目次
- 1. エアコンをつけっぱなしにすると電気代はどうなる?
- 2. エアコンを24時間つけっぱなしにするメリット・デメリットとは?
- 3. エアコンをつけっぱなしにする際の注意点とは?
- 4. エアコンをつけっぱなしにした場合の人体への影響とは?
- 5. エアコンをつけっぱなしにすると壊れる?火災のリスクとは?
- 6. エアコンはつけっぱなしでも大丈夫!注意点も正しく理解して快適に過ごそう
- ※1:扇風機やエアコンで火災発生!安全に使うための注意点とは? _ 暮らしに役立つ情報 _ 政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201107/1.html
1. エアコンをつけっぱなしにすると電気代はどうなる?

エアコンをつけっぱなしにした場合、電気代はどうなるのだろうか?運転時間が長いほど電気代がふくらむのは当然なので、本稿では「つけっぱなしにした場合」と「こまめにオン・オフした場合」を比較していく。
エアコンは「設定温度に到達するまで」に多くの電力を消費する
エアコンは外気温と設定温度に差があるほど多くの電力を消費する。逆に、設定温度に到達してしまえば、そのあとの消費電力はそれほど大きくない。つまり「立ち上がりから設定温度に到達するまで」がもっとも消費電力量が多い=電気代がかかりやすいということだ。
【冷房よりも暖房のほうが電気代が高くなる?】
上述のように外気温と設定温度に差があるほど消費電力量も多くなる。気温35℃で冷房28℃に設定した場合、その温度差は7℃だ。一方、気温5℃で暖房20℃に設定した場合の温度差は15℃になる。こうしたことから、冷房よりも暖房のほうが電気代が高くなるケースが多い。
夏はこまめにオン・オフしても電気代が上がりにくい
上記を踏まえると、外気温と設定温度との差がそれほど大きくない初夏や夏の夜中などであれば、小まめにオン・オフしても電気代は上がりにくいと考えられる。とはいえ立ち上がりに消費電力量が多くなることから、1円でも抑えたいという方はつけっぱなしも検討の余地がある。
冬はこまめにオン・オフすると電気代がかさむ傾向にある
冬はエアコンをオフにすると室内が急激に冷える。こまめにオン・オフした場合、その都度設定温度に到達するために多くの電力を消費することになる。このことから、冬はエアコンをつけっぱなしにしたほうが電気代を抑えられる可能性が高いといえるだろう。とはいえ、長時間外出するといった場合などは、当然ながらもったいないのでオフにしよう。
30分程度の外出ならつけっぱなしのほうが安くなる場合がある
別の見方もある。一般的に、30分程度の外出であればつけっぱなしにしたほうが電気代は安くなる可能性が高いと考えられているのだ。たとえば、近所のスーパーなどに出かける程度なら、エアコンはつけっぱなしでOKということである。逆に外出時間が30分を超えると想定される場合は、エアコンの電源を切ったほうがよい。
【エアコンをつけっぱなしにしながら電気代を抑えるコツ】
冷房なら設定温度を上げ、暖房なら設定温度を下げれば節電になる。ただし極端に上げ過ぎたり下げ過ぎたりすれば健康に悪影響を与えるおそれがある。快適に過ごせる室温を維持しながらエアコンの電気代を下げる工夫をしよう。効率よくコントロールできる「自動」がおすすめだ。
また冷気は下に、暖気は上に溜まる性質がある。たとえばエアコンは「弱」にし、電気代が安いサーキュレーターで空気を循環させるなどはいかがだろうか。室温を均一にできるため、エアコンの効果を実感しやすいだろう。
そのほか夏は日差しを遮る、冬は日差しを取り込むといったように、ちょっとした工夫も節電につながる。断熱効果があるカーテンで、冷気や暖気を逃さないようにすればより効果的だ。
2. エアコンを24時間つけっぱなしにするメリット・デメリットとは?

