目次
1. ユーカリとはどんな植物なのか?

ユーカリは、オーストラリア、タスマニア、ニュージーランドと南半球を中心に自生する植物だ。そんなユーカリには、どのような特徴があるのだろうか。
常緑高木のひとつ
ユーカリとひとくちにいっても、その種類は500から1,000もあるといわれている。コアラの主食はユーカリだが、ユーカリのなかでも限られた数種類のみしか食べない。ユーカリの葉は「銀葉(ぎんよう)」と呼ばれるように、シルバーがかったグリーンだ。種類によっては、葉や枝、花や実にレモンやミントの香りを持つユーカリもある。
ユーカリの花言葉
ユーカリが自生するオーストラリアでは、雨が少なく、さらに空気が乾燥しているという特徴がある。そのため、山火事が起こりやすい。山火事で木々が焼かれた跡地でも、ユーカリの種は芽を出し成長していくことから「再生」という花言葉が生まれた。そのほかにも新生、思い出、記憶、慰め、追憶といった花言葉を持つ。
ユーカリの葉には毒がある?
よくユーカリの葉には毒があるといわれる。原住民であるアボリジニは、傷の消毒やかゆみ止め、発熱治療などにユーカリの葉を使ってきた。このようにユーカリの葉には、薬となる部分もあるが「青酸配糖体」という毒の成分も含んでいる。外用するだけなら問題はないが、間違って飲み込んだりすると食当たりを起こす危険性がある。
2. ユーカリの木の種類

ユーカリの木の種類はたくさんある。そのなかでも、日本で人気の種類を紹介しよう。
ユーカリポポラス
ユーカリポポラスの特徴は、葉にある。その形状は丸みを帯び、葉によってはまるでハートのようにも見える。かわいらしい葉に魅せられて購入する方も多い。別名「マルバユーカリ」とも呼ばれており、生育は穏やかだ。
ユーカリグニー
ユーカリグニーは、小さめの銀色の葉、樹形が美しいことから観葉植物として人気が高い。根が浅いので、鉢植えでも育てやすい。また、ユーカリは乾燥気候を好むが、ユーカリグニーは多湿にも比較的強い。日本の気候でも育てやすい種類のユーカリだ。
ユーカリシトリオドラ
日本で人気のユーカリのひとつだ。葉を揉むことによってレモンのような香りがするので「レモンユーカリ」とも呼ばれている。ユーカリシトリオドラの香りには防虫効果やデオドラント効果も期待できるため、アロマの精油や入浴剤などにも使われる。
3. ユーカリの育て方のポイント

ユーカリの原産地は南半球だが、日本でも育て方のポイントを押さえておけば意外と簡単に育てることができる。
日当たりと用土
ユーカリは、もともと乾燥地帯に自生する植物なので、日当たりがよく風通しのよい場所を好む。水はけのよい用土を使用するようにしよう。
水やりと肥料
水やりは、土の表面が乾いたら株元の地面に向かって与える。鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えよう。ただし、ユーカリは乾燥気味を好む。過湿は嫌うのであまり頻繁に水やりをするのは控えた方がいいだろう。また、ユーカリはそれほど肥料を欲しがる植物ではない。肥料は、生育期の4月下旬~8月に緩効性肥料を与えれば十分だろう。
剪定
ユーカリは、生育が早い植物で、枝葉をグングンと伸ばして大きくなろうとする。とくに室内で鑑賞用とするユーカリは、バランスの取れた樹形が大切なので、剪定は必須だ。内側に伸びている枝、伸びすぎている枝、下向きに伸びている枝など、全体のバランスを崩している枝を見つけて剪定しよう。
摘心
ユーカリの樹形を整えるためには、摘心も必要だ。摘心とは成長している枝を摘み取ることで、それ以上伸びなくするための作業だ。また、摘心をすることで、そこから脇に芽を出して横に広がっていくため、好みのサイズや樹形に仕立てることができる。
増やし方(挿し木)
ユーカリは挿し木で増やすことができる。挿し木に適した時期は6~7月で、その年に伸びた若木を10cmほど切り取って挿し木にする。切り取った挿し木は水に1時間ほど浸しておこう。鉢に培養土を入れたら水で十分湿らせておき、そこに挿し木を植える。発芽するまでは、直射日光の当たらない半日陰に置いておき、芽が出たら日当たりのよい場所で管理するとよい。
結論
ユーカリは南半球に自生する常緑高木で、500~1,000種類もある。乾燥地帯に自生するため、植える環境は日当たりや風通しがよく、水はけのよい場所を好む。ユーカリはポイントを押さえておけば、比較的初心者でも上手に育てることができる。ぜひ庭やベランダ、インテリアのひとつとして取り入れて、楽しんではいかがだろうか。