目次
1. 再利用できる乾燥剤かどうかは中身次第

乾燥剤は3種類に分けられる。再利用できない乾燥剤もあるので、事前にチェックしておこう。
シリカゲル
食品や医薬品、カメラなどに使われる乾燥剤だ。表面に無数の穴が空いており、空気中の湿気を吸着して乾燥させる。シリカゲルが吸収した水分は加熱すると蒸発するので、再利用が可能だ。
石灰
お菓子やお煎餅、海苔などに使われている。水分を取り込んで化学反応を起こすことで乾燥させる仕組みだ。湿気を吸収すると元に戻らないので、乾燥剤としての再利用はできない。水と混ぜると発熱するため取り扱いに注意しよう。
脱酸素剤
袋の中にある酸素を吸収して食品の劣化を抑える乾燥剤だ。パウンドケーキのようなしっとりとした食品や化粧品、衣料品、寝具に使われる。寿命は長いが、入っていた食品の賞味期限が過ぎたあとは再利用ができない。
2. 使用後の乾燥剤(シリカゲル)を復活させる方法

シリカゲルの乾燥剤は、乾燥させることで再利用が可能だ。復活させる方法と、効果を持続させるためのポイントを確認しておこう。
天日干しをする
天気がよく湿気が少ない日を選んで、シリカゲルを天日干ししてみよう。乾燥するまで時間はかかるが、加熱する方法と違って焦げる心配がない。夕方になると湿度が高くなるので、14~15時までには取り込もう。
電子レンジで加熱する
短時間でシリカゲルを復活させたいなら、電子レンジがおすすめだ。シリカゲルを耐熱容器に入れてから、解凍モードで加熱するとよい。焦げないように様子を見つつ、数分ずつ温めるのがポイントだ。量が多いとムラができるので1袋ずつ温めよう。
フライパンで炒る
シリカゲルを袋から取り出したら、フライパンや鍋で炒って復活させる方法もある。焦げないように弱火でゆっくりと加熱してから粗熱を取ろう。ただし、テフロンなど表面が加工してあるフライパンや鍋を使用すると、加工が剥がれる恐れがある。油が残っていれば変色してしまうので、キレイに洗ったものを使用してほしい。
乾燥剤を復活させたら「密閉」する
湿気を吸ってピンク色になるタイプのシリカゲルは、乾燥させると青色に戻る。復活した乾燥剤はそのままだと空気中の湿気を吸うので、保存方法には注意が必要だ。再利用するときまで密封容器に入れて管理しよう。
3. 乾燥剤の再利用アイデア

乾燥剤の再利用アイデアをシリカゲルと石灰に分けて解説する。どれも簡単な方法なので、ぜひ試してみてほしい。
シリカゲルの再利用方法
精密機器や楽器の収納ケースに入れる除湿剤として
カメラや天体望遠鏡といった精密機器や、木管楽器や弦楽器などの楽器は湿気に弱いので乾燥剤で対策したい。収納ケースの隅に入れておけば、湿気によるトラブルを防げる。
水濡れしてしまったスマートフォンなどの乾燥に
乾燥剤の中に水濡れしたスマートフォンを入れてみよう。乾燥剤で水気を除去することで、もしかしたら故障を防げるかもしれない。
衣類や靴箱、粉類やクローゼットの除湿剤として
衣類や靴箱、粉ものの除湿に再利用するアイデアだ。乾燥させることで湿気やカビを予防できる。塩やコーヒー、茶葉、海苔、乾麺などさまざまな食品に使用できるが、砂糖に入れると固くなるので注意しよう。
4. 乾燥剤を再利用するにあたっての注意点

乾燥剤を再利用する場合は、注意点を確認しておきたい。トラブルを防ぐためにも、あらかじめチェックしておくことが大事だ。
小さな子どもやペットの誤飲に注意
シリカゲルを再利用する場合は、小さな子どもやペットの誤飲を防ぐためにも、手の届かない場所で管理しよう。シリカゲルは毒性がないため誤飲しても中毒にはならないが、もし食べてしまった場合は万が一を考えてすぐに病院を受診してほしい。
石灰は発熱によるやけどに注意
石灰が使用されている乾燥剤の場合、水を含むと発熱するので注意しよう。もし濡らしてしまったときは、素手で触らないようにしてほしい。付着した場合はすぐに洗い流し、腫れたり赤くなったりするようなら受診しよう。
自治体のルールに沿って正しく処分することも大切
可燃ごみや不燃ごみとして処分するのが一般的だ。自治体のルールによって分別は違うため、公式サイトなどで確認してから捨ててほしい。なお、石灰の乾燥剤は発熱するため、水分を含む生ゴミとは分けて処分することが大事だ。
結論
シリカゲルや石灰を使った乾燥剤は再利用ができる。シリカゲルは繰り返し使えるので、天日干しや電子レンジで乾燥させよう。シリカゲルの乾燥剤は精密機器や楽器、衣類、粉ものなどの除湿剤として活躍する。石灰の乾燥剤なら園芸用の肥料として再利用しよう。再利用する際の注意点もまとめたので、あわせてチェックしてほしい。