目次
1. ユスリカとは?

ユスリカとは、ハエ目糸角亜目ユスリカ科の昆虫だ。淡い黄緑色をしていて、成虫は6mmほどの大きさになる。ユスリカは見た目が蚊に似ているが、蚊と違って人を刺したり吸血したりはしない。
ユスリカの特徴は、群れになって飛び「蚊柱」を作ることだ。これは交尾するための行為で、とくに夏の夕方に多く見られる。成虫は口が退化しているため食べ物を食べられず、長くても5日ほどしか生きられない。ユスリカはその短期間で交尾をし、卵を一度に500~2000個ほど産むのだ。
2. ユスリカが大量発生する原因

ユスリカはとくに夏の時期には大量発生しやすい。ユスリカが大量発生すると視界をふさがれて歩行が困難になる、窓を開けられなくなるなどの被害がある。ユスリカが大量発生する原因は主に以下の2つだ。
近くに水辺がある
水辺がある環境ではユスリカが大量発生しやすい。ユスリカは水辺で産卵し、幼虫は水や泥がある場所で育つためだ。水辺の近くに建っている家や庭に水辺がある家では、被害にあわないよう対策したほうがよいだろう。
プランクトンの発生が多い
ユスリカはプランクトンを食べて育つ。そのため、プランクトンの発生が多い場所でも大量発生しやすい。生活排水などで窒素やリンを多く含む水が海や湖に流れ込むと、「富栄養化」によりプランクトンが増えやすく、ユスリカも増殖するのだ。
3. ユスリカによって起こる被害

ユスリカによって起こる被害はいろいろとある。ここでは主に3つの被害を紹介しよう。
光に群がってくる
ユスリカは紫外線に群がる性質がある。そのため照明や自動販売機の光などには大量に群がりやすい。家の窓から洩れる光に集まり、窓の外を飛び回ることもある。
アレルギー反応の原因になる
ユスリカの成虫は5日ほどで死ぬが、その死骸が細かい粒子になって空気中をただようとアレルギーの原因になる。粒子を直接吸い込んだり、洗濯物に付着して屋内に入り込んだりすることで、アレルギーを発症するのだ。ユスリカによるアレルギーにはアレルギー性の鼻炎や、「ユスリカ喘息」と呼ばれる呼吸器疾患などがある。アレルギーにならないよう対策することが肝心だ。
蚊柱を作る
ユスリカは人の頭の上に群がる場合が多く、「頭虫」と呼ばれることもある。これはまわりよりも高い場所を目印として集まる性質による。逃げようとしてもついてくるので不快に感じる方も多いだろう。
4. ユスリカの駆除方法や予防対策

いろいろな被害を及ぼすユスリカから身を守るためには、どのような対策をとればよいのだろうか。以下ではユスリカの駆除方法や予防対策をまとめたので、シーンに応じて取り入れてほしい。
殺虫剤をスプレーする
室内に入ってきたユスリカを駆除するには殺虫剤を使うとよい。外出時には体に使える虫よけスプレーを使うと対策できる。
雑草や水溜まりなどをなくす
屋外にユスリカが発生して困っている場合は、雑草や水溜まりをなくすのが適している。ユスリカが産卵しやすい水溜まりはもちろん、雑草などの植物がたくさん生えた環境はユスリカの住みかとなる。雑草は草刈りなどで除き、水溜まりは専用の吸水スポンジなどで除去するのが望ましい。
虫除けを使う
ユスリカが玄関やベランダから室内に入ってくる場合は、虫除けを使うのが効果的だ。吊り下げタイプの虫除けを窓や網戸にセットする、プッシュ式の虫除けで殺虫効果を有効にするなどの対策がよいだろう。
侵入できる隙間をなくす
ユスリカは成虫でも約6mmと小さいため、窓の隙間などから室内に入り込むこともある。窓に隙間がある場合や網戸のメッシュが粗い場合は、侵入できる隙間をなくすのが重要だ。隙間用テープを使う、網戸を目の細かいものに替えるなどの対策を行ってみてはいかがだろうか。
部屋の外に光を漏らさない
ユスリカは光に集まる性質があるため、部屋の外に光を漏らさないことも有効な対策といえる。夜は遮光カーテンを閉め、光をシャットアウトしよう。
紫外線を出さないライトにする
外の照明のまわりにユスリカが集まる場合は、紫外線を出さないライトにするのも手だ。紫外線を出さない防虫用の蛍光灯に替えるか、紫外線をカットするカバーをつけるなどの対策がよい。
結論
頭上に集まってきて不快なうえ、アレルギーを引き起こすこともあるユスリカ。室内の場合は殺虫剤や虫除け、隙間テープなどを活用するのが効果的な対策となる。屋外では紫外線をシャットアウトしたり、雑草や水溜まりなどをなくしたりするのもおすすめだ。とくに夏場はユスリカが大量発生しやすいので、しっかり対策して予防しよう。