- 1. 1.オリーブとは?
- 2. 2.オリーブの基本的な育て方
- 3. 3.オリーブの育て方 | 土作り編
- 4. 4.オリーブの育て方 | 植え付け編
- 5. 5.オリーブの育て方 | 水・肥料編
- 6. 6.オリーブの育て方 | 剪定編
- 7. 7.オリーブの育て方 | 摘果編
- 8. 8.オリーブの育て方 | 増やし方編
- 9. 9.オリーブの育て方 | 病害虫編
- マンザニロ(開樹型):樹高が低めで収穫しやすい。塩漬けやピクルスに向いている。
- ネバディロブランコ(開樹型):花粉がとても多く受粉樹に適している。
- ルッカ(開樹型):含油率が高いオイル用品種。病気に強く初心者でも育てやすい。
- ミッション(直立型):耐寒性があり育てやすい。オイルとピクルスの兼用品種。
- セビラノ(開樹型):果実がとても大きいが種は小さい。塩漬けにおすすめ。
- チプレッシーノ(直立型):オイルとピクルスの兼用品種。コンパクトにまとまるので狭い場所でも育てやすい。
- ピクアル(開樹型):病気にかかりにくく生育力が強い。オイルの含有量が多く自家受粉でも実を付ける。
1. オリーブとは?
オリーブとは、銀葉が特徴の常緑高木だ。光沢のある美しい葉や可愛い花を楽しむことができ、実が収穫できるのが特徴。この実を加工すると、オリーブオイルやピクルスになる。
オリーブの品種
オリーブの品種は枝が横に広がる「開樹型」と上に伸びる「直立型」に分かれる。実の大きさや量、葉の色、葉の形なども品種によって違うので、特徴を比較してから選んでほしい。
2. オリーブの基本的な育て方
オリーブは温暖な気候を好むので、日当たりがよく暖かい場所で育てる。耐寒性はあるが、高冷地や寒冷地の場合は地植えに適していない。鉢植えで育てるようにして、冬は室内に移動させよう。
室内で育てるときは日光が入る窓の近くに置く。冬は窓から寒さが伝わりやすいため、窓から少し遠ざけるのが育て方のポイントだ。ただし、花や果実を付けるためには適度な寒さが必要なので、1月の平均気温が10度以下になる環境で管理してほしい。
3. オリーブの育て方 | 土作り編
土作りはオリーブの育て方の基本だ。鉢植えと地植えに分けて、正しい土作りの方法を解説しよう。
鉢植えの土作り
オリーブを鉢植えで育てる場合は、市販の「オリーブ用の土」を使用する。ないときは「果樹・花木用の土」に「苦土石灰(10号の鉢で30gほど)」を加えた土で代用が可能だ。「野菜用の土」と「鹿沼土小粒」を7:3でブレンドしてもいい。
地植えの土作り
水はけのいい土壌に地植えするとよく育つ。植え付けの2週間ほど前に直径と深さが50cmの穴を掘って、「掘った土」「腐葉土」「赤玉土小粒」を5:2:3の割合で混ぜる。さらに苦土石灰を加え、pHを6.5?7.0に調整しておくのが土作りのポイントだ。
4. オリーブの育て方 | 植え付け編
土作りが終わったらオリーブを植え付ける。鉢植えと地植えの植え付け方法を紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。
鉢植えの植え付け
苗木の根鉢より一回りほど大きな鉢を用意しよう。植え付ける時期は2~5月くらいを目安にする。苗をポットから抜いたら、根鉢の角と根を崩す。鉢底石や鉢底ネット、用土を入れてオリーブを植え付けよう。苗木の周りに用土を加えたら支柱を立てて麻ひもで軽く縛り、最後に水をたっぷりあげて終わりだ。
地植えの植え付け
鉢植えと同じく2~5月が植え付け時期になる。植え穴を軽く掘って、根を崩したオリーブの苗を植えよう。根の周りに用土を入れたら、倒れないように支柱を立てて麻ひもで縛る。浅植えにするのが育て方のポイントだ。植え付けのあとはたっぷりと水やりをする。なお、植え付けの直後は苗の周りに5~10cmの土手を作っておけば、水が染み込みやすい。
5. オリーブの育て方 | 水・肥料編
オリーブを丈夫に育てるためには、水や肥料のやり方が重要だ。 育て方の基本としてマスターしておこう。
