目次
1. 曲げわっぱとは?

そもそも「曲げわっぱ」とは何だろうか。曲げわっぱ弁当箱についてあれこれ解説していく前に、曲げわっぱとはどういったものなのかをみていこう。
スギやヒノキなどで作られた木製の「箱」
曲げわっぱとは、スギやヒノキなどで作られた木製の箱のことだ。伝統工芸品として日本各地で作られている。木の温もりを感じられる素朴な魅力と木製ならではの効能がある。
曲げわっぱの歴史
曲げわっぱの歴史は古く、奈良時代から使われているようだ。木こりが杉の生木を曲げて器を作ったことが始まりとされている。
2. 曲げわっぱ弁当箱が人気の理由

曲げわっぱ弁当箱のどういったところが優れているのか、人気の理由を紹介する。
一年を通してご飯が美味しい
曲げわっぱ弁当箱の1番の魅力は、1年を通してご飯が美味しいところだ。お米から出る余分な水分を曲げわっぱが適度に吸ってくれて、時間が経って冷えても美味しいご飯が食べられる。冬はご飯を固まりにくくする効果がある。
見た目が美しくインスタ映えも狙える
スッキリとした木目とご飯やおかずとの相性がよく、見た目が美しくて、美味しそうな写真が撮れる。インスタ映えすると人気を集めている。
木の香りと持ち運びやすい軽さも特徴
ほのかな木の香りがする曲げわっぱは、落ち着いた気分にさせてくれる。薄い木の板で作られているため、かなり軽いのも特徴だ。持ち運ぶことの多い弁当箱にとって、嬉しいところだろう。
3. 曲げわっぱ弁当箱を使うにあたっての基礎知識

曲げわっぱの魅力が分かったところで、実際に曲げわっぱ弁当箱を使うにあたって知っておきたい基礎知識を学んでおこう。
使う前に濡らす
曲げわっぱ弁当箱は中身を詰める前に、1度サッと水に濡らすか、清潔な濡れ布巾で拭いてから使おう。乾燥したままの状態だと、ご飯がくっつきやすく、おかずの油や調味料を吸い込みやすくなる。
カビを防ぐためにも適切に手入れをする
曲げわっぱ弁当箱は木でできているため、カビが発生しやすい。そのため、食べたあとはすぐに洗うようにしよう。お湯又は水で汚れを浮かせてから洗おう。
収納したままにせず使い込む
曲げわっぱ弁当箱は使い込むほど手に馴染んでくる。収納したままにせずどんどん使い込もう。お菓子入れなど弁当箱以外に使ってもオシャレだ。
レンジや食洗機は基本的に使用しない
曲げわっぱ弁当箱を傷めてしまう原因になるため、レンジや食洗機は基本的に使わないようにしよう。ただし最近では、レンジや食洗機対応の曲げわっぱ弁当箱も登場している。曲げわっぱ弁当箱はすべてダメというわけではないので、取扱説明書をチェックしてほしい。
4. 無塗装(白木)の曲げわっぱ弁当箱の特徴と手入れ方法

無塗装(白木)の曲げわっぱ弁当箱は、素材そのままで、塗装していないタイプである。その特徴と手入れ方法を解説する。
白木の曲げわっぱ弁当箱のメリット
何も塗装されていないため、スギやヒノキが本来もつ香りや美しい木目が楽しめる。優れた吸湿性により、ご飯の美味しさを引き出す。木に備わる殺菌作用により防腐効果も期待できる。
白木の曲げわっぱ弁当箱のデメリット
湿気に弱いため傷みやすく、生乾きの状態で保管すると黒ずみが発生しやすい。洗ったあとは、しっかり乾燥させよう。また、油が染み込みやすいので、揚げ物などを入れる際はおかずカップなどを使って工夫する必要がある。
白木の曲げわっぱ弁当箱の手入れ方法
使用前は内側に水を張り、1分くらい水を吸収させよう。このひと手間がご飯のこびりつきを防いでくれる。使用後はお湯を入れて汚れを浮かしたあと、スポンジなどで洗う。洗剤は使えないことが多いので注意してほしい。洗ったあとは水気を拭き取り、自然乾燥させる。
5. ウレタン塗装の曲げわっぱ弁当箱の特徴と手入れ方法

表面を樹脂でコーティングしたものがウレタン塗装の曲げわっぱ弁当箱である。同じくその特徴と手入れ方法を解説する。
ウレタン塗装の曲げわっぱ弁当箱のメリット
ウレタン塗装をすることで、白木の美しさを損なわずかつ汚れにくいのが特徴だ。油や水に強く、洗剤を使用して洗うことが可能である。ほかの曲げわっぱ弁当箱と比べ、比較的安価で手に入れられる。
ウレタン塗装の曲げわっぱ弁当箱のデメリット
表面をウレタン塗装してしまうことで、吸湿性や殺菌効果が期待できない。また、曲げわっぱ弁当箱の魅力でもある、ほのかな香りも少なくなる。
ウレタン塗装の曲げわっぱ弁当箱の手入れ方法
使用後は中性洗剤(家庭用の食器洗剤)を使って、スポンジなどで洗う。洗ったあとは水気を拭き取るだけだ。白木と同様に塗装されていない部分は湿気に弱いため、水気はしっかり拭き取ろう。
6. 漆塗りの曲げわっぱ弁当箱の特徴と手入れ方法

