目次
- 1. キッチンパントリーとは?特徴や役割を解説
- 2. キッチンパントリーのメリットとデメリット
- 3. キッチンパントリーを使いやすくするコツ
- 4. キッチンパントリーの収納アイデア
- 5. キッチンパントリーの新設やリフォーム費用の相場
- 6. キッチンパントリーは用途やライフスタイルに合わせて考えよう
1. キッチンパントリーとは?特徴や役割を解説

そもそもキッチンパントリーとは、どのような役割を持つスペースなのだろうか。
食品などを貯蔵する収納庫のこと
パントリーとは、ホテルなどの食品をストックしておくスペースのことを指す言葉だった。食品だけでなく、使う頻度が低い食器や調理器具なども置ける「収納庫」の役割を持つ。日本の住宅でキッチンパントリーというスペースが意識され始めたのはつい最近のことだが、欧米ではずいぶん前からキッチンパントリーは利用されている。
間取りやレイアウトなどはさまざま
一口にキッチンパントリーといっても、間取りやレイアウトはさまざまだ。一般的なキッチンパントリーは、ウォークインタイプが多い。必要な広さとしては1~2帖程度。人が通るスペースを確保しなくてはならない。
キッチンの背面に設置するタイプのキッチンパントリーもある。振り向くだけで必要なものが取れることやキッチンパントリーのためのスペースを確保する必要もない。扉を付けない場合には、どこに何があるかわかりやすいが、リビングからキッチンパントリーが見えてしまう場合には、扉を設置すると見た目がスッキリする。
2. キッチンパントリーのメリットとデメリット

キッチンパントリーを設置するかどうかを決める前に、メリット・デメリットを確認しておこう。
キッチンパントリーのメリット
キッチンスペースを広く使える
キッチンパントリーを設置することで広い収納場所が確保できるので、そのぶんキッチンスペースを広く使える。キッチンと勝手口、玄関の間に設置すれば、ゴミ出しや買い物をしたあとの仮置き場としても便利だ。
キッチンがスッキリして見える
キッチンだけの収納力では、とてもまかないきれない。そのようなときにキッチンパントリーがあれば、食器や調理器具、食品ストックなどを収納できる。いままで収納場所がなくて、出しっぱなしだったものがなくなり、スッキリとして生活感を抑えたキッチンになるだろう。
ストックできる食品の量が増える
特売で、日持ちしそうなものをたくさん買い込むという方も多いだろう。また、地震などの自然災害に備えて非常食や水を確保しておきたいという方もいるだろう。そのようなときにキッチンパントリーがあると便利だ。
キッチンパントリーのデメリット
それなりのスペースが必要
キッチンパントリーを設置するためには、それなりのスペースがなければならない。キッチンパントリー内で動けるスペースがなかったり、キッチンでの動線を邪魔する位置にあったりすると、かえって使いにくくなってしまう。
使い勝手や掃除のしやすさなどをよく考える必要がある
キッチンパントリーを設置するだけのスペースを確保したとしても、使い勝手がよくなければストレスがたまるばかりだ。たとえば、横幅が狭くて奥行きがあるキッチンパントリーでは、奥のものが取り出しにくい。動線を考えたキッチンパントリーにしないと作業効率が悪くなり掃除もしにくくなってしまう。
3. キッチンパントリーを使いやすくするコツ

