目次
- 1. 多肉植物とは?
- 2. 多肉植物の育て方 | 準備編
- 3. 多肉植物の育て方 | 管理編
- 4. 多肉植物の育て方 | 植え替え編
- 5. 多肉植物の育て方 | 増やし方編
- 6. 多肉植物の育て方で注意すべき病害虫
- アロエ属:薬として使用することもある多肉植物 一般的なアロエ以外の種類も豊富
- アガベ属:葉の先が鋭く尖っている トゲが生えていてクールな印象
- アデニウム属:肥大する幹や根が特徴 美しい花を咲かせるものが多い
- エケベリア属:バラの花びらのように重なる葉が魅力 見た目がキレイで種類が豊富
- カランコエ属:色鮮やかな花を楽しめる品種が多い
- コノフィツム属:豆のような丸いフォルムが可愛らしい 中央から花が咲く
- セダム属:種類がとても多く形状や葉の形がそれぞれ異なる
- クラッスラ属:小さな可愛らしい花を咲かせる 個性的な形状の品種が豊富
- ハオルチア属:サイズが小さく室内でも育てやすい 放射線状に丸く育つのが特徴
- ユーフォルビア属:形状がとても個性的 多くはサボテンのようなトゲがある
- セネシオ(セネキオ)属:切ると菊に似た香りがする 葉の形は「球状」「矢じり」「三日月」などに分かれる
- オロスタキス属:花びらのようなロゼッタ状の葉が特徴 品種にかかわらず丈夫で育てやすい
- リトープス属:丸みのある独特の形状 表面が平らでツルツルとしている
- コチレドン属:表面に粉を帯びたり産毛が生えたりする品種が多い ベル型の花を咲かせる
- ガステリア属:茎がなく葉が直接土から生える
- パキフィツム属:コロンと丸い小さな葉が特徴 丈夫で初心者でも育てやすい
- センペルビウム属:耐寒性に優れた多肉植物 葉の形はロゼッタ状でカラーが豊富
- ダドレア属:白く美しい見た目が特徴 黄色や白の花を咲かせる
- ユーリキニア属:螺旋状の独特な形状が魅力 柱のように上に成長する
- スタペリア属:角張った四角い茎をしている 個性的な花が咲く
- 多肉植物の苗
- 苗より一回りほど大きな鉢(底穴あり)
- 土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- スコップ
- ハサミ
- 細い木製マドラー
- 一回り大きな鉢の中に軽石と土(1/4まで)を入れる
- 古い鉢から多肉植物を取り出して土をほぐす
- 干からびた古い根をハサミでカットする
- 多肉植物を新しい鉢に入れて残りの土を周りに入れる
- 細い木製マドラーで土をなじませる
1. 多肉植物とは?

一般的に多肉植物とは全体、または一部が厚いタイプの植物だ。貯水組織の発達により多量の水分を含むことができ、乾燥に強いといった特徴がある。育て方と併せて多肉植物の主な種類をチェックしよう。
多肉植物の種類
さらに春と秋が生育期の「春秋型」、夏が生育期の「夏型」、冬が生育期の「冬型」に分かれる。育て方や季節の管理方法も異なるので、あらかじめチェックしておこう。
2. 多肉植物の育て方 | 準備編

多肉植物を育てる前にまず準備を整える。育て方の基本として、植え付けや植え替えに必要な道具と土の作り方を確認してほしい。
必要な道具
鉢の材質には通気性や排水性が高い素焼きが適している。割れる心配がない木製の鉢もおすすめだ。ハサミで根をカットする場合は、熱湯で消毒しておこう。
多肉植物に適した土の作り方
通気性と排水性がよい土を選ぶのがポイント。粒が細かくサイズが均等な土が適している。ホームセンターや園芸店で購入できる多肉植物用の土を用意しよう。なお、自分で作る場合は「赤玉土(小粒)4」「鹿沼土(小粒)3」「腐葉土(ピートモスでも可)3」の割合でブレンドする。
3. 多肉植物の育て方 | 管理編

多肉植物を元気に育てるために、適切な管理方法をチェックしておこう。「春秋型」「夏型」「冬型」に分けて、基本の育て方を解説する。
春秋型の管理方法
日当たりがよい場所で管理するのが育て方のポイント。生育適温は10~25℃だ。春は屋外に置いて日差しに慣らし、夏は直射日光を避けて半日陰に置く。冬は寒さが伝わりやすい窓辺を避けて室内で管理しよう。
春や秋は土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをして、夏や冬は断水気味で育てよう。夏は涼しくなった夕方くらいに葉水をする。高温多湿になると根腐れしやすいので注意。なお、ハオルチアやセダム、エケベリア、パキフィツム、センペルビウムなどが春秋型の多肉植物になる。
夏型の管理方法
生育適温は20~30℃で、風通しがよく日当たりがよい場所に置く。ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので、遮光ネットを活用しよう。冬は室内で日差しを当てながら管理する。気温が冷える夜は窓辺以外に置いてほしい。
春や秋は土が乾いたら、夏は涼しくなった夕方に水やりをする。冬は休眠期なので水やりは控えめにしよう。月に1~2回ほど、土が乾燥してから3~4日後に水やりをするのが育て方のポイントだ。夏型のサンセベリアやアロエ、カランコエ、アガベ、ユーフォルビアはこのように管理してほしい。
冬型の管理方法
涼しさを好む冬型の多肉植物は5~20℃で管理しよう。春や夏は明るい半日陰に置き、直射日光が当たらないように注意する。秋は屋外の日向で管理して、気温が10度以下になれば室内に移動させよう。
夏は断水気味で育てて、11~4月は土の表面が乾いたときに水やりをする。冬は冷える時間帯を避け、晴れた日の午前中に水やりをしてほしい。ちなみに、アルギロデルマ、リトープス、オトンナ、コノフィツム、プレイオスピロス、アエオニウムなどが冬型の多肉植物だ。
4. 多肉植物の育て方 | 植え替え編

