目次
1. 毛布の役割は保温効果

毛布の基本的な役割は保温することだ。毛布に保温機能があるのは、毛足の長い起毛のおかげだ。ここに空気を抱え込むことによって、毛布と体の間に暖かい空気の層が生まれる。この空気の層によって、体温を逃がさずに寝ている間も暖かさをキープするのだ。
2. 毛布の正しい使い方

毛布の効果を最大限に生かすには、ほかの寝具との関係性が重要になる。自分が現在、どのような寝具を使っているかで毛布を敷く順番が変わってくる。毛布の正しい使い方を紹介しよう。
掛け布団が羽毛布団の場合
掛け布団に羽毛布団を使っている場合、毛布の正しい使い方は「敷く」ことだ。羽毛布団は毛布よりも保温性が高い。そのため体と羽毛布団の間に毛布を挟んでしまうと、せっかくの保温性が毛布によって妨げられてしまう。
とくに敷き布団が薄い場合には、上からの冷気よりも下からの冷気によって寒さを感じることが多い。いわゆる「底冷え」というものだが、毛布を敷くことによって底冷えを防ぐことができる。
掛け布団が吸湿発熱素材の場合
最近注目されている「吸湿発熱素材」の掛け布団。汗などの水蒸気に反応して、発熱するという新素材で作られている。夜寝ている間にコップ1杯の汗をかくといわれているので、かなり効果が期待できそうだ。
吸湿発熱素材の掛け布団との間に毛布を敷いてしまうと、せっかくの機能が十分発揮されないことになる。掛け布団は体に密着させるように掛けて、毛布は敷くようにすると保温効果がアップする。
掛け布団が綿布団の場合
掛け布団が綿布団の場合、吸湿性はあるが、毛布に比べて保温性は劣る。そのため掛け布団と体の間に毛布を敷くほうが保温性が保てる。
それでも寒い日の場合
とても寒い日には、さらなる毛布の使い方で暖かさをキープしよう。たとえば羽毛布団の上に毛布を広げて、熱が逃げないように「ふた」をしてしまうという方法もある。毛布は軽いので、羽毛布団の上にかぶせてもダウンがつぶれてしまうということもない。本来の保温性を保ちつつ、さらに保温性をアップすることができる。
また、肩口や背中、足元などの冷えが気になって眠れないときには、体の下にもう1枚毛布を敷く。体をサンドイッチのようにして2枚の毛布で体を挟むことで、熱の放出を抑え、冷気が入りにくくなる。
3. 毛布の使い方の注意点

日常的に使い慣れている毛布だが、正しい使い方をしているだろうか。間違った使い方をしてしまうと、せっかく毛布を使っても効果が感じられなくなってしまうかもしれない。
裏表があることを理解する
毛布には裏表があることをご存じだろうか。「柄があるほうが表」「タグがあるほうが表」など、裏表をご存じの方も多い。しかし、裏表の使い方となると、ほとんどの方が間違えているかもしれない。
毛布の表は、毛足が長く手触りがいい。一方、裏側は毛足が短く、ゴワゴワしている。これは製造過程で、裏側のほうが長くローラーに押し付けられているからだ。
毛足が長い表のほうが、暖かい空気をためやすく保温効果が高い。そのため、体に直接毛布を掛ける場合には、表を体に密着させるほうがいい。つまり、裏表で使うということだ。毛布を敷く使い方でも、表面を体に密着させるように表を上にして敷く。
掛け布団の上に毛布を掛ける場合には、表を上にして裏を掛け布団に密着させると、裏側のゴワゴワが掛け布団と毛布のズレを防いでくれる。
掛け布団に重ねる毛布は軽いものにする
掛け布団の上に重みのある毛布を掛けてしまうと、掛け布団がつぶれてしまう可能性がある。つぶれてしまうと掛け布団の中の空気層も一緒につぶれてしまって、保温性が低くなってしまう。掛け布団の上に毛布を掛ける場合には、軽いものを選ぶようにしよう。
素材の組み合わせに注意する
「防寒対策のために毛布を引っ張り出したけれど、途中で暑くて寝苦しくなった」という経験はないだろうか。実は、毛布とほかの寝具との組み合わせが関係している可能性がある。
たとえば、化学繊維の毛布とポリエステル70%以上の布団カバーの組み合わせだ。両方とも、ほとんど吸水性・吸湿性がない素材なので、布団の中が蒸れて暑く感じてしまう。睡眠中の布団の中は、温度だけでなく湿度も適度にしないと寝苦しくなってしまうので、素材の組み合わせにも注意が必要だ。
結論
毛布の正しい使い方によって、保温性を高め、睡眠環境をよくできる。羽毛掛け布団や吸湿発熱素材など保温性の高い寝具では、掛け布団と体の間に毛布は挟まない。保温性の低い綿布団の場合は、体の間に毛布を挟むなど、掛け布団の素材によって毛布の位置を変える。正しい使い方で、毛布の役割を最大限に生かすようにしよう。