キッチンパントリーのメリットを十分感じるられるようにするためには、いくつかの使いやすくするコツがある。キッチンパントリーを設置する前に事前にチェックしておこう。
動線を考えたデザインにする
使いやすいキッチンパントリーにするためには、キッチンでの動線を考え、さらにどのようなときにキッチンパントリーを使うのかをイメージすることが大切だ。
たとえばキッチン全体が狭い場合には、キッチンパントリーの扉を開き戸ではなく引き戸にすれば、開閉時のスペースを取らずに済む。また、キッチンパントリーの間口が狭くて奥行きがある場合、奥のものが取り出しやすいように引き出しタイプにするなど、使い勝手のよいデザインを選ぶことが大切だ。
棚を可動式にする
キッチンパントリーの棚は、可動式にしておくと使いやすい。キッチンパントリーに収納するものは、食品だけでなく調理器具やシーズンアイテムなどさまざまだ。大きさや高さも違ってくるので、棚を可動式にすることで高さ調整が自由にできて、より多くのものが収納可能となる。
スペースによってはカウンターや机、回転棚などを設置する
キッチンパントリーを広めに設置できるのであれば、カウンターや机、回転棚などを設置しよう。カウンターや机があれば、ものを収納するだけでなく整理整頓などの作業もできる。
回転棚は、多くのものが収納できるだけでなく、回転させることで奥にあるものもすぐに取り出すことができるので便利だ。
換気窓や換気扇、照明やコンセントなどを設置する
キッチンパントリー内は、食品の臭いや湿気がこもりやすい。換気窓や換気扇を設置することで、通気性をよくし、カビや臭いを防止できる。また、キッチンパントリー内が暗いと、収納したものを探すときに大変だ。パントリー内を照らす照明や明り取りの窓を設置することが必要となる。
コンセントも、充電用にもっと設置しておけばよかったと後悔することが多い。キッチンパントリー内で家電を使うことも想定して、多めに設置しておこう。
4. キッチンパントリーの収納アイデア

キッチンパントリーを効率的に使うため、収納にも工夫をしたい。キッチンパントリーならではの収納アイデアを紹介しよう。
食品の収納は「先入れ先出し」が基本
キッチンパントリーに食品を収納するときには「先入れ先出し」を基本とする。手前から賞味期限の早いものを並べておき、奥に賞味期限が先のものを入れておけば、賞味期限切れで無駄にしてしまうことも少なくなる。
引き出し付きの収納ケースを活用する
奥行きのあるキッチンパントリーは、どうしても奥のものが取り出しにくく、さらに何があるのかを把握しにくい傾向がある。キッチンパントリーの奥行きが45cm以上あるときには、奥のものが取り出しやすい引き出し収納ケースを活用して、引き出しの奥まで管理できるようにしておこう。
収納アイテムを統一してデッドスペースをなくす
より収納力をアップさせるためには、デッドスペースをなくすことだ。たとえば収納アイテムの形状を統一させることで、デッドスペースは最小限にできる。形状がバラバラでは、容器と容器の間に隙間ができてしまうが、形状や大きさを統一すれば隙間をなくし、さらにスタッキングも可能になる。
5. キッチンパントリーの新設やリフォーム費用の相場

キッチンパントリーの便利さはよく理解できたけれど、設置するのにどれくらいの費用がかかるのか気になるところだ。
費用は広さや扉の有無、付帯設備などによって変わる
キッチンパントリーの設置費用は、広さやデザイン、付帯設備などによって大きく変わってくる。たとえば、扉がないタイプや空いているスペースに単に可動棚を設置する程度のリフォーム工事なら5万円前後の費用でできるだろう。ウォークインタイプのキッチンパントリーを設置する場合の予算は、10~50万円位と考えておこう。付帯設備の費用も考えておく必要がある。たとえば照明やコンセントの設置などだ。
このようにキッチンパントリーを設置する費用は、広さや中の設備などによってかなり違ってくるので、工務店とよく話し合って進めることをおすすめする。
6. キッチンパントリーは用途やライフスタイルに合わせて考えよう

キッチンは、食品や調理器具、食器などあらゆるものが集中的に集まる場所だ。システムキッチンであっても、その収納キャパシティーは限界がある。そのようなときにキッチンパントリーがあれば、大助かりだ。
キッチンパントリーの使い方はいろいろだ。普段使わないものや食品のストック、洗剤やキッチン用品の買い置きなどの収納。さらにシーズンアイテムの収納にもピッタリだ。また植物好きな方は、冬越えにキッチンパントリーを使うという活用方法もある。
便利なキッチンパントリーだが、ライフスタイルによってはわざわざ設置する必要がないケースもある。たとえば家族が少なく、常温での食品のストックはほとんどしないという場合には、キッチンパントリーの出番は少なくなりそうだ。
このように、キッチンパントリーは、用途やライフスタイルを十分考えてから設置を決めるようにしよう。
結論
キッチンパントリーとは、食品などを貯蔵する収納庫のことだ。キッチンスペースが広く使えて、ストックできる量も増えるというメリットもあるが、スペースの確保や費用などのデメリットも忘れてはならない。動線や使い勝手を考えたうえで、効率的で使いやすいキッチンパントリーにしよう。