水の与え方
土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをする。乾燥した地域が原産の植物なので、水のやりすぎには注意が必要。一方で乾燥しすぎでも成長が阻害されるため、水を切らさないようにするのが育て方のポイントだ。
肥料の与え方
4~9月は2週間に1回ほど液体肥料を与えよう。葉が黄色っぽく変色したら栄養不足のサインだ。固形肥料を使用する場合は、オリーブから少し離れた場所に1~2ヶ月に1回くらいの頻度で置いてほしい。
6. オリーブの育て方 | 剪定編
オリーブには定期的な剪定が必要になる。育て方の基本として、剪定の正しい時期と方法を確認しておきたい。
剪定の時期
多くの枝を切り詰める「強剪定」の時期は1~3月ごろだ。不要な枝の剪定は気になったときに行う。また、新しく伸びた枝先1~2芽を摘み取る「ソフトピンチ」をすれば、枝の数が増えて実が付きやすくなる。こちらは4~6月くらいに摘み取ろう。
剪定のやり方
切ったあとの形をイメージして剪定しよう。全体のバランスをチェックしながら、枝や葉が混み合わないように不要な枝を剪定するのが、育て方のポイントだ。枯れている枝や同じ場所から複数出ている枝、下向きの枝はカットする。株元から出てくる「ひこばえ」も、地際から剪定してほしい。
7. オリーブの育て方 | 摘果編
オリーブに実を付けさせるコツ
オリーブは基本的に自家受粉ができないため、違う品種を2本以上植える必要がある。片方に「ネバディロブランコ」など花粉量が多い品種を選ぶと、実が付きやすい。
また、開花時に雨が当たると花粉が落ちてしまい、実が付きにくくなる。鉢植えなら軒下や室内に移動するといいだろう。乾いた絵筆とコップで花粉を採取して、人工受粉をするのもおすすめだ。
収穫の目安
オリーブの実は成熟するにつれて、緑から赤、さらに青紫に変化する。ピクルスや塩漬けにするなら9月、オイルを絞るなら12月ごろを収穫の目安にしてほしい。また、7~8月くらいに摘果して間引くことで、実の品質が向上する。1果房に1果、1果につき葉が8枚になるように間引きしよう。
8. オリーブの育て方 | 増やし方編
オリーブは挿し木で増やすことが可能だ。適した時期は6~7月、もしくは2月くらいになる。まずは新しく伸びた枝の先を10~15cmほどカットして、切口を斜めに整えよう。葉を4~5枚ほど残して取り除いたら挿し穂が完成だ。
水はけのよい土に挿し穂を挿したら、しっかりと水やりをする。日向土とパーライトを1:1で混ぜた土がおすすめだ。あとはポリシートで密封して日陰で管理しよう。1週間に1回ほど水やりをすれば、1ヶ月くらいで小苗になる。
9. オリーブの育て方 | 病害虫編
オリーブを元気に育てるために、病害虫対策をしておこう。育て方の基礎知識として、代表的な病害虫について解説する。
オリーブの病気
オリーブは炭疽(たんそ)病にかかりやすい。原因はカビなので、高温多湿の梅雨はとくに注意が必要だ。かかると褐色の斑点が広がるため、悪い部分は早めに取り除いて殺菌剤を散布する。落ちた実も放置せずにすぐ捨てよう。適度に剪定して風通しをよくしたり、水はけをよくしたりすることで予防ができる。
オリーブの害虫
「マイマイガ」「オリーブアナアキゾウムシ」「ハマキムシ」などの害虫が発生する。放置するとオリーブに悪影響なので、見つけたらすぐに駆除しよう。フンがある、葉が巻かれている、元気がないなどの異常があれば、全体をチェックしてほしい。駆除には対応する殺虫剤を活用するのがおすすめだ。
結論
オリーブの美しい葉や実を楽しむために、基本的な育て方を覚えておきたい。まずは品種別の特徴をチェック。実を収穫するためには、2つの品種を一緒に育てて受粉させる必要がある。あとは土作りや植え付け、水やりなど、育て方の基本をチェックして上手に育てよう。増やし方や病害虫対策も紹介したので、こちらもぜひ参考にしてほしい。