目次
1. エアコンのガス漏れによって起こる症状

ガスといっても、エアコンのガスは引火したり、中毒になったりするわけではない。エアコンのガスは「冷媒ガス」といわれ、吸い込んでも無害だ。
「冷えなくなる」もしくは「暖まらなくなる」
冷媒ガスが漏れてしまうと、室内機と室外機の間で移動するガスの量が徐々に減っていく。すると、移動できる熱の量も減ってしまうため、部屋の温度コントロールができなくなってしまう。エアコンのガス漏れで最も分かりやすい症状が、冷えなくなる、暖まらなくなるということだ。
エラーで運転が止まることもある
エアコンはガスが漏れていても一定の時間は稼働する。ある程度稼働しても温度が下がらない、上がらないという状態をエアコン内部のセンサーが感知すると、機種によってはエラーで運転が止まることがある。それで初めて「ガス漏れ」ということがわかる場合もある。
2. エアコンのガス漏れの原因は?

エアコンのガス漏れの原因はいろいろある。ガス漏れは決して珍しい症状ではないのだ。
設置工事に不備があった
エアコンの設置時に、工事に不備があったことが原因でガス漏れを起こすことがある。正しく設置されていなかったことでどこかに負荷がかかり、パーツが折れたり穴が開いたりする。このような設置不備でガス漏れが起こり、数日でわかればすぐに設置し直してもらえる。しかし、徐々に変化がおこり、数年後にトラブルになるという場合もある。
配管の劣化によって腐食した
配管やバルブの劣化によって、エアコンのガス漏れが起こる場合もある。配管やバルブは塩分や硫黄成分に弱く、錆びついてしまう。そのため、海や温泉の近くに住んでいる方は、注意しなくてはならない。
また、ドレーンホースを下水道に直接接続すると、下水道からのアンモニア成分が室外機にまで昇ってきて、熱交換器の腐食の原因となる。
室外機を動かした
設置してあった室外機を無理に移動させると、各部品を接続している部分が損傷し、ガス漏れしてしまうことがある。地震などで転倒してしまった場合なども、ガス漏れする危険性がある。
3. エアコンがガス漏れしているかどうかの確認方法

エアコンのガス漏れは目に見えるものではない。冷媒ガスは無臭で無色なので、ガス漏れしているかどうかが分かりにくい。では、どのようにしてガス漏れを確認したらよいのだろう。
室内機から出る風を確認する
エアコンのガス漏れを確認する最も簡単な方法は、室内機の風の温度を確認することだ。具体的には、エアコンの室内機の上部にある吸い込み口の空気の温度と、下部にある吐き出し口の空気の温度差が正常かどうかを確認する。それぞれの部分に手をかざしてみて、温度差を感じることができなければガス漏れを起こしている可能性が高い。
室外機の配管に霜がつくかどうか確認する
エアコンの室外機の配管に霜が付着している場合、ガス漏れしている可能性が高い。ガス漏れをしていると、霜がどんどん濃くなっていくので分かりやすい。
ファンは回っており配管も冷えているか確認する
冷房運転中に室外機のファンが回っていても配管が全く冷えておらず、常温であれば、ガス漏れを起こして全くガスが入っていない状態だ。
検知器や洗剤を使ったチェック方法もある
エアコンのガス漏れをもっとはっきりと確認する方法がある。ひとつは「ガス漏れ検知器」の使用だ。エアコンのガス漏れは、ガス漏れ部分を特定するのが難しい。ガス漏れ検知器を使えば、音で知らせてくれる。
また、家庭にある台所中性洗剤でもガス漏れ部分を特定できる。中性洗剤を水で薄め、配管の接続部分などの怪しい場所にかけてみる。しばらく放置して、泡が出ているかどうか確認する。泡が出ているところは、ガス漏れを起こしている場所だ。
4. エアコンのガス漏れの対処方法と修理費用の目安

エアコンのガス漏れが疑われたら、どのように対処したらよいのだろうか。
ガス漏れはどう対処すればよい?
ガス漏れによってエアコンの効きが悪くなっている場合、冷媒ガスを補充するという応急処置が考えられる。しかし、エアコンの冷媒ガスを補充するには、十分な知識と技術、道具が必要だ。DIYで補充するのは故障のリスクが高いので、避けたほうがよい。
業者に修理を依頼した場合の費用の目安は?
エアコンのガス漏れの対処法として、最も安心できるのは、やはり業者に依頼することだ。ガス補充を依頼する場合には、2万円前後が相場となっている。
場合によってはエアコンの買い替えも検討しよう
ガス補充をしたとしても、エアコンのガス漏れ箇所を修理しなければ、またすぐに同じ症状になってしまう。エアコンのガス漏れを防ぐためには、部品交換が必要になるケースもあり、場合によっては新しく買い替えた方が安くなることもある。古いエアコンのガス漏れの場合には、買い替えを検討したほうがよいかもしれない。
結論
エアコンのガス漏れが起こると、冷えなくなる、暖まらなくなるといった症状が出る。原因は、設置工事の不備、配管の劣化、室外機の移動などが考えられる。ガス漏れの確認方法は、室内機から出る風の温度や、室外機の配管の霜のチェックだ。検知器や中性洗剤を使うとより分かりやすい。ガス漏れ修理にかかる費用は2万円前後で、場合によっては買い替えを検討してもよいかもしれない。