一日中家にいるという場合、エアコンも24時間つけっぱなしでよいのだろうか?メリットとデメリットを比較してみよう。
エアコンを24時間つけっぱなしにするメリット
【快適に過ごせる】
エアコンを24時間つけっぱなしにした場合、一日中快適に過ごしやすい温度をキープできるといったメリットがある。帰宅したあとも暑さや寒さを感じることなく、就寝中も快適な温度が保たれるのも利点だ。
【熱中症予防やヒートショック対策になる】
エアコンを24時間つけっぱなしにした場合、とくに夏などは熱中症予防にもつながるだろう。また冬に心配なのが、温度差によるヒートショックが引き起こす心筋梗塞や脳梗塞などだ。エアコンをつけっぱなしにして温度差を小さくしておくことは、ヒートショック対策にもつながる可能性がある。
エアコンを24時間つけっぱなしにするデメリット
【自動お掃除や内部クリーンなどの機能が使えない】
エアコンを24時間つけっぱなしにした場合、オフにしたときに作動する「自動お掃除」や「内部クリーン」といった機能を使えない。前者はフィルターを掃除する機能、後者は冷房や除湿のあとにたまった結露を乾燥させる機能だ。どちらもエアコンを清潔に保つために必要なので、仮に24時間つけっぱなしにする場合でも定期的に電源を切るといった工夫は必要かもしれない。
【電気代がふくらむケースがある】
当然、つけっぱなしにすると電気代がふくらむおそれがある。エアコンを使用しなくても快適に過ごせる気候であれば、オフにしておいたほうがよいだろう。
24時間つけっぱなしにするかどうかはケースバイケースで判断を
エアコンを24時間つけっぱなしにした場合、快適に過ごせる反面一部の機能を使えないなど、メリット・デメリットがあるため双方をきちんと把握し、ケースバイケースで判断することとが重要になる。
3. エアコンをつけっぱなしにする際の注意点とは?

エアコンはつけっぱなしにしても問題ない家電だが、その際に注意したいポイントもある。
エアコンをつけっぱなしにしている最中も換気は必要
エアコンをつけっぱなしにした状態で窓を開けると、当然ながら暖気や冷気が逃げる。だがエアコンには基本的に「換気能力」はない(一部、換気機能を有するエアコンもある)。そのため、たとえエアコンをつけっぱなしにしていても、1時間おきに5分程度の換気をしよう。
空気が乾燥しやすくなるため湿度管理が必要
エアコンの暖房をつけっぱなしにしていると室内の空気が乾燥する。ウイルスが活発に動き回るようになったり、肌や鼻・のどなどの粘膜が乾燥したりする原因になるので注意しよう。洗濯物を部屋干ししたり加湿器を活用したりして、湿度をコントロールすることが重要だ。
エアコンの内部に湿気が溜まるためお手入れが必要
冷房や除湿運転をしている最中は、エアコン内部に結露が発生する。これを放置するとカビが発生したり、室内機の吹出口からポタポタと水が流れてきたりする原因となる。定期的に、いったんオフにして内部クリーン運転を作動させたり、同機能がなければ1時間ほど送風運転をしたりして結露やカビ対策を講じよう。
フィルターに汚れが溜まりやすくなるためお手入れが必要
エアコンはつけっぱなしでもOKだが、稼働時間が長くなる分フィルターも汚れやすくなる。フィルターの汚れを放置すると冷暖房効果が低下したり、カビが発生したりする原因となるため注意が必要だ。フィルター掃除は2週間に1回が目安だが、つけっぱなしにする場合は週1回など頻度を高めよう。
4. エアコンをつけっぱなしにした場合の人体への影響とは?

