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エアコンの暖房の仕組みとは?仕組みを理解して節電につなげよう

エアコンの暖房の仕組みとは?仕組みを理解して節電につなげよう

投稿者:ライター 松岡由佳里 (まつおかゆかり)

鉛筆アイコン 2021年10月26日

ほとんどのエアコンには冷房だけでなく暖房機能も搭載されている。エアコンは、冷房よりも暖房を使ったときの方が電気代はかかるといわれている。暖房使用時には、どのような節電方法があるのだろうか。それにはエアコンの暖房の仕組みを理解することが大切だ。暖房の仕組みと節電のコツを紹介しよう。

  

1. エアコン暖房の原理や仕組み

エアコンは、冷房でも暖房でも「ヒートポンプ技術」を使って部屋の温度調整を行っている。その原理と仕組みを簡単に説明しよう。

ヒートポンプ技術とは

空気中にある熱を集めて、その熱を移動させるのがヒートポンプ技術だ。自然の熱を使って、非常に効率よく冷やしたり暖めたりできる。
例えば、同じ暖房器具の電気ストーブでは1の暖房効果を得るためには1の電力が使われる。それに対してヒートポンプ技術が使われているエアコンでは、1の電力で5の空気熱を集めて圧縮できる。そのため1の電力で5の空気熱を活用して、6の暖房効果を得られる仕組みだ。
このヒートポンプ技術は、エコキュートなどの給湯機などにも多く使われており、空気の熱を利用する「再生可能エネルギー」としても注目されている。

ヒートポンプ技術を支える冷媒とは

ヒートポンプ技術によって、空気中の熱を運ぶ働きをするのが「冷媒」と呼ばれるフロンガスだ。エアコンの中には室内機と室外機の間をこのフロンガスがグルグルと回っている。このフロンガスは、常温では気体、圧力をかけると液体、圧力を下げると気体に戻る特性がある。
液体は、気体になるときには周囲から熱を奪う。逆に気体が液体になるときには熱を放出する特徴がある。これを「気化熱」という。エアコンは、この気化熱を利用することで部屋を暖めたり冷やしたりする仕組みだ。
つまり、暖房時の冷媒は、室外機で液体が気体になって外の空気の熱をもらい、室内機に移動すると圧力がかけられて気体が液体となる。このときに部屋の冷たい空気は、冷媒から熱を受け取り部屋を暖める。冷房時は逆の仕組みになる。

2. エアコン暖房の仕組みを徹底解説

エアコンの暖房の原理が分かったところで、その仕組みを冷媒の働きを中心に順を追って解説しよう。

室外機の熱交換器から冷たい冷媒が室外機へと送られる

エアコンの暖房スイッチを入れると「冷媒」がヒートポンプシステムによって膨張し、外気よりも冷たくなる。冷たくなった冷媒は室外機に送り込まれる仕組みだ。どんなに冷たい空気でも、熱を持っている。例えば、外気が0℃でも冷媒を−5℃にすれば、その差である5℃の暖かい空気を取り込める。

高温になった空気が室内機から出て部屋を暖める

気化した冷媒はコンプレッサーで圧縮され、約80℃の高温高圧になる。この状態でガス管を通り、室内機の熱交換器に送られる仕組みだ。このときに室内の冷たい空気は熱を受け取り、エアコンから温風となって排出され、部屋全体を暖める。

冷媒は再び室外機へ

熱を奪われた冷媒は、気体から液体となる。さらに圧力が低下して0℃前後の低温低圧の状態で室外機の熱交換器に入る。低温低圧になった冷媒は、外気から熱を受け取り再び液体から気体へと変化する仕組みだ。このとき、効率的に熱が得られるように外気の風が熱交換器に送られる。この風は冷媒に熱を受け渡しているため、エアコンの暖房運転時の室外機からは冷たい風が出ている。
エアコンの仕組みは、あくまでも室外と室内の空気の熱交換をするものであり、空気の交換をするものではない。エアコンの使用中は、ときどき窓を開けて換気をすることが推奨されている。

3. エアコン暖房の仕組みから分かる節電のコツ

エアコンの暖房は、外の空気の熱を取り込んで媒体を介して暖かい空気を部屋に送り込んでいる。この仕組みから、いくつか節電のヒントが見えてくる。

室外機の前面にモノを置かない

エアコンの室外機の前にモノを置いておくと、熱を効率的に取り込めない。室外機の周りはできるだけスッキリさせておこう。また、雪が多く降る地域では、室外機の周辺を雪が覆ってしまうと効率が下がって電気代も上がってしまう。エアコン用の防雪フードや防雪ネットなどを活用して雪対策もしておこう。

室外機に陽が当たるようにする

冷房時には、室外機に直射日光が当たると冷房効率が悪くなるが、暖房時は逆になる。少しでも温度の高い外気温を取り込んで室内との温度差を少なくすることが節電につながる。そこで室外機に陽が当たるようにしておく仕組みも整えておこう。エアコンの冷房効率を上げるための簾などは、暖房時には外しておこう。

フィルターの掃除をこまめにする

効率よく室内の冷たい空気を取り込めるように、エアコンのフィルターの掃除はこまめに行うことが節電につながる。2週間に1回程度、掃除機をかけるついでにフィルターのホコリを吸い込んでしまえば、簡単に掃除ができる。

室外機の掃除

室外機から空気の熱を取り出す仕組みを最大限に活用するためには、エアコンの室外機をキレイにしておくことが大切だ。フィルターのようにこまめに掃除をする必要はないが、暖房を使うタイミングで一度掃除をしておこう。室外機の表面だけでなく、下の面にある水抜き穴をチェック。詰まったゴミを取り除いておこう。また、室外機のファンの前をふさぐ枯れ葉などもキレイにしておこう。

結論

エアコンの暖房が部屋を暖める仕組みは、ヒートポンプ技術とそれを支える冷媒にある。この仕組みが効率よく働くためには、室外機や室内機のフィルターの掃除を怠らないことだ。外気の空気の熱を上手に取り込んで、室内の冷たい空気と交換することで、電気代の節約につながる。エアコンは空気の熱の交換をするもので、空気の入れ替えはしない。定期的な換気を忘れないようにしよう。
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  • 更新日:

    2021年10月26日

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