目次
1. 絵画の種類 | 技法

絵画は技法によって種類が分かれる。代表的な技法の種類を6つ紹介しよう。
日本画
伝統的な日本の技法や色彩、モチーフを取り入れた絵画の総称だ。紙や木、漆喰、絹といった素材が使用される。鉱石鉱物を砕いて溶いた岩絵具で描かれるのが一般的だが、貝殻を砕いた胡粉(ごふん)や染料を用いることもある。
洋画
西洋の様式で描かれる絵画のこと。日本画と区別するための言葉で、さらに明治期以前のものは洋風画と呼ぶことが多い。主に油絵のことを指すが、パステル画や水彩画、ペン画、鉛筆画、銅版画といった種類の絵画も含まれる。
油絵
油絵具を使用して、木枠に麻や綿を貼ったキャンパスや紙、金属板などに描く。油絵具とは岩石から作られる顔料を植物油で練ったもので、豊富な色彩が魅力。薄塗りや厚塗り、ぼかしなど表現の種類も多様だ。
水彩
絵具を水で溶かしながら描くのが特徴。透明水彩絵具(ウォーターカラー)と、不透明水彩絵具(ガッシュ)の2種類に分かれる。絵具と水の分量によって多彩な表現が可能で、重ねたりにじませたりしながら描く。
水墨画
墨の濃淡や強弱で表現する絵画だ。基本的な技法は、淡墨の上に濃墨を入れる破墨(はぼく)と、墨をそそいで一気に形を表す溌墨(はつぼく)の2種類だ。墨一色が基本だが、それに淡彩を加えることもある。
版画
細工をした版面に、インクや絵具を塗って紙に刷るのが版画だ。木版画やセリグラフ、石版画、銅版画、ジクレーなど、使用する版の素材や技法によって複数の種類に分かれる。
2. 絵画の種類 | 画派

画派(絵画の流派)の種類を一覧でまとめた。種類別に基礎知識と代表的な画家を解説する。
印象派
19世紀後半にフランスで起こった芸術運動の流派。光線の効果を重要視しており、印象を大胆に描いている。モネやドガ、シスレー、ピサロ、セザンヌ、ルノアール、ゴッホが代表的な印象派の画家だ。
写実主義
現実のありのままを模範して再現する流派だ。ロマン主義への反動として、19世紀中頃にフランスで広まった。写実主義の代表的な画家には、クールベやミレー、ドーミエがあげられる。
ロマン主義
古典主義への反発により、ヨーロッパに流行した芸術的な思想をロマン主義という。個性や自由な表現、情緒、想像力を尊重。神秘や自然との一体感を表現する。代表的な画家はジェリコーやドラクロアだ。
新古典主義
18世紀後半から19世紀にかけて続いた美術運動。古代ギリシアやローマの古典的様式を見直して、基礎として取り入れているのが特徴だ。代表的な画家にはダヴィッドやアングル、ジェラール、グロがあげられる。
3. 絵画の種類 | 対象

何を描いているのかによっても、絵画の種類は分けられる。対象の種類とそれぞれの特徴を7つ紹介しよう。
風景画
自然や建築物、都市など、目に映る風景をそのまま主題にした絵画だ。
静物画
切り花や果実、器具のような単体では動かない静物を描く。
肖像画
特定の人物をモデルに描いた絵画だ。自分自身を描く自画像も肖像画の一種。理想化や戯画化(ぎがか)など、さらに作風の種類が分かれる。
博物画
博物画では生きている植物や動物を描く。切り花や動物の死骸を描く場合、分類は静物画だ。
歴史画
歴史上の出来事を描くのが歴史画だ。神話や伝説を題材にした絵画もこれに含まれる。
宗教画
宗教上の目的で描かれた絵画を宗教画という。宗教に関連した人物や伝説、神話が主な題材だ。
風俗画
風俗画では庶民の日常生活を描いている。教訓や風刺、寓意(ぐうい)などの意味を含んだ風俗画も多い。
結論
絵画の種類はさまざまで、それぞれ印象がまったく異なる。基本的な知識をマスターしておけば、鑑賞したことがある絵画も違った視点で楽しめるだろう。選ぶときや美術館を訪れるときは、ぜひ絵画の種類に注目してほしい。お気に入りの絵画を見つけるために、好みの傾向をチェックしてみてはいかがだろうか。