目次
1. 生ひじきはそのまま食べられる?

実は、私たちがスーパーで見る生ひじきは、生ではない。海から収穫された生ひじきは非常に硬く、アクが強いため、とても食べることができないのだ。一度乾燥させたら水で戻し、さらに蒸したり茹でたりといった加熱処理をしてようやく食べることができる。
ヒ素を除去する必要がある
少し驚くかもしれないが、生ひじきには「無機ヒ素」という毒性のある成分が含まれている。ヒ素自体は自然界にあるものだ。きちんとした下処理さえすれば生ひじきのヒ素は除去できるため、健康上の問題はないとされている。
生ひじきに含まれている無機ヒ素は、水に溶けるという性質をもっている。水に30分浸しておくだけで、無機ヒ素は半減する。さらに、生ひじきを茹でこぼした場合には、約9割の無機ヒ素が除去できる。下処理を適切に行えば、決して危険な食材ではない。
市販の生ひじきも下処理が必要
スーパーで売られている市販の生ひじきは、乾燥ひじきを戻したものであることが多く、ヒ素の心配は少ない。とはいえ基本的に、一度茹でてから使うようにしよう。しかし、海辺などで本物の生ひじきが販売されていたら、下処理が必ず必要だ。念の為、購入するときに下処理が必要かどうか確かめておいた方が安心だろう。
2. 生ひじきの下処理方法

ここでは、生ひじきを下処理する方法を紹介しよう。
水で洗う
初めに、水で洗いながら生ひじきの汚れを取ろう。ボウルにたっぷりの水を入れたら、ひじきについた汚れを丁寧に落としていく。傷みがあるひじきは取り除いておこう。そのまま30分程度水に浸しておく。
沸騰させたお湯で茹でる
水に浸した生ひじきをザルにあげたら、沸騰したお湯に入れて再沸騰から5~10分程度茹でよう。生ひじきは熱を加えることで、殺菌と同時にヒ素を除去することができる。茹でたひじきを流水で20秒ほどすすげば、料理に使えるようになる。
3. 生ひじきを使ったおすすめレシピ

生ひじきは、乾燥ひじきに比べて香りや歯ごたえが違う。ぜひ、いろいろなメニューで楽しんでみよう。
生ひじきの煮物
煮物は、ひじきメニューの定番だ。だし汁と醤油・砂糖・みりんを使ってにんじんや油揚げ、こんにゃく、干しシイタケなどお好みの具材と一緒に炊き上げよう。常備しておけば、お弁当のおかずや箸休めの一品となる。
生ひじきのサラダ
生ひじきはフレッシュ感が特徴だ。せっかくならサラダにして食べてみよう。キュウリ、アボカド、トマト、レタス、豆類、根菜類などを食べやすい大きさに切り、下処理した生ヒジキを混ぜ合わせればOK。お好みのドレッシングで楽しもう。
生ひじきの炊き込みご飯
生ひじきを炊き込みご飯にすれば、豊かな磯の香が楽しめる一品になる。醤油や出汁とともににんじんや油揚げなどと一緒に炊き込もう。ツナ缶なども加えれば、子どもたちも喜ぶだろう。おにぎりにしてもいい。
4. 生ひじきの正しい保存方法

下処理した生ひじきは、どれくらい保存できるのだろう。保存方法について紹介しよう。
下処理済みの生ひじきの保存期間
生ひじきの保存期間は、冷蔵保存で2~3日と短い。下処理した生ひじきを冷蔵庫に入れっぱなしにすると、あっという間に傷んでしまう。できるだけ早めに調理をして食べてしまうことだ。
生ひじきの冷凍保存方法
生ひじきは、冷凍保存することも可能だ。下処理した生ひじきをラップに包んで小分けしたら、冷凍用の保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍保存しよう。冷凍保存の場合には、1ヶ月くらい保存が可能になる。
冷凍した生ひじきを使う場合には、冷蔵庫の中で自然解凍しよう。煮物などに使う場合には、凍ったまま鍋に入れてしまってもいい。下処理した生ひじきは、水分が少ないため解凍後のドリップも少なく、ほとんど食感も変わらず美味しくいただける。
結論
生ひじきは下処理が必要だ。汚れを洗い流し、沸騰したお湯で5~10分程度茹で、流水ですすごう。これで雑菌や無機ヒ素を除去することができる。生ひじきを保存する場合は、冷蔵保存で2~3日、冷凍保存で1ヶ月を目安としよう。生ひじきは、乾燥ひじきにはないフレッシュさがある。煮物やサラダなど、いろいろな料理で香りや食感を楽しもう。