事には以下のようなものがある。
子供の誕生・成長に関わる冠婚葬祭の儀式
子供の誕生や成長に関するさまざまな儀式が冠婚葬祭の冠には含まれている。
お七夜
赤ちゃんがうまれて7日後に名前を付ける儀式
お宮参り
赤ちゃんが生まれて約1か月後に神社でお祓いを受ける儀式
初節句
赤ちゃんが生まれて最初に迎える節句。女の子は3月3日「桃の節句(もものせっく)」、男の子は5月5日の「端午の節句(たんごのせっく)」にお祝いする
七五三
11月15日に、3歳と5歳の男の子、3歳と7歳の女の子が晴れ着で神社にお参りする儀式
長寿に関わる冠婚葬祭の儀式
冠婚葬祭の儀式のひとつである「長寿祝い」は、60歳の「還暦祝い」に始まり、決められた年齢でお祝いをする行事である。
- 61歳(満60歳) 還暦(かんれき)
- 70歳 古希(こき)
- 77歳 喜寿(きじゅ)
- 80歳 傘寿(さんじゅ)
- 88歳 米寿(べいじゅ)
- 90歳 卒寿(そつじゅ)
- 99歳 白寿(はくじゅ)
- 100歳 百寿(ももじゅ)
2. 冠婚葬祭の「婚」とは?

冠婚葬祭の「婚」とは「婚礼」に関わる儀式のことを表していて、結婚式のみに限らず、婚約や結婚記念日など、婚礼に関わる儀式が幅広く含まれている。冠婚葬祭の婚の文字が表す行事は次の通りだ。
婚が意味する冠婚葬祭の儀式
婚約
当人同士で結婚の約束をすること。法的な手続きは必要なく、形式は自由である。
結納
両家間で婚約したことを確認する伝統的な儀式。結納品や結納金を両家の間で取り交わすのが一般的である。
結婚式
神様や参列者の前で結婚の誓いを立てる儀式。教会や神社で行われるのが一般的。
披露宴
結婚式後に参列者を食事や余興でもてなし、結婚したことをお披露目する儀式。レストランやホテルで行われることが多い。
結婚記念日
結婚1周年から15周年まで毎年、15周年以降は5年ごとに結婚した日を祝う儀式。
3. 冠婚葬祭の「葬」とは?

冠婚葬祭の「葬」とは「葬儀」に関わる儀式のことを意味している。以下が冠婚葬祭の葬の文字が表す行事である。
葬が意味する冠婚葬祭の儀式
通夜
亡くなった翌日の夜に、友人や知人が弔問に訪れ別れを惜しむ儀式。
葬儀
亡くなった2日目の昼間に家族や親族が故人の冥福を祈る宗教的儀式。
告別式
友人や知人、会社関係者などが故人に最後の別れを告げる社会的行事。
忌日法要
7日目に行われる「初七日」、49日目に行われる「四十九日」には、家族や親族だけでなく、友人、知人なども参列して故人の冥福を祈る。初七日から7日おきに行われる「二七日」「三七日」「四七日」「五七日」「六七日」は遺族のみで行われる。
年忌法要
亡くなって1年後の命日には「一周忌」、その翌年の2年後には「三回忌」の法要が、家族や親族、友人、知人などによってとり行われる。6年後の「七回忌」は家族と親族のみ、その後の「十三回忌」「十七回忌」「二十三回忌」「二十七回忌」「三十三回忌」は遺族のみで供養が行われる。
4. 冠婚葬祭の「祭」とは?

冠婚葬祭の「祭」とは「祖先を祀る」という意味の言葉で、以下のような毎年決まって訪れる年間行事のことを表している。
祭が意味する冠婚葬祭の儀式
正月
1月1日から行われる年の初めを祝う行事。
お盆
祖先の霊がこの世に戻ってくるとされている行事。関東をはじめとする一部の地域では7月15日前後に行われるが、全国的には8月13~16日に行われる地域が多い。
七夕
7月7日の夜に行われる星を祀る行事。
節分
立春の前日の2月3日に行われる、伊年間の無病息災を祈る行事。
お彼岸
年に2回「春分の日」と「秋分の日」を中日とした、前後後3日間(7日間)にお墓参りをする行事。
お中元
上半期の区切りにお世話になった目上の人に贈り物をする行事。地域によって時期は異なるが、7月~8月の間に贈るのが一般的である。
お歳暮
1年間の区切りにお世話になった目上の人に贈り物をする行事。地域によって時期は異なるが11月~12月の間に贈るのが一般的である。
結論
今回は、冠婚葬祭のそれぞれの漢字が表す意味や行事について解説した。冠は人生の節目を祝う儀式、婚は婚礼に関わる儀式、葬は人の死に関わる儀式、祭は祖先を祀る儀式を意味している。最低限の知識として覚えておこう。