1. エアコンが冷えないのは修理の必要がある?
エアコン(冷房)を入れてもなかなか室内が冷えないと、故障してしまったのではないかと不安になるかもしれない。しかし必ずしもエアコンの故障とは限らず、修理が必要ないケースもある。
必ずしも修理が必要とは限らない?
エアコンの冷房で冷えないときは、故障以外にも原因が考えられる。エアコンの効きが悪いと感じるのは、故障よりも冷房効率が落ちているだけのケースも多い。つまり、エアコンで室内が冷えないからといって、必ずしも修理が必要というわけではないのだ。
エアコンのランプを見てみよう
エアコンが故障していると、電源が入らない、風が出ないなどのわかりやすい状態となって現れやすい。しかし中には、一見正常に作動しているにもかかわらず、異常があるケースもある。メーカーや機種にもよるが、エアコン内部に異常があると、本体のランプで表示されることが多い。いつもと違う色や点滅がないかを確認してみよう。ランプが示す意味は、エアコンの取扱説明書に記載されているはずだ。
室内機に問題があるとは限らない?
室内が冷えないと感じると、エアコン本体、つまり室内機の故障が真っ先に思い浮かぶかもしれない。しかし室内機ではなく、室外機に問題がある可能性も考えられる。エアコンは、室内機と室外機の両方が正常に作動していなければならないのだ。以下で解説するエアコンの仕組みを知ると、室内機と室外機の働きがわかりやすくなるだろう。
エアコンの仕組み
エアコンは、室外機と室内機を循環する「冷媒」に熱を運ばせて温度調節をしている。エアコンの冷媒は、一般的に「冷媒ガス」と呼ばれるが、常にガス(気体)の状態を保っているわけではない。室外機と室内機を循環する際に、液体から気体、気体から液体へと状態を変化させているのだ。液体は気体になるときに周囲の熱を吸収し、気体から液体になるときには熱を放出する性質を持つ。エアコンは、この液体と気体の性質を利用して、室内を冷やしたり温めたりする。
冷房の仕組み
冷房を入れると、液体の冷媒が室外機から室内機へと送られていく。その冷媒が室内機にある熱交換器で気化して周囲の熱を吸収。熱交換器に送風することで、熱を奪われ冷たくなった空気がエアコンから出てくるのだ。気化した冷媒は、室外機へと戻り圧縮機でまた液体に変化する。夏場、室外機から温風が出ているのをご存知の方は多いだろう。室外機から出る温風の正体は、冷媒が気体から液体に戻る際に放出された熱である。
2. 故障以外でエアコンが冷えない原因とは?
エアコンが故障している以外で、室内が冷えない原因を具体的に見てみよう。
フィルターの汚れ
エアコンの室内機のフィルターが汚れていると、風の通りが悪くなるため、エアコンの効率が落ちる。室内が冷えないときは、まずフィルターの汚れ具合を確認するとよいだろう。
室外機の問題
室外機の周りに物が散らかっていたり、吹き出し口の前に物を置いてふさいでしまったりしてはいないだろうか。前章でも解説したが、冷房を使用すると、室外機から熱が放出される。室外機の前に物があると、熱が逃げにくくなることでエアコンの効率が落ちてしまうのだ。
そのほか、室外機が直射日光にあたる場所に置かれている場合にも、エアコンの効率が落ちる。たとえ室内が問題なく冷えていたとしても、余計な電力を消費し、室外機に負担がかかっている可能性があることを知っておこう。
そのほか、室外機が直射日光にあたる場所に置かれている場合にも、エアコンの効率が落ちる。たとえ室内が問題なく冷えていたとしても、余計な電力を消費し、室外機に負担がかかっている可能性があることを知っておこう。
冷媒ガスが漏れている
エアコンの冷媒ガスが漏れてしまっていることも原因として考えられる。冷媒ガスは室外機と室内機をつなぐ配管を通って移動するが、配管の取り付けミスや、長年の使用による経年劣化、腐食で漏れることがあるのだ。
エアコン本体のガス漏れであれば、熱交換器に霜がついていることがある。室外機からのガス漏れであれば、室外機から伸びるホースに霜がついていることがあるため、確認してみよう。
