目次
1. 星の名前には意味や由来がある

いろいろある星の名前には、それぞれの国の言葉や神話、歴史などに関連した由来がある。また同じ名前でも、和名ではまた異なった意味を表すこともあるのだ。和名もあわせて理解しておくと、天体だけでなく民俗学の歴史にも触れられ、新たな気付きを得られるだろう。
2. 星の名前一覧

こちらでは、よく知られる星の名前の由来や和名、漢字表記などについて一覧で解説しよう。
オリオン座
オリオン座は、和楽器の鼓の形を印象付けたため鼓星と和名ではよばれている。
スピカ
スピカは、おとめ座の中で最も明るい星だ。和名は、星の輝きが純白なため、真珠星と名付けられた。この和名が周知されたのは、海軍航空隊から太平洋戦争の末期に依頼があったためだといわれている。
ベテルギウス
ベテルギウスは、オリオン座の中で赤く光る恒星であり、冬の大三角を作る1つだ。古い書物から、大分方面でよばれていた平家星という呼び名が和名となっている。
リゲル
リゲルは、オリオン座の中の1等星であり、ベテルギウスよりも白く明るく輝く星だ。和名は、平家星に対して源氏星とよばれる。地域によって呼び方が異なったため、天文民俗学者が古い文献を元に統一させたといわれている。
アルタイル
アルタイルは、わし座の中の明るい星の1つだ。和名は、七夕伝説の夫婦星の1つとして知られ、牽牛星や彦星とよばれている。
シリウス
シリウスは、大犬座の中で1番明るい星であり、地球との距離が近いため、太陽を除いた全天の中で最も明るい恒星だ。その輝きの強さから、焼き焦がす・輝くという意味をもつ古代ギリシャ語のセイリオスが星の名前の由来といわれている。和名では、大星や青星とよばれる。
ベガ
ベガは、夏の大三角の中の1つで、こと座の中で最も明るい星である。日本での星の名前は、七夕伝説のおりひめ星として知られている。
アークトゥルス
アークトゥルスは、うしかい座の中で最も明るい星だ。梅雨の時期に明るく見えるため、日本ではこの星の名前は主に、五月雨星とよばれる。
ポルックス
ふたご座の1等星で東側にあり、オレンジ色に輝く巨星だ。古代ギリシャ神話にて、不死の体を持つとされる弟のポルックスであり、兄のカストルよりも少し明るい。
カペラ
カペラは、御者座の中で1番明るく黄色く輝く星だ。ラテン語の雌の仔山羊が由来といわれている。和名は、カンビンホシであり、漁師がこの星が昇ると漁を止めて帰宅し、カンビン(かん徳利)でお酒を飲めることから、そう呼んだことに由来するといわれる。地域がこの星の方角に見えるため、能登星(のとぼし)や佐渡星(さどぼし)という星の名前もある。
カストル
ふたご座の2等星で西側にあり、青白く輝く星だ。古代ギリシャ神話では、戦場で命を落としたポルックスの兄とされる。
デネブ
デネブは、白鳥座の尾の部分に位置し、白鳥座で1番明るい星だ。めんどりの尾という意味のアラビア語「アル・ダナブ・アル・ダジャジャー」が由来である。古代ギリシャ神話では、大神ゼウスが白鳥に姿を変えてスパルタ王の王妃であるレダに会いに行ったとされる。日本でのこの星の名前は、十文字星や七夕の後に輝きが際立つようになるため、七夕の後星ともよばれる。
アンタレス
アンタレスは、さそり座で1番明るく、赤く輝くため、和名では赤星とよばれる。古代ギリシャ神話にて、赤い輝きを競うように火星が近づいたといわれることが星の名前の由来になっている。
カノープス
カノープスは、りゅうこつ座の中で最も明るく、全天も2番目に明るい星だ。ギリシャの水先案内人の名前がこの星の名前の由来といわれている。
ポラリス
ポラリスは、北極星のことであり、和名はこころ星または北辰とよばれる。年中同じ位置に輝くように見えるため「北を示す星」として、古くから珍重されていた。
アルコル
アルコルは、おおぐま座の中の4等星の星だ。和名では添え星とよばれ、中国語で星座を意味する「輔星」が和訳されたことが星の名前の由来となっている。寿命星ともよばれ、この星が見えなくなれば、年内に寿命を迎えるという古い言い伝えが由来とされる。
プロキオン
プロキオンは、オリオンの犬であるこいぬ座の黄色の2重星だ。こいぬ座には、他に目立つ星がないため、こいぬ座は星の名前であるプロキオンとよばれることもある。
アルデバラン
アルデバランは、おうし座の顔を構成するオレンジ色の巨星だ。この星の名前の由来は、おうし座のプレアデス星団の後に出てくることから、アラビア語で「後に続くもの」という言葉からきている。和名でも後星とされる。
結論
今回は星の名前について、意味や由来、和名についても詳しく解説した。特に、和名は地域によっても異なる呼び方があるため、それぞれの地域での呼び方を調べてみるのもよいだろう。ぜひ、当記事を参考に星の名前の意味や由来も理解して、知識を深めるのに役立ててほしい。