1. カウンターキッチンとは?
カウンターキッチンは、カウンターがキッチンとダイニングの間にあって、仕切りと作業台の役割を兼ねている。対面式タイプの場合には、キッチンで調理をしながら、ダイニングにいる家族とのコミュニケーションもできるのがメリットだ。
また、キッチンからダイニングへの料理の受け渡し、後片付けのための食器の受け渡しもできるので便利だ。いろいろな使い方ができるカウンターキッチンだが、リビングやキッチンのレイアウトや家族のニーズに合わせたタイプを選ぶことが大切だ。
2. カウンターキッチンの種類や特徴
カウンターキッチンにはいろいろな種類がある。その特徴をつかんで使いやすいカウンターキッチンやレイアウトを選ぶようにしよう。
I型キッチン
最もオーソドックスなキッチンだ。シンクからコンロまで直線的にレイアウトされており、その前にカウンターキッチンが取り付けられている。キッチンに立てば、ダイニングやリビングが見渡せるので、料理を作りながらテレビや家族の様子を見ることができるというメリットがある。
また、キッチンまわりの洗剤や調理器具などの小物をカウンターで隠せるので、ダイニングやリビングから見るとスッキリとした印象のキッチンになる。
L型キッチン
その名の通り、コンロからシンクまでL型になっているキッチンだ。I型に比べると、作業スペースが広く、移動もしやすいレイアウトになっている。
ただし、斜めから見るとキッチンの中が見えてしまうことやコーナー部分がデッドスペースになること、そして冷蔵庫を近くに置きにくいことなど、レイアウト上の問題点もあらかじめ理解しておこう。
アイランドキッチン
キッチンが壁に接することなく独立しているので、まるで学校の調理室のようなレイアウトだ。キッチンのまわりを自由に移動でき、ダイニング側からはカウンターとして使える。
ただし、アイランドキッチンを導入するには、広いスペースが必須だ。さらに、キッチンが丸見えとなるので、整理整頓に気を遣うかもしれない。
ペニンシュラキッチン
アイランドキッチンが完全に独立型だったのに対して、ペニンシュラキッチンは、半分が独立、半分が壁に面している。壁側にコンロをレイアウトするため、油跳ねや汚れが気にならない。
アイランドキッチンに比べて動きの制限は出るものの、それほど広いスペースを使う必要がないため、導入しやすいキッチンのタイプだ。
二列型キッチン
キッチン空間を挟んで前と後ろにI型キッチンが並ぶレイアウトだ。振り返るだけでシンクとコンロが使い分けできるので、あまり動き回らなくても効率よく調理できるのがメリットだ。
3. カウンターキッチンのレイアウト実例
キッチンスペースは、それぞれの家によって広さも形もまちまちだ。キッチンスペースに合わせたカウンターキッチンのレイアウト例を紹介しよう。
スペースが狭い場合
キッチンスペースが狭い場合は、デッドスペースをできるだけ作らず有効利用する必要がある。システムキッチンを組み合わせることで、スッキリとした収納が実現できるだろう。カウンターキッチンに沿ってL字型のテーブルをセットすることで、ダイニングスペースとして有効利用できる。
スペースが広い場合
キッチンスペースが広い場合には、アイランドキッチンが最適だ。キッチンのまわりに広くスペースがとれるので圧迫感もなく、何よりもキッチンまわりを自由に動き回れるので使い勝手がいい。
さらに、カウンターキッチンに椅子を置けば、テーブルとしても活用できる。みんなで料理を作りながら、食事をするという楽しみもある。カウンターキッチンがコミュニケーションの場となるレイアウトだ。
リビングが縦長の場合
リビングが縦長の場合には、I型キッチンがおすすめだ。縦長のリビングと平行になるようにレイアウトする。カウンターキッチン側には収納スペースを設置したり食事のできるカウンターにしたりすることで、全体のスペースを有効利用できる。
リビングが横長の場合
リビングが横長の場合には、L型キッチンがおすすめだ。キッチンから廊下、玄関、ダイニングテーブルへとすぐに移動できるような動線を確保すれば、動きもスムーズになる。カウンターキッチンにすることで、食事のスペースを作ることも可能だ。
リビングが正方形の場合
リビングが正方形の場合には二列型キッチンがおすすめだ。あえて2つのキャビネットをずらしたレイアウトで、オシャレな雰囲気のキッチンにレイアウト。ダイニングテーブルとシンクキャビネットを横に並べることで料理の配膳効率をアップできる。
4. カウンターキッチンのレイアウトの注意点
カウンターキッチンをレイアウトするときには、注意しておきたいポイントがいくつかある。
収納スペース
収納が足りないと、調理器具や食器、調味料が散らかって使い勝手の悪いキッチンになってしまう。カウンターキッチンをスッキリ見せるためには吊戸棚をなくすことだが、全体の収納量をしっかりと確保することが大切だ。
リビングからの視線
カウンターキッチンをレイアウトするときには、リビング側からの見え方も大切だ。子どもがいる家庭では、どうしても食器や小物が多くなり、シンクまわりに生活感が出てしまう。そこで、高めのカウンターを設置してリビング側からキッチンを見えないようにしてしまえば、全体的にオシャレなLDKになる。
家事動線
カウンターキッチンにすると、対面レイアウトとなるため動線が回り込むことになる。ダイニングテーブルやリビングへの動線はしっかり確認しておきたい。動線が長くなると配膳の効率が悪くなってしまうので、家事動線をシミュレーションしてテーブルの配置などを考えよう。
テレビ配線やコンセントの位置
とくに賃貸住宅の場合には、テレビ配線やコンセントの位置は決まっている。そのためテレビのレイアウトはおのずと決まってくる。テレビの位置が決まるとキッチンテーブルやソファーの位置も決まってくる。カウンターキッチンのレイアウトは配膳動線と深く関係するため、テレビ配線やコンセント、さらにはネット配線の位置を念頭に置くことが大切だ。
結論
カウンターキッチンは、「I型」「L型」「アイランド型」「ペニンシュラ型」「二列型」がある。それぞれの特徴があるので、部屋の大きさや形に合ったカウンターキッチンを選ぶようにしよう。カウンターキッチンをレイアウトするときには、収納スペース、動線、コンセントの位置などを確認することが大切だ。使いやすいカウンターキッチンを目指そう。