エアコン本体のガス漏れであれば、熱交換器に霜がついていることがある。室外機からのガス漏れであれば、室外機から伸びるホースに霜がついていることがあるため、確認してみよう。
エアコンの能力と部屋の広さがあっていない
エアコンには、部屋の広さや建物の構造に適した能力(サイズ)がある。このサイズと部屋の広さがあわないと、エアコンの効率が落ち、室内が冷えない原因となるのだ。
3. エアコンが冷えないときの対処法
エアコンを入れても室内が冷えない原因が判明したら、次はその対処法を見ていこう。
フィルターが汚れている場合
エアコンの前面パネルを開けて、フィルターの掃除をしよう。取り外したフィルターは、掃除機でホコリなどの汚れを取り除き、エアコン本体も軽く拭き掃除をしておくとよい。それでも冷えない、冷房の効きが悪い場合は、自分で掃除ができない内部の汚れも考えられる。故障する危険性があるため、無理な掃除はせず、プロの任せると安心だ。
室外機に問題がある場合
室外機の前に物を置いてしまっている場合は、のけておこう。直射日光があたる場所にある室外機は、移動させるとよい。室外機の移動が難しいようであれば、すだれなどで日除けをするのがポイントだ。
冷媒ガスが漏れている場合
冷媒ガスが漏れている場合は、ガスを補充する必要がある。エアコンを取り付ける際のミスであれば、業者側の問題のため、無償で対応してもらえる可能性が高い。
配管の経年劣化などによる腐食でガスが漏れている場合も、業者に依頼してガスの補充や、配管の交換をしてもらう必要がある。その費用が数万円することから、自分でガスを補充する方もいるようだが、ガスの取り扱いには専門的な知識や技術が必要だ。失敗すれば高価な冷媒ガスを無駄にしてしまうリスクも伴う。さらに配管そのものが劣化している場合は、ガスを補充するだけでは解決しない。冷媒ガスに関する問題は、専門の業者に任せるのがおすすめだ。
配管の経年劣化などによる腐食でガスが漏れている場合も、業者に依頼してガスの補充や、配管の交換をしてもらう必要がある。その費用が数万円することから、自分でガスを補充する方もいるようだが、ガスの取り扱いには専門的な知識や技術が必要だ。失敗すれば高価な冷媒ガスを無駄にしてしまうリスクも伴う。さらに配管そのものが劣化している場合は、ガスを補充するだけでは解決しない。冷媒ガスに関する問題は、専門の業者に任せるのがおすすめだ。
エアコンの能力と部屋の広さがあっていない場合
エアコンの適切な畳数よりも部屋が広い場合は、買い替えも視野に入れよう。エアコンの設定温度を下げれば、ある程度は冷えないこともないからと使い続けてしまうケースも多いという。しかし、電力を無駄に大きく消費してしまい電気代が高くなる、エアコンに負担がかかり故障しやすくなるといったデメリットがあるため、推奨はできない。
適切なエアコンを選ぶために、サイズの見方も知っておこう。木造の住宅よりも、鉄筋コンクリート造の住宅の方が気密性が高く、空気が逃げにくい。そのため、エアコンのカタログなどに6畳〜9畳用といった記載があれば、木造6畳、鉄筋コンクリート造9畳に適したサイズという意味になる。最近では木造を基本とした「主に6畳用」のように記載されることもあるが、構造によって、必ずしも6畳の部屋用という意味ではないため注意しよう。
適切なエアコンを選ぶために、サイズの見方も知っておこう。木造の住宅よりも、鉄筋コンクリート造の住宅の方が気密性が高く、空気が逃げにくい。そのため、エアコンのカタログなどに6畳〜9畳用といった記載があれば、木造6畳、鉄筋コンクリート造9畳に適したサイズという意味になる。最近では木造を基本とした「主に6畳用」のように記載されることもあるが、構造によって、必ずしも6畳の部屋用という意味ではないため注意しよう。
結論
エアコンで冷房を入れても室内がなかなか冷えないときは、故障以外に原因があることも多い。まずはフィルターや室外機の前に物を置いていないかを確認してみよう。これらが原因であれば、修理をせずとも掃除や物をどかすだけで問題は解決するはずだ。そのほかに原因がある場合は、専門業者への依頼や買い替えも視野に入れる必要が出てくる。まずは原因を特定し、適切に対処していこう。