エアコンをつけっぱなしにした場合、人体にはどういった影響が考えられるだろうか?健康面におよぼす影響や対策を解説しよう。
皮膚や粘膜の乾燥を招くことがある
上述の通りエアコン、とりわけ暖房をつけっぱなしにした場合は空気が乾燥しやすくなる。冬はただでさえ湿度が低いため一層の注意が必要だ。暖房で皮膚や粘膜が乾燥しダメージを受けるだけでなく、ウィルスの動きも活発になる。適度に加湿をして対策しよう。
血行不良や体調不良を招くおそれがある
主に冷房運転時のリスクだが、体の冷えには注意したい。体が冷えると血管が収縮し、血行不良の原因となる。加えて、室外との温度差で自律神経のバランスも乱れやすくなる。足腰の冷えや肩こり、頭痛や食欲不振、下痢などさまざまな症状に悩まされるおそれがある。
冷房病を防ぐには冷やしすぎないことが何よりも大切だ。エアコンの風が直接身体に当たらないようにすること、設定温度は26〜28℃くらいを目安にすること、適度な運動で血流をよくすること、温かい食べ物を食べることなどの対策が有効だ。
寝るときのつけっぱなしは睡眠の質に影響を与えることも
睡眠中は体温が下がるので、起きているときよりも体が冷えやすい。冷房の設定温度が低すぎると、寝ている間に体温が下がりすぎるといったリスクがあるということだ。血行が悪化すれば眠りが浅くなり、疲れがとれないといったことがあるため注意しよう。
寝ている最中にエアコンをつけっぱなしにする場合は、日中よりも設定温度を上げる(28℃程度)、眠りに入る頃を見計らってオフタイマーを設定するなどの対策を講じよう。
5. エアコンをつけっぱなしにすると壊れる?火災のリスクとは?

エアコンの使い方を間違えると、故障や火災のリスクがある。トラブルを避けるために、エアコンをつけっぱなしで大丈夫なのかをチェックしておきたい。
エアコンをつけっぱなしにすると故障しやすくなる?
【きちんとメンテナンスをしていれば故障のリスクは低い】
一般的に、エアコンの平均寿命は10年とされている。十分な耐久性があるため、つけっぱなしにしたことが直接的な原因となって寿命が縮まるということは考えにくい。フィルターなどのメンテナンスをきちんとおこなっていれば、つけっぱなしにしても故障のリスクが上昇するということはないだろう。
エアコンをつけっぱなしにした場合、火災の心配はない?
【正しい使い方をしている分にはほとんど心配ない】
正常な使い方をしているのであれば、エアコンをつけっぱなしにしても火災に発展するリスクは低いだろう。だがエアコンが原因で火災になるケースはゼロではない(※1)。電気コードの接続不良や、洗浄液が内部に侵入したことなどが主な原因だ。
またコンセントとプラグの隙間にほこりが溜まると「トラッキング現象」で発火することがある。ときどきチェックしてほこりを取り除いておこう。電気プラグが変色してる、焦げ臭いにおいがするなど、少しでも異常を感じたら使用を中止してメーカーに相談しよう。
6. エアコンはつけっぱなしでも大丈夫!注意点も正しく理解して快適に過ごそう

エアコンは立ち上がりから設定温度に到達するまでの間にもっとも電力を消費する。そのため30分程度の外出であれば、エアコンをつけっぱなしにしたほうが、こまめにオン・オフしたときと比べて電気代を抑えられる可能性がある。
エアコンは24時間つけっぱなしでもOKだが、清潔に保つための機能を作動させたり、自分でお手入れをしたりするためにも、定期的にオフにするとよいだろう。
一方、換気が必要になる、乾燥しやすい、適温に設定しないと体調を崩すおそれがあるといった注意点もある。換気や加湿、適温に設定するといった対策を講じて快適に過ごそう。
結論
エアコンをつけっぱなしにするか、こまめにオン・オフするかはケースバイケースだが、少々の外出などであればつけっぱなしでよい。正しい使い方をすれば故障や火災といったリスクもほとんどないだろう。ただし接続不良やトラッキング現象といったリスクは拭えないので、注意点も正しく理解しておいてほしい。
(参考文献)