目次
- クサギカメムシ:茶色や黒褐色の平らな体をしていて果実類の水分を好む。
- マルカメムシ:茶色の丸い体が特徴で好物はマメ科の植物。
- スコットカメムシ:山地によく見られる種類。銅褐色で白い斑点模様がある。
- アオクサカメムシ:頭は三角形でお尻に向かってすぼまっている。野菜や果実の水分を好む。
- ホオズキカメムシ:体は黒褐色でトマトやナスといったナス科の野菜を好む。
- ナガメ:黒の背中と橙色の紋が特徴。大根やキャベツなどアブラナ科の野菜を好む。
1. カメムシとは?

カメムシとは、カメムシ目・カメムシ亜目に属している昆虫の総称だ。亀の甲羅に似た形から名前がつけられている。刺激を受けたときに悪臭を放つのが特徴だ。
カメムシの主な種類
世界では約3500種、日本だと約90種が確認されている。上記で紹介したのは日本で見かけることが多い種類だ。種類によってサイズや形、好むものが異なる。
2. カメムシによる被害とは?

カメムシを放置するとさまざまな被害が発生する。対策の前に代表的な5つの被害を紹介しよう。
強烈な臭いによる被害
カメムシといえば、強烈な臭いの分泌液を発する虫だ。主成分の「トランス-2-ヘキセナール」は2~3日残ることがある。手や洗濯物に付着すると、水で洗い流してもなかなか落とせない。
大量発生による被害
カメムシは集団行動を好む昆虫で、一斉に飛来して一箇所に集まることがある。9月の晴れた日はとくに注意が必要だ。大量のカメムシが街頭や洗濯物に集まることがある。
部屋への侵入による被害
カメムシは隙間から家の中に侵入するので注意。洗濯物に付着している場合、気づかずに家に入れてしまうケースがある。また、体が平らなクサギカメムシは集団で家に入り込むことがあるので、十分に対策しよう。
畑の農作物や植物への被害
多くのカメムシは果実や野菜を好み、植物に口器を挿して吸汁する「吸汁性害虫(きゅうじゅうせいがいちゅう)」だ。農作物の生育不良の原因になったり、果実・野菜の腐敗や損傷をまねいたりする。
人体への健康被害
カメムシの分泌液が手や目に付着すると、炎症を起こすことがあるので注意が必要だ。触ってしまったあとはすぐに洗い流してほしい。また、ヨコヅナサシガメやオオトビサシガメなど、口器で人を刺す種類もいる。
3. カメムシ対策 | 駆除編

カメムシは刺激を与えると悪臭がする分泌液を出すので、駆除方法には注意が必要だ。カメムシが発生したときにおすすめの対策を紹介する。
殺虫剤をスプレーする
確実に駆除したいなら、カメムシに対応した殺虫剤をスプレーしよう。逃げられないように静かに近づいて、垂直方向から吹きかけるとよい。冷気で動きを止めるタイプは殺虫成分を使用していないため、お子さんやペットがいるご家庭でも使いやすい。
ガムテープを使う
ガムテープにカメムシを貼り付けたあと、そのまま丸めて捨てる方法だ。素早く捕まえることで悪臭の発生を防げる。直接貼り付けるのが難しい場合は、進行方向に紙を置いてから誘導するとよい。紙に乗ったのを確認したら、上からガムテープでおおって潰さないように閉じ込めよう。
ティッシュで優しく包む
ティッシュを使用して、カメムシをつぶさないように包もう。刺激しないように優しく捕まえるのがポイントだ。持ち上げたとき逃さないように注意しつつ、そのまま外に出すとよい。ティッシュで捕獲したあとすぐビニール袋に入れて口を閉じれば、途中で逃げられる心配がない。
ペットボトルや牛乳パックで捕獲する
まずはペットボトルの上から3/1を切り取り、逆さまにして下の部分にはめる。あとはテープで固定すれば捕獲器の完成だ。カメムシにゆっくり近づけてすくえば中に入るので、丸めた新聞紙で栓をしよう。
牛乳パックの場合は上部を開いておくだけでOKだ。口を近づけて中に入れたあと上部を閉じる。どちらも駆除に役立つので、カメムシが多い時期の対策用として準備しておくのがおすすめだ。
4. カメムシ対策 | 侵入防止編

カメムシは家の中に入れないことが重要になる。侵入防止に効果的な対策を解説しよう。
ハッカ油を利用する
カメムシはハッカ(ミント)の香りが苦手なので、ハッカスプレーをぜひ活用してほしい。作り方はハッカ油(約20滴)を水道水(90ml)で薄めて、スプレーボトルに入れるだけでOKだ。あとはカーテンや網戸、窓などに吹きかけよう。ミントを植木鉢に植えて窓際で育てるのもおすすめだ。
侵入できる隙間を塞ぐ
カメムシは2mmくらいの小さな隙間からでも侵入することがある。窓やドアの隙間はスキマテープを使ってしっかりと塞ごう。ドレンホースから入り込むことがあるので、専用のフィルターやキャップで対策してほしい。
定期的に除草する
カメムシは雑草に卵を産み付けて繁殖するため、定期的に除草してほしい。家庭菜園や畑も定期的に草取りをすることで被害を防げる。また、ミントを植えるのも対策として有効だが、繁殖力が非常に強いので注意が必要だ。植木鉢に植えてコンクリートの上で管理しよう。
市販の忌避剤を使う
より強い効果を実感したいなら、市販の忌避剤で対策をしよう。窓や玄関などに吹きかけるだけで、侵入を防止することが可能だ。効果の持続期間は忌避剤によって異なるため、事前に確認しておくとよい。
洗濯物を取り込む際に確認する
洗濯物を取り込むときは、カメムシがついていないか確認しよう。とくに白い服を好む傾向があるので念入りにチェックしてほしい。カメムシが大量に発生する秋頃は、部屋干しにするか吊るすタイプの忌避剤を活用するとよいだろう。
5. カメムシの臭いが付いてしまったときの対処法

カメムシの臭いは、水で洗っただけではなかなか落ちない。対策として効果的な落とし方を確認しておくことが大事だ。
手に付いた臭いの取り方
