目次
- 苗または種
- プランター
- 鉢底石
- ネット
- 支柱
- 土
- 肥料
- プランターを準備する(庭に地植えしてもよい)
- 鉢底網を敷き、軽石を高さ2cmほど敷き詰める
- 肥料を混ぜた土(培養土)をプランターの8分目まで入れる
- 上から押さえつける、またはプランターをゆすって土を少し固める
- プランターの土を掘って苗を植え付ける
- 指や割り箸で土を突き刺しながら苗を固定する
- 苗とプランターの土の高さが同じになるよう土をかぶせる
- たっぷりと水をやる
- プランターの縁から窓の上や天井までネットを設置する
1. グリーンカーテンとは?

グリーンカーテンとは、窓の外や家の外壁に張ったネットにツル性の植物を這わせたもの。グリーンカーテンではなく「緑のカーテン」と呼ばれることもあり、その名の通り植物で作るカーテンのことである。日差しを遮るほか、さまざまな効果があることで注目されているグリーンカーテン。次はその効果を紹介していこう。
2. グリーンカーテンの効果

グリーンカーテンには、通常の布のカーテンやブラインドにはない効果がある。植物の特性を生かした効果があるのだ。
直射日光を遮断
植物の葉が直射日光を遮り窓の外に影を作るため、室温の上昇を抑えてくれる。一般的なカーテンにも同じ効果があるものの、カーテンは窓との隙間に熱がたまってしまう。一方でグリーンカーテンは日差しの熱エネルギーを80%カットする効果がある。すだれの遮蔽率が50~60%、高性能の遮蔽ガラスで約50%であることからも、グリーンカーテンの遮蔽率がいかに優れているかがわかるだろう。(※1)
輻射熱を抑制
表面温度が高いものからは、輻射熱が発せられる。建物の壁や屋根、地面に強い日差しが当たると表面温度が上昇し、輻射熱によりさらに温度が上がるのだ。都市部で輻射熱や冷房の排熱によるヒートアイランド現象が問題となっているのは、多くの方がご存知だろう。建物の壁に熱を蓄積させないグリーンカーテンには、輻射熱を抑制してヒートアイランド現象を緩和させる効果もあるのだ。
周囲の温度を下げる
植物の蒸散作用には、周囲の温度を下げる効果がある。蒸散作用とは、植物が根から水を吸い上げて、葉の裏から水蒸気を出す作用のこと。水は蒸発する際に必要な熱を周囲から奪う。
温室効果ガスの削減
二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化が問題になっている昨今。火力発電の割合が高い日本においては、グリーンカーテンの普及で冷房の使用量を減らすことで電気使用量が減少する。ひいては温室効果ガス削減につながり、地球温暖化の防止にも役立つのだ。
3. グリーンカーテンの作り方

グリーンカーテンを設置したいが、用意するものや作り方がわからない方も多いはずだ。ここではグリーンカーテン作りに必要なものや設置場所の決め方、植え付けの時期などをポイントごとにチェックしていこう。
必要なもの
設置場所の決め方
グリーンカーテンが効果を発揮するよう、直射日光が当たる場所に設置する。主に南向きの窓や庭に面した窓に設置するケースが多いが、出入りすることを考えた家事動線の確保も大切だ。グリーンカーテンは家の窓より高くなるよう設置するため、台風の際なども安全に設置できる場所かどうかも注意したい。また、成長した植物が敷地からはみ出ると、近隣の住宅とのトラブルにもなりかねない。近隣住宅との間隔も考慮しよう。
植え付け時期
植え付け時期はグリーンカーテンに使う植物や地域によって少し異なるが、基本的には5月頃に行う。3~4月はまだ冷え込む日もあり、寒さで苗が弱る可能性がある。一方で植え付けが遅すぎると植物の成長が間に合わず、暑さに耐えられないおそれがあるため注意しよう。植え付けるのは炎天下の日を避け、気温が上がりきっていない朝の10時頃までに済ませよう。
作り方の手順
4. グリーンカーテンにおすすめの植物

グリーンカーテンには、ツル性の植物が適している。その中でもグリーンカーテンにおすすめの植物を紹介しよう。
朝顔
日本アサガオはツルの伸びがゆっくりで葉があまり密ではないため、ほかのツル性の植物と併せてグリーンカーテンにするとよい。朝顔単体でグリーンカーテンにするのであれば、沖縄生まれの生命力あふれる朝顔、オーシャンブルーがおすすめだ。オーシャンブルーは葉が大きく密に茂り、ツルの伸びも早い。
ゴーヤ
ゴーヤはグリーンカーテンの代表格。病害虫が付きにくいうえ、肥料や農薬もあまりいらない。水と暑さで成長し、大きな葉が密に茂ってくれる。葉が大きく薄いため、日光を遮り風通しもよい。夏には何度もゴーヤの収穫を楽しめる。
ヒョウタン
シルエットが特徴的なヒョウタン。昔は中身をくりぬいて水筒として使われていたが、飾って楽しむのもよいだろう。ヒョウタンの中でも、実が小さい千成ヒョウタンがおすすめだ。
トケイソウ
放射状に広がる花びらの上に、細いヒゲのような花びらが広がるトケイソウ。見た目はまるで時計のようである。耐寒性が高く、キレイな花が楽しめるグリーンカーテンになるだろう。
フウセンカズラ
ネットや支柱に巻きひげを絡ませて成長するフウセンカズラ。夏には緑がかった白い花が咲き、その後は紙風船のようにふんわりとした実を付ける。実や種の収穫も楽しめる植物だ。
キュウリ
夏野菜の代表格であるキュウリなら、収穫が楽しみになるグリーンカーテンができるだろう。ただし、暑さには強いが病気になりやすいため注意が必要だ。8月にキュウリのグリーンカーテンを作るのであれば、5月上旬から中旬に植え付けを行おう。
ツルムラサキ
熱帯原産の野菜であるツルムラサキ。ビタミンやミネラルを豊富に含み、夏の家庭菜園におすすめの植物だ。乾燥には強いが、敷ワラなどで乾燥を防止するとさらによく成長する。
結論
室温の上昇を抑えるほか、環境にもやさしいグリーンカーテン。暑い夏には、爽やかな見た目で清涼感も与えてくれる。外壁に張ったネットにツル性の植物を這わせることで作れるため、ぜひご家庭の窓際に取り入れてみてはいかがだろう。グリーンカーテンの作り方については、ぜひ当記事を参考にしてほしい。
(参考文献)
※1出典:環境省「グリーンカーテンの涼しさのヒミツ | グリーンカーテンプロジェクト」