1. 血圧計の種類 | 測定方法編
血圧計は種類によって測定方法が異なる。まずは測定方法によって分類し、電子血圧計・アネロイド型血圧計・水銀式血圧計の3種類を紹介しよう。
電子血圧計
スイッチを入れると加圧や減圧が自動的に行われ、血圧を測定できるタイプ。操作が簡単で誰でも使いやすいのがメリットだ。そのため、この種類は血圧計の中でもっとも主流で、病院などでも広く使われている。また、電子血圧計は、測定部位によって上腕型・手首型などの種類に分けられる。
アネロイド型血圧計
アネロイド型は医療用の血圧計だ。ポンプを手動で押して圧力をかけることで、アナログ式血圧計の文字盤を読み取って測定する。軽量かつコンパクトなため、医者などが往診時に使うケースが多い。
水銀式血圧計
水銀式血圧計では、腕帯に腕を入れて圧力がかかるとガラス管の中の水銀が押し上がる。ガラス管の目盛りを読み取るだけでなく、聴診器で血管音を聞きながら圧力を計測するのが特徴だ。血管音が聞こえ始めたときの値を最高血圧、聞こえなくなったときの値を最低血圧とする。しかし、水銀式は人体へのリスクもあり新規生産されておらず、医療現場から消えつつある。
2. 血圧計の種類 | 測定部位編
もっともメジャーな種類である電子血圧計は、測定部位や使用方法によって上腕型カフ式・上腕型アームイン式・手首型に分けられる。これら3種類の特徴は以下の通りだ。
上腕型カフ式
二の腕にカフを巻きつけて計測するタイプで、電子血圧計の中ではもっとも多く使われている。自然な姿勢で計測できるのがメリットだが、測るたびにカフを巻きつける手間が生じる。自宅で使う場合は、カフが厚く立体構造になったタイプが扱いやすい。看護学生が使い方を覚えるのに使うなら、カフが薄いもののほうが手頃でおすすめだ。
上腕型アームイン式
血圧計の穴の中に二の腕を通して血圧を測るタイプ。腕を通すだけで簡単に計測できるが、測定時に前かがみになるため正しい姿勢を保ちにくく、正しい結果が出ないことも多い。測定時に座る椅子の高さと血圧計の位置を調節する必要がある。
手首型
小型の血圧計とカフが一体化しており、手首に巻いて使うタイプ。この種類は価格が安く、気軽に使えるのがメリットだ。一方、心臓に近い高さで測定しないと正確な結果が出にくく、腕の曲げ方によって誤差が生じやすい。
3. 血圧計の種類 | メーカー編
血圧計の種類は、オムロン・テルモ・シチズンなどのメーカーによっても多種多様だ。ここではメーカーごとの血圧計の特徴を解説する。
オムロン
血圧計のグローバルシェアNo.1を誇るオムロンの血圧計は、腕の太さ、姿勢、呼吸の状態など、個人の特性に合わせた測定技術が特徴。巻きやすさを追求したカフや、スマホにデータを転送できる機能も魅力的だ。
テルモ
テルモの血圧計は、医療機器メーカーならではの機能が満載。毎日測定することを考えて操作方法がわかりやすい設計になっている。また、正確に測定できるよう、カフの巻き状態を知らせる機能や、正常に測定できたかわかる機能もある。血圧分類の基準値と比較できる機能もうれしい。
シチズン
シチズンの血圧計は、画面が大きく、誰でも見やすくわかりやすい表示がポイント。簡単に巻くことができるカフをはじめ、ダイヤル式のカフ、手首にはめるだけで測定できる「カプッとカフ」など、カフの種類がとくに豊富だ。
パナソニック
パナソニックの血圧計は、大きな液晶と文字でくっきり見えるのが特徴。上腕型と手首型を展開しており、いずれの種類もコンパクトで持ち運びやすい。中には2人分の血圧を記録できるモデルもあり、夫婦で使うのにも向いている。
タニタ
タニタの血圧計は装着が簡単で、初心者にも使いやすい。腕にはさんで巻きつけるだけの「クリップアームカフ」を採用しているほか、測定結果を自動で保存できる。室温が低いと血圧が上がることから、モデルによっては室温が低すぎると測定を停止する機能もある。
日本精密測器
医療用の血圧計を展開する日本精密測器の製品は、精度が高いのが魅力的。スマホにデータを送れる上位モデルや、複雑な操作が苦手な方向けのシンプルなモデルなど、種類も豊富だ。
A&D
計測機器メーカーであるA&Dからは、Bluetoothを内蔵した血圧計が販売されている。測定後に血圧を自動でスマホに送信し、簡単に記録を管理できる。血圧計とカフをつなぐホースのないモデルもあるなど、種類もさまざまだ。
4. 血圧計の正しい使い方
血圧を正確に測るため、血圧計の正しい使い方を覚えておこう。あわせて、1日に測る回数や測定のタイミングも紹介する。
血圧の測り方
血圧測定時は背筋を伸ばし、カフが心臓と同じ高さになるように位置を調整しよう。手の平は上に向け、測定中は静かにすることが大切だ。
血圧は1日の中でも変動しやすいので、正しく測るためにも測定する時間帯を決めよう。毎回同じ腕で測る、計測前にトイレは済ませておく、食事前に計測するなどのコツも押さえておきたい。
血圧測定の回数やタイミング
血圧は1日に2回測るのが理想だ。血圧は時間帯によっても変わるため、できれば朝と夜の2回測り、自分の血圧がいつ上がるのかなどの傾向を知っておくとよいだろう。リラックスしながら測ることも重要で、1~2分ほどゆっくり座ったあとに計測するのが望ましい。食後や入浴後は血圧が変動しやすいので、これらのタイミングは避けたほうがよい。
結論
血圧は健康のバロメーターともいえる数値だ。紹介した種類の中から自分にぴったりな血圧計を選び、毎日の健康チェックに役立ててほしい。正しい使い方や計測のコツも押さえ、自分の血圧を毎日把握し、数値はもちろん傾向もつかんでおこう。