多肉植物の植え替えは育て方の基本。植え替えに適した時期と詳しい手順を紹介しよう。
多肉植物の植え替え時期
多肉植物が育つと鉢が根でいっぱいになるため、根詰まりが発生しやすい。水はけが悪くなり病気などのリスクも高くなるため、定期的に植え替えしよう。底から根が飛び出していたり、下葉が枯れていたりするのがサインだ。
このようなサインがなくても、1~2年に1回は植え替えたほうがよいだろう。気温が高い夏や寒い冬を避けて、植え替えをするのが育て方のポイント。種類によって適した時期は異なるが、生育期の前がおすすめのタイミングだ。
多肉植物の植え替え手順
5. 多肉植物の育て方 | 増やし方編

多肉植物の増やし方は「株分け」「葉挿し」「挿し木」の3つだ。それぞれの方法を紹介するので、育て方とあわせてチェックしておこう。
株分け
親株の周りに子株が発生する多肉植物に適した増やし方。根がついた子株を切り離して、他の鉢に植え替える。地下茎が伸びるタイプの多肉植物は地下茎に子株ができるので、鉢から抜いてから切り取ってほしい。
葉挿し
多肉植物の葉を土に挿して発根させる。潤いがある小さな葉を選ぶのがポイントだ。葉の付け根が土に触れるように置いたら、根が出るまで待つだけ。発根するまで水やりは控えておこう。
挿し木
茎をカットして土に挿す増やし方だ。茎の下部に葉がついている場合は取り除き、あとは日陰で3~4日ほど切り口を乾かしたあと、土に挿して発根するのを待つ。挿してから2~3週間ほどは水やりを控えるのが育て方のポイントだ。
6. 多肉植物の育て方で注意すべき病害虫

多肉植物を育てるとき注意したいのが病害虫だ。育て方とあわせてチェックして、十分に対策をしてほしい。
ハダニ
多肉植物から栄養を吸収して弱らせる。気温が高く乾燥していると、ハダニが発生しやすいので注意。水に弱いため葉水などで対策ができる。
アブラムシ
アブラムシは春に多く発生する害虫だ。吸汁して多肉植物を弱らせ、さらに肛門から出す透明な液はアリを呼び寄せる。見つけたらすぐに駆除することが重要だ。
カイガラムシ
吸汁により多肉植物を弱らせる、病気の原因になるなどの被害が発生する。成虫は硬いカラに覆われており殺虫剤が効きにくい。ピンセットなどで1匹ずつ除去しよう。
コナカイガラムシ
白くフワフワとした見た目が特徴の害虫だ。幼虫は殺虫剤で駆除して、殺虫剤が効きにくい成虫はピンセットや粘着テープで取り除く。
ナメクジ
粘液が付着したり食害が発生したりする。活動するのは主に夜なので昼間は見つけにくい。湿度が高い4~6月や9~10月に発生しやすいので、見つけたら殺虫剤で駆除しよう。
ネジラミ
乾燥している土の根に発生しやすい。根に発生するため見落としがちだが、繁殖力が強いので注意が必要だ。生育が悪かったり、枯れ込んだりしているようなら、鉢から引き抜いて確認してほしい。
軟腐病
湿度が高い梅雨に発生しやすい病気だ。葉や茎、土の際が変色しているときは軟腐病を疑おう。かかったときは他の株に移るまえに土ごと処分する。苦土石灰粉を使って予防しよう。
うどんこ病
葉に白いカビに似た粉が付着して生育を阻害する。初夏や秋ごろに発生しやすいので注意。予防として薬剤を散布しておくのが、育て方のポイントだ。
根腐病
高温多湿の環境や休眠期の水やりが主な原因になる。風通しのよい場所に置き、水のやりすぎに注意しつつ休眠期には断水しよう。腐った根や変色した根をカットして植え替えることで、回復する可能性がある。
黒班病
梅雨や夏場など高温多湿の時期に発生しやすい。名前の通り黒い斑点が発生するのが特徴だ。黒班病が原因で枯れるケースは少ないが、症状の出た葉は治らないので新しい葉が生えてくるのを待とう。
結論
多肉植物の正しい育て方を覚えておけば元気に育てられる。まずは多肉植物の種類をチェック。「春秋型」「夏型」「冬型」に分かれるので、それぞれの育て方を確認することが重要だ。植え替えや増やし方、病害虫の対策も紹介したので参考にしよう。お気に入りの多肉植物を見つけて、ぜひ自分の手で育ててほしい。