目次
1. お箸の基本マナー

内閣府の調査によると、「お箸の持ち方」という問いに対して正しい持ち方を選択した小中学生は、56.6%だという。そして、小学生の親では74.9%。4人に1人がお箸の正しい持ち方を知らないという結果が出た。
お箸の持ち方は、食事のマナーとして子どもにしっかりと伝えていきたいものだ。ここでは、改めてお箸の持ち方、取り方について勉強してみよう。
お箸の正しい持ち方
お箸のマナーは、お箸を正しく持つことから始まる。これができていないと、食べている姿も美しくない。
まず、お箸を持つ位置は、箸先から3分の2くらいのところを目安にする。そして上のお箸は鉛筆のように持つ。下のお箸は中指と薬指の間に入れて固定。この状態で下のお箸は動かさず、上のお箸だけ上下に動かす。お箸の先を広げたりすぼめたりすることで、大きくても小さくても、上手に箸先でつまむことができる。
お箸の取り方
お箸を取るときは、右手でお箸を取って、左手で受け取る。そして右手で正しい持ち方にしてから食事を始めるのがマナーとされている。
いきなりお箸を両手ではさんで「いただきます」と拝むようにする方をよく見かける。しかし、このお箸の取り方は「拝み箸」といわれ、マナー違反とされているから注意しよう。
2. お箸のNGマナー一覧 | 持ち方

お箸の持ち方にもいくつかルールがある。知らずにいると「恥」をかいてしまうかもしれない。
握り箸
2本のお箸をスプーンのように握って使うのが握り箸だ。小さな子どもがまだ上手にお箸を使えないときなどによくみられるシーン。当然大人になったら、やってはいけない。
持ち箸
お箸を持ったまま食器も同時に持つこと。お味噌汁などを飲むときに、ついやってしまう方も多いのではないだろうか。お箸をきちんと置いてから食器を持つようにしよう。
受け箸
お箸をもったまま、おかわりをすること。
落とし箸
食事の最中に、お箸を落としてしまうのもマナー違反だ。
3. お箸のNGマナー一覧 | 食べ方

食べている最中に間違ったお箸の使い方をしていると、一緒に食事をしている方を不愉快にさせてしまうケースもあるので、十分注意したい。
重ね箸
ひとつの料理ばかり立て続けにお箸をつけること。好きなお料理が出ると、ついつい続けて食べたくなるが、同席する方や作り手を不愉快な気持ちにさせてしまうこともあるのでマナー違反となる。
ねぶり箸
ねぶるというのは「なめる」「しゃぶる」という意味だ。箸の先をペロペロとなめたり、口にくわえたりする方がいるが、癖になっているのかもしれない。同席している方が不快に感じやすいマナー違反といえる。
押し込み箸
口に入れた食べ物をさらに奥へと押し込むこと。落ち着きがないようにも見え、がっついて見えるため、まわりを落ち着かなくさせてしまう。NGマナーだ。
かきこみ箸
お茶碗の端に口をつけて、お箸でかき込んで食べるのはマナー違反だ。押し込み箸と同じように、がっついているようで下品な印象をまわりに与えてしまう。
涙箸
食べ物を挟んで持ち上げるとき、お箸の先からポタポタと汁が落ちるのが涙箸だ。テーブルや洋服が汚れてしまう可能性もあるので、器を持ち上げて食べるか、取り皿を使って汁を落とさないようにするのがマナーだ。
4. お箸のNGマナー一覧 | 置き方

お箸の置き方のマナーも注意が必要だ。置き方によっては縁起が悪いと周囲を不愉快にしてしまうこともある。
渡し箸
食器のフチに「橋」のように置くこと。箸置きがある場合には、必ず箸置きに置くようにしよう。もし、箸置きがなければ箸袋の上に置く。箸置きがなくて困ったということがないように、家で食事を振舞う場合は、箸置きの用意を忘れずに。
立て箸
お茶碗に盛ったご飯にお箸を突き立てること。同じようにする「仏箸」という習慣がある。これは亡くなった方に向けてお供えするもので、立て箸は葬儀をイメージするので、絶対にやってはいけないマナー違反だ。
5. お箸のNGマナー一覧 | 使い方

お箸の使い方のマナーでは、とくに普段やってしまっていることも多い。もう一度食事中のお箸の使い方を見直してみよう。
寄せ箸
お箸を使って、器ごと自分の方に引き寄せること。必ず、お箸を置いてから手で器を引き寄せるようにしよう。
箸渡し
同席の方と箸から箸へ食べ物のやり取りをすること。これは、葬儀の「骨上げ」のときに行われる作法と同じだ。葬儀をイメージさせるためマナー違反とされている。
振り上げ箸
箸を持ったままで、ものや人を箸で指したり、振り上げたりすること。箸で指された方は、不愉快に思うかもしれず、マナー違反とされる。
迷い箸
美味しそうな料理が並んでいれば、どれにしようかなと迷ってしまう。しかし、持ち上げた箸で料理の間を行ったり来たりさせる迷い箸はマナー違反だ。見た目にもよろしくないし、ほかの方が箸を出しにくくなる。料理に手を出す前に、食べるものを決めておこう。
移り箸
いったん箸をつけたのに心変わりして戻し、ほかの料理に箸をつけること。いったん箸をつけたものは「あっちの方がいいかな」と思っても、必ず食べ終えてから次の料理に移ることだ。
結論
お箸は、私たちの日常に欠かせないツールだ。何気なく使っているお箸には持ち方、取り方、食べ方、置き方、使い方にマナーがあることを知っておこう。これは、すべてまわりにいる方達への気遣いにつながる。自信がない場合は、もう一度自分のお箸の使い方を振り返ってみよう。