目次
- 右手で箸を取り上げる
- 左手を下から添えてから一旦左手で箸を持つ
- 右手を箸の頭(箸先と逆)に滑らせて、持ち直す
1. お箸の間違った置き方

お箸の持ち方を厳しく躾けられたという方も、お箸の置き方については意外と無頓着というケースも多いのではないだろうか。実は、お箸の置き方にもルールがある。
縦向きに置かない
お箸の文化は中国伝来のものだ。しかし、現在の中国では横置きから縦置きに変化している。この理由にはいくつかの説があるが、肉を主食とする騎馬民族の影響ではないかと考えられている。肉用のナイフを安全に置くために縦向きにし、箸も同様にしたというのがひとつの説だ。日本では肉食が広まらなかったため、そのまま横向きにする置き方が続いたと考えられる。
さらに、日本では横置きの箸が「結界」という意味合いを持つようになる。食べ物は、命をいただくものという考え方がある。元は自然界にあった命を神聖なものとし、俗な人間界に対して箸の向こう側は神聖な領域と考えられた。このような日本独特の箸への考え方がベースとなって、箸を縦向きに置かないというマナーも生まれた。
箸の置き方で、常に意識しておきたいのが「箸先」だ。箸先とは、食べ物をつまむ部分のことだ。汚れた箸先が、正面に座っている人に対して向けられるのは失礼に当たるので注意しよう。
お椀に置かない
箸置きがないなど、箸を置く場所がないからといってお椀にのせる置き方はマナー違反だ。これは「渡し箸」といって、見た目にも悪いので注意しよう。
2. お箸の正しい置き方や持ち方

ついやってしまいがちな間違った置き方を知ったところで、正しいお箸の置き方を改めて確認しよう。
お箸の正しい置き方
お箸の正しい置き方は、基本的に箸先は左側に向けることだ。箸先を左に向けるということは、右利きの人にとっては自然に箸を取れるポジションだ。一方で左利きの人にとっては、不自然なポジションかもしれない。しかし、まずはマナーとして「箸先は左側」を守ることをおすすめする。
箸置きなしの場合
箸置きがあれば、当然マナーとして箸置きに箸を置くが、ない場合にはどうしたらいいのだろう。その場合は、箸袋で箸置きを作ろう。箸袋を二つ折りにして折り曲げれば、箸置きの代わりになる。
箸袋もない場合
箸袋がない場合は、箸のポジションをどう確保したらいいのだろう。その場合は、お盆のフチを箸置き代わりにする。この場合にも左側のフチを使うようにする。
お盆もないという場合は、紙ナプキンなどを使って箸置きを作るといいだろう。
お箸の正しい持ち方
箸置きから箸を取り上げるときも、美しい所作を心がけたいものだ。箸は3ステップで取るのが美しいとされている。
箸置きに箸を置く場合は、箸先を3㎝ほど箸置きよりも左に出す。これは、口にした箸先を箸置きに触れさせないためのマナーだ。
また、割り箸を割るときに左右に割るのはマナー違反だ。左右に割ると力が入りやすいため、隣に座った人やグラスなどに手がぶつかってしまう危険性がある。割り箸を割るときには上下にゆっくりと割るようにしよう。
3. その他の知っておきたいお箸マナー

日本の文化でもある箸には、長い年月をかけて確立されたマナーがある。一緒に食事をする方に不愉快な思いをさせないための心遣いでもあるので、しっかりと覚えておこう。
すくい箸
すくい箸とは、箸をそろえてスプーンのようにして食べる使い方だ。小さな子どもなら許されても、大人がするとマナー違反になる。箸は、あくまでもつまんでいただくための道具であることを忘れてはいけない。
探り箸
探り箸とは、料理をかき混ぜて取り出すことだ。日本料理は、見た目も大切に盛り付けられている。それを探り箸で崩してしまうのは、マナー違反だ。上から順番に食べるようにしよう。
揃え箸
揃え箸とは、食事中に2本の箸がズレてしまい、それをお皿などの上でトントンと揃えることだ。面倒くさがらず、両手で揃えるようにしよう。
結論
お箸の置き方には縦向きに置かない、お椀に置かないなどのマナーがある。箸置きがない場合でも代わりのものを工夫して、箸の置き場所を作るようにしよう。これも一緒に食事をする方に不快感を与えないための心遣いのひとつだ。そのほかにも知っておきたいお箸のマナーがあるので、一度自分の箸の使い方をチェックしてみてはいかがだろう。