目次
1. 退院祝いと快気祝いの違いとは?

病気の回復を祝う言葉として「退院祝い」と「快気祝い」がある。イメージが似ているため、使い方を混同してしまう方もいるが、贈る立場と受け取る立場が全く逆になるので注意が必要だ。
退院祝いは、周囲の方々より贈られる、病気やケガから回復した方へのお祝いだ。逆に快気祝いは、病気から快復した方による、周囲の方々への回復報告とお礼を兼ねた贈り物になる。混同しないようにしっかり意味を理解しておこう。
2. 退院祝いに贈ってはダメなもの

退院したとはいえ、病気やケガで心身ともに弱っている方への心遣いは必要だ。退院祝いで贈ってはダメなものとその理由を解説しよう。
寝具類
寝具類は「病で寝付く」というイメージが伴うため、退院祝いに贈ってはダメなもののひとつとなっている。また、病気やケガが長引くことを連想される方もいるため、縁起が悪いとされている。シーツ、枕、パジャマなどの寝具類は、退院祝いには避けたい品物だ。
鉢植え
贈る方がお花が好きな場合、部屋にお花があれば、少しは気がまぎれるかもしれない。しかし、いくらお花が好きであっても退院祝いでは、鉢植えの花は贈ってはダメなものとなっている。なぜなら、根が付く=「寝付く」をイメージするからだ。
形が残るもの
退院祝いには、形が残るものもダメなものとされている。「病気やケガが残る」ことを連想してしまうからだ。病気やケガが完治しても、贈り物を見るたびに思い出すといったことは避けたいものだ。
金券
入院中には何かとお金がかかっただろうと心配する方も多いかもしれない。しかし金券やギフト券といったハッキリと金額がわかるものは、退院祝いに贈ってはダメなもののひとつだ。なぜなら、相手の懐具合を心配しているように受け止められ、失礼に当たると考えられているからだ。
一般的に縁起が悪いもの
日本では、語呂合わせを大切にする文化がある。退院祝いだけでなく、お祝い事でダメなものがいくつかあるので覚えておこう。代表的な贈り物は「櫛」「白いハンカチ」「刃物」だ。櫛は「苦」「死」を連想させるため、白いハンカチは亡くなった方の顔にかけることを連想させるため、刃物は「縁を切る」に通じるためだ。
3. 退院祝いにおすすめの贈りもの

退院祝いにはいくつかダメなものもあるが、ではどのようなものを贈ったらいいのだろうか。
洗剤や石鹸
洗剤や石鹸は「病気や厄災を洗い流す」とされ、縁起のいい退院祝いとして人気だ。さらに誰がもらっても必ず使うものでもあり、しかも消耗品で消えてなくなる点でも最適といえる。
食べ物
退院祝いでは「病を消してあとに残さない」という縁起を担ぐために、消え物が選ばれる。そして、消え物としてよく選ばれるのがお菓子などの食べ物だ。ただし、病気によっては食事制限をしている方もいるので、事前にご家族に確認したほうがいいだろう。
鉢植えではない花
鉢植えの花は「寝付く」をイメージするので、退院祝いにダメなものだ。しかし、切り花は退院祝いとしてはOKだ。切り花はやがて枯れるため「病気を枯らす」につながるからだ。ただし、弔事に使われる花や色味が弔事を思わせる花は避けた方がいい。
カタログギフト
贈る相手の好みがよくわからないという場合に重宝するのがカタログギフトだ。贈る相手や予算に合わせて選ぶことができるので、あれこれと悩まずに済む。また、インターネットで簡単に注文できるので便利だ。
4. 退院祝いに関する知っておくべきマナー

退院祝いを贈るときにもいくつかのマナーがあるので、注意しよう。
退院祝いを贈るタイミング
退院祝いを贈るタイミングで悩む方も多いだろう。退院後、しばらくは養生することが大切なため、退院当日などは避け、相手にあまり負担をかけないタイミングが望ましい。退院後1週間から1ヶ月くらいの間に贈るといいだろう。
退院祝いの相場
退院祝いには、どれくらいの予算を組めばいいのだろう。高すぎても相手の負担になってしまうので、相場を覚えておこう。友人や職場の同僚などでは3,000円~5,000円、家族・親族では5,000円~1万円が目安だ。
熨斗(のし)の書き方
退院祝いに添える熨斗の書き方に悩む方もいるだろう。表書きには「祝御退院」「祝御全快」「祈御全快」などがある。祝御退院は、相手の状態にかかわらず贈ることができる表書きだ。祝御全快は、退院してから療養や通院する必要がなく日常生活を送ることができる場合、祈御全快は、退院してもまだしばらくは自宅療養が必要な場合と、使い分けるといいだろう。
結論
退院祝いで贈ってはダメなものは、語呂合わせで死・苦を感じさせるものや長期療養を思わせるものだ。寝具、鉢植え、形が残るものなどは贈ってはダメなものとして覚えておこう。逆に贈っていいものは洗剤、食べ物、切り花など、あとに残らないものがいいとされている。最近では、贈る相手が好きなものをチョイスできるカタログギフトも人気があるようだ。