目次
1. アーミッシュとは

昔ながらの素朴な生活を守り続けるアーミッシュとは、どのような人々なのか知っておこう。
アーミッシュとはどんな人々?
アーミッシュとは、多くがドイツ系移民の宗教集団だ。アメリカやカナダに約20万人が暮らしているといわれる。スイスからの移民当時の生活様式を守り、今でも農耕や牧畜を営み、自給自足に近い生活を送っている。
2. アーミッシュの服装

アーミッシュは、男女ともに基本となる服装がある。アーミッシュの服装とはどういったものなのかをみていこう。
男性は無地のシャツに黒のズボンなどが基本
白や黒の単色を主とした無地のシャツに黒のズボンなどを着るのが、アーミッシュの男性の基本スタイルである。チャックやボタン、ベルトなどを使わないため、シャツはフックで留め、ズボンはサスペンダーで吊るスタイルが多い。
外出時は黒のハットなどをかぶる
男性は外出時に、基本の無地のシャツに黒のズボンと併せて、頭には黒のハットなどをかぶる。
女性の服装はワンピースにエプロンが基本
女性の服装は、無地で控えめな色合いのワンピースにエプロンが基本である。頭にはボンネットと呼ばれる帽子をかぶる。
3. アーミッシュの主な交通手段は馬車

アーミッシュの主な交通手段は、バギーと呼ばれる馬車や自転車である。アーミッシュでは自動車を使用することはない。そのため、アーミッシュが住む地域の一般道路では、馬車が行き交う珍しい光景が見られる。道路には馬車の通行を示す一風変わった標識もある。
4. アーミッシュの食糧はほぼ自給自足

アーミッシュの食糧は、ほとんどが自給自足だ。農耕や牧畜で得た食糧で生活している。牛に耕運機を引かせ、アーミッシュの人々がみんなで協力し合いながら農作業を行う。アーミッシュが作るハチミツなどの特産品は非常に美味しく、観光客向けにも販売されている。
5. アーミッシュの食事は?

アーミッシュの食卓は、家族で料理を囲むごく普通のダイニングである。肉や野菜、卵、乳製品などのほとんどは、アーミッシュが愛情こめて育てたものだ。これらを使ったパイやドーナツ、チキンコーンスープなどの料理は、シンプルながらも温もりを感じる家庭料理である。また、アーミッシュの家庭で並ぶ肉料理は、フライドチキンやグリルチキンなどのチキン料理が定番だ。
6. アーミッシュは電気をほとんど使わない

電気をほとんど使わないのもアーミッシュの規則だ。その証拠に、アーミッシュの街並みには電柱が見当たらない。アーミッシュの宗教では、自分たちの規則に反すると判断した電気製品などを基本的に拒否している。
スマホもテレビも持たず灯りはガスを使うのが基本
現代社会の必需品になっているスマホや、家電製品の代表といえるテレビもほとんど使わずに生活している。灯りも電気ではなくガスを使うのが基本だ。しかし、アーミッシュの規則は宗派によって異なり、ガスを使うことも禁止されているところもあるようだ。
7. アーミッシュはキルトなどを販売して収入を得ている

農耕や牧畜を営み、自給自足の生活を送っているアーミッシュだが、ときにはスーパーで買い物をすることもある。買い物のときに必要なお金は、キルトや雑貨を販売して得ている。アーミッシュが普段から使用する、ハットを販売することもある。また、観光化が進んでいる地域では、アーミッシュが自分たちで作った、新鮮な野菜や果物を使った料理を提供するレストランもある。
8. アーミッシュの子どもたちに与えられる「ラムスプリンガ」とは?

アーミッシュの子どもたちは、16歳になると「ラムスプリンガ」という自由の期間が与えられる。アーミッシュ特有の慣わしであるラムスプリンガについてみていこう。
親元から離れ俗世で暮らすことができる期間
子どもは、ラムスプリンガが与えられる16歳になると、アーミッシュのコミュニティーから離れ、規制のない生活を送る。この期間に子どもたちは、これまで禁じられていた電気製品や自動車、音楽、遊びなどのさまざまな体験をする。
その後アーミッシュであり続けるかどうかは自分で選択する
アーミッシュの子どもたちはラムスプリンガの経験を経て、成人になる前に、故郷に戻りアーミッシュであり続けるか、アーミッシュではない人々として暮らすかを選択する。ほとんどの子どもはアーミッシュに戻ることを選ぶようだ。
9. アーミッシュの言語や教育は?

アーミッシュの言語や子どもの教育について紹介する。
アーミッシュの言語
アーミッシュの言語は、基本的にドイツ語や英語、ペンシルベニアダッチである。ペンシルベニアダッチとは、古いドイツ語の方言だ。元はドイツ語だが、地元の人も聞き取れないほど、現在のドイツ語とは異なるといわれている。英語はアーミッシュ以外のコミュニティーで使用されており、言語は場所に応じて使い分けているようだ。
アーミッシュの教育
アーミッシュは、子どもの教育にも独自の考えがある。教育はコミュニティー内の学校で行われ、期間は8年間だ。アーミッシュでは8学年以上の教育は必要ないと考えられており、これは国にも認められている。
10. 忘れている大切な何かを思い出させてくれそうなアーミッシュの暮らし

家族と自然の恵みを大切にしたアーミッシュの素朴な暮らしは、私たちが忘れてしまっている価値観を思い出させてくれそうだ。便利なものや、さまざまな情報にあふれた私たちの生活の中で、見習うべきところは多いかもしれない。
結論
アーミッシュについて解説してきた。アーミッシュは昔からの規則を守り、現代社会とは一線を引いた独自の生活を送っている。規則のある中にも、子どもには世の中を知る期間が与えられるなど、アーミッシュの暮らしは奥が深くて面白い。今回の記事が、アーミッシュについて理解を深めるきっかけになってくれたら幸いだ。