漆塗りの曲げわっぱ弁当箱は、名前のとおり漆を塗装したタイプである。こちらも特徴と手入れの方法を解説していく。
漆塗りの曲げわっぱ弁当箱のメリット
漆塗りの曲げわっぱ弁当箱は、耐久性に優れている。漆には高い抗菌性があり防腐効果も抜群だ。漆塗りの場合だと吸湿性は損なわれないため、白木のような美味しいご飯が味わえる。油が染み込まないので、おかずを詰めるときのひと手間を加える必要もない。洗う際は洗剤が使用でき、日々のお手入れで拭き続けることによって、漆特有のツヤが楽しめる。
漆塗りの曲げわっぱ弁当箱のデメリット
漆は貴重で高価なもの、そして弁当箱に何度も重ねて塗るという工程があるため、ここまで紹介してきた曲げわっぱ弁当箱の中でもっとも高価である。また、人によっては漆特有の匂いが気になることもある。
漆塗りの曲げわっぱ弁当箱の手入れ方法
洗い方は中性洗剤を使って、スポンジなどで洗う。洗ったあとは柔らかい布で水気を拭き取るだけ。強くこすらず優しく拭くのがポイントだ。
7. 曲げわっぱ弁当箱の選び方

曲げわっぱ弁当箱の選び方を紹介する。塗装方法、容量、形状、3つのポイントに注目して選ぶようにしよう。
塗装方法
ここまで解説したとおり曲げわっぱ弁当箱には、塗装されていない白木、ウレタン塗装、漆塗りのタイプがある。それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分の使いやすいタイプを選ぼう。おすすめは、高価だが美しさと機能性を兼ね備えた漆塗りの曲げわっぱ弁当箱だ。
容量
曲げわっぱ弁当箱を選ぶ際は、使う人数や目的に合わせてサイズを選ぼう。毎日の弁当で使うなら、500〜900mlくらいが目安だ。たくさん食べる方は1000ml以上のサイズ。運動会やお花見など大人数で使える重箱タイプもある。
形状
曲げわっぱ弁当箱は形状もいろいろある。定番の小判型はご飯とおかずの位置が決めやすく詰めやすい。ほかにも丸くて可愛い丸型やカバンにスッキリ収まるスリム型、梅型やそら豆型など、デザイン性の高いタイプもある。
8. 曲げわっぱ弁当箱への上手な詰め方

ご飯やおかずを美味しそうに見せるには詰め方も重要だ。ここでは、曲げわっぱ弁当箱への上手な詰め方を紹介する。
ご飯が冷めるまで待つ
温かいご飯を曲げわっぱ弁当箱に入れたら、そのままの状態で冷ましてから蓋を閉めよう。すぐに蓋を閉めてしまうと、ご飯から出る水気が蓋に付きカビが発生しやすくなる。ご飯の温度が室温と同じくらいになれば、おかずを入れるタイミングだと覚えておこう。
油料理や煮物はそのまま詰めない
白木の曲げわっぱ弁当箱は、油料理や煮物などの油や汁を吸ってしまう。これらを詰める前は、キッチンペーパーなどで油や水分をしっかり取っておこう。また、弁当箱に直接付かないように、おかずカップを使用するのもよいだろう。
美味しそうに見せる詰め方のコツ
美味しそうに見せる詰め方のコツは、おかずを入れる順番も大切である。理想の詰め方は、最初にご飯を入れ、次に形の崩れにくいメインの大きいおかずを詰める。そして形の崩れやすいおかずを詰め、最後に空いた隙間に入れるおかずを詰める。この順番だとキレイで美味しそうな弁当に見える。
9. 日本製の曲げわっぱ弁当箱のおすすめ3選

ここでは、おすすめの日本製曲げわっぱ弁当箱を3つ紹介する。曲げわっぱ弁当箱選びの参考にしてほしい。
みよし漆器本舗「曲げわっぱ小判弁当箱 漆塗り 600ml」
漆塗りの曲げわっぱ弁当箱。ほのかな杉の香り漂い、小判型の丸みが心地よいモダンなデザインだ。容量は600ml、普段のお弁当からお花見や行楽まで幅広く使える。
大館工芸社「梅花弁当」
五角形で梅の花をイメージした、梅花型の曲げわっぱ弁当箱。下段450ml・上段350mlの2段仕様である。秋田杉の美しい木目が魅力だ。軽量でありながら強度と弾力性に優れている。ウレタン塗装しているので、さまざまなおかずが入れられ洗う際のお手入れも楽だ。また、梅花弁当の上段と同じサイズ、容量の「梅花一段」もある。梅花弁当では足りない場合や破損したときの買い足しに便利だ。
Grous「 曲げわっぱ弁当箱 白木 一段 男性 女性 一式 セット 買い足し不要」
白木が美しいシンプルな小判型の曲げわっぱ弁当箱。スライド式の箸ケース、巾着袋、ランチバンド付き。必要なものが一式セットになっている。内側は白木を生かす無塗装、外側のみ汚れや水漏れから守るコーティングを施す、こだわり仕様である。容量は700ml、深さは6.3cmあるので、詰める量や配置の調整がしやすい。
10. 曲げわっぱ弁当箱でご飯を美味しくいただこう

曲げわっぱ弁当箱は、水分を適切に保ってくれるため、時間が経ってもふっくら美味しいご飯が味える。曲げわっぱ弁当箱を1度使うと、普通の弁当箱には戻れないという方も多い。少しでも興味のある方はぜひ試してみてほしい。曲げわっぱ弁当箱で、味はもちろん見た目や香りも楽しもう。
結論
ご飯を美味しく食べられ見た目も美しい、曲げわっぱ弁当箱について詳しく解説してきた。カビさせてしまうのではと不安、いきなり高価なものを購入するのはためらうという方は、リーズナブルなウレタン塗装の曲げわっぱ弁当箱から始めてみよう。