目次
1. 無垢材とは?

そもそも無垢材とは、天然木から切り出した1枚の板を加工して作った木材を指す。フローリングには無垢材のほかに合板と呼ばれるものがあるが、これは薄くスライスした木をいくつも接着して加工している点で異なる。
無垢材の特徴
無垢材は木から1枚の板を切り出しているため、木そのものの自然な質感が特徴だ。温かみのある風合いで、天然素材にこだわったナチュラルテイストの家を作りたい方に向いている。また、無垢材には調湿作用や断熱性があり、室内の湿度を安定させやすい、冬でも足の裏がひんやりしにくいなどのメリットもある。
一方で温度や湿度の変化に弱く、反りや膨張・収縮が起きやすいのがデメリットだ。人工的に作っていて頑丈な合板に比べ、傷つきやすく汚れが染みやすい面もある。
2. 無垢材フローリングの手入れは大変?

無垢材フローリングの手入れは大変と思われがちだが、実は手入れ自体は合板フローリングよりも簡単といえる。さらに汚れがついた場合は、自分でも補修できるのが便利だ。
無垢材の手入れが簡単な理由
手入れが簡単なのは、天然オイルで塗装を仕上げた無垢材だ。なぜなら、無垢材の自然に油分を補給する性質を活かしているため。フローリングを歩くと人の足裏の皮脂が付着するので、生活の中で自然にオイルを吸収して表面の潤いを保てる。天然オイル塗装の無垢材は夏場でもベタつきにくく、日頃から水拭きなどの手入れをしなくてもOKなのだ。
3. 無垢材フローリングの手入れ方法

ここからは無垢材フローリングの手入れ方法を見ていこう。無垢材フローリングの仕上げには天然オイルを使う方法のほか、ウレタン塗料を使う方法がある。それぞれの日々の手入れと、大掃除の際など定期的な手入れのやり方を紹介する。
ウレタン塗装の場合
日々の手入れ
ウレタン系の塗料で塗装した無垢材は、乾いた雑巾で表面を拭いて手入れするとよい。板の隙間に細かいゴミが挟まった場合は掃除機で吸うか、つまようじなどで取り出そう。
定期的な手入れ
大掃除などの際には固く絞った雑巾で手入れしよう。汚れがある場合は、固くしぼった雑巾に中性洗剤を薄めた液をつけ、拭き掃除するとよい。ウレタン塗装の無垢材にはワックスをかける必要はない。ツヤ出しなどのためにどうしてもかけたいときは、無垢材に使えるワックスを選び、厚塗りにならないよう注意しながらかけよう。
オイル塗装の場合
日々の手入れ
天然オイルで塗装した無垢材の手入れは、乾いた雑巾で拭く方法が一般的だ。板の隙間に細かいゴミが挟まった場合は、掃除機やつまようじなどで除去する。
定期的な手入れ
天然オイルで塗装したタイプは生活の中で自然と油分を補給するため、とくに手入れをしなくてよい。気になる場合は、大掃除の際などにワックスクリーナーを使って手入れしよう。ワックスクリーナーは、古い塗膜を除去して汚れを落としながら新しい塗膜を作れるもので、汚れ落としとワックスがけをまとめて行える。
4. 無垢材フローリングの補修方法

無垢材フローリングに水や油をこぼしてシミができた、ものを落として傷がついたなどの場合は、自分で補修できることもある。よくあるトラブルとその補修方法を紹介するので、お困りの方はトライしてみてほしい。
水をこぼした場合
無垢材フローリングに水をこぼした場合は、すぐに水気を拭き取るようにしよう。そのまま放置すると無垢材に水が染み込み、頑固なシミになったりカビが発生したりするおそれがある。
水シミができた場合
無垢材に水シミができてしまったら、固く絞った不織布のスポンジでこすり、乾いた雑巾で拭き掃除する。フローリングが乾いたらオイルを塗るとキレイに仕上がるだろう。
黒シミができた場合
皮脂汚れによる黒いシミができた場合は、酢を使って掃除できる。酢を染み込ませた雑巾で拭くか、シミの上に酢をスプレーして乾拭きするのがおすすめだ。
油シミができた場合
料理をこぼして無垢材に油のシミができた場合は、せっけんを使ってキレイにしよう。雑巾でせっけんを泡立て、シミをこすってみてほしい。なかなか落ちない場合は、スポンジにせっけんをつけてこするのも効果的だ。
へこみや傷ができた場合
ものを落としたなどでフローリングにへこみや傷ができた場合、杉やパインなどの柔らかい無垢材であれば自分で補修できる。木には水分を吸収すると膨らむ性質があるので、気になる箇所に固く絞ったタオルを置き、2~3時間放置しよう。タオルの上からアイロンを当ててもよい。
結論
無垢材のフローリングは手入れが大変そうなイメージがあるが、天然オイルで塗装したタイプであれば日頃からオイルを吸収するため、メンテナンスが簡単だ。ウレタン塗装の場合でもワックスがけは必要ないのがうれしい。手入れが気になって無垢材を敬遠していた方は、この機会に無垢材フローリングも検討してみてはいかがだろうか。