1. エアコンの設定温度と実際の温度は違う
エアコンを使用する際、夏は28度、冬は20度に設定しているご家庭は多いのではないだろうか。これは、環境省が推奨している温度として知られているためと考えられる。しかしエアコンの設定温度と、実際の室温は異なることも多い。
環境省が推奨する温度とは
環境省が推奨する夏は28度、冬は20度という温度は、室温の目安であってエアコンの設定温度ではない。28度が推奨される夏は、「エアコンを28度に設定する」という意味ではなく、「室温を28度にする」という意味なのである。
推奨温度に設定しても快適に過ごせないことも?
室温の推奨温度をそのままエアコンの設定温度にすると、快適な室温にならず、暑さや寒さに悩まされる可能性がある。とくに猛暑が続く近年では、室内であっても熱中症などの危険が伴う。エアコンの設定温度を調節し、快適に過ごせる室温にすることが重要である。
2. エアコンの設定温度を決めるコツ
季節ごとに推奨される室温を目安に、エアコンの設定温度を決めていこう。ここでは設定温度を決めるコツと、具体的な温度について解説する。
条件に合わせてエアコンの設定温度を変える
夏にエアコンを28度設定にすることで、室温が28度に保てるようであれば、とくに問題はない。しかし外気温の違いや、西日がさす部屋、隙間風の入る部屋など、条件によって室温は変わってくる。そのため、気温や室内の条件によって、エアコンの設定温度も調節しよう。
具体的には何度がいい?
具体的な温度は、推奨の室温から2〜3度変えるとよい。夏であれば、25〜26度。冬なら、22〜23度ほどに設定する。エアコン使用時の条件に左右されるが、冷暖房の効果を感じやすくなるはずだ。ただし、エアコンの設定温度を1度変えるだけで、電気代は13%も上昇するといわれる。ランニングコストも考慮しながら、上手に使用する必要があるだろう。
3. エアコンが設定温度にならないときの対処法
電気代を考慮しながら、快適にエアコンで室温を保つにはどうすればよいのか。その方法を見ていこう。
エアコンは自動運転にする
エアコンは自動運転にするのがおすすめだ。弱運転の方が節約できる印象を受けるかもしれないが、エアコンは設定温度に到達するまでに、大きな電力を消費する。つまり、電気代も高くなるということだ。弱運転で設定温度に到達するまでの時間がかかると、電気代が余計にかかる可能性がある。自動運転であれば、設定した温度になるまでは最大運転になり、その後は送風や弱運転に切り替わっていく。最短で設定温度になり、後は無駄のない運転で室温をキープしてくれるのだ。
設定温度を調節しても室温が快適にならない?
自動運転にし、エアコンの設定温度を調節しても快適な室温にならないこともあるだろう。その場合は、扇風機やサーキュレーターで室内の空気を循環させてみよう。暖かい空気は上にたまり、冷たい空気は下にたまる性質があるため、これを循環させることで体感温度が変わることがある。そのほか、空気のほとんどは窓から逃げるため、断熱シートを貼るなどの工夫もしてみよう。
設定温度だけじゃない!湿度にも注意しよう
室温とエアコンの設定温度にばかり意識がいってしまうが、湿度にも注意したい。湿度が10%上がるだけで、体感温度は1度上がるといわれている。逆に湿度が下がると、体感温度は低くなるのだ。夏の湿度の目安は55〜65%。冬は45〜60%。エアコンの設定温度だけでなく、除湿や加湿にも気を配ってみるとよいだろう。
結論
室温と混同されやすい、エアコンの設定温度。環境省の推奨する夏の28度、冬の20度は室温の目安であって、エアコンの設定温度ではない。それを踏まえた上で、快適な室温になるよう、エアコンの温度を調節していく。具体的には、推奨されている温度から2〜3度変えてみるとよい。エアコンを上手に使って、快適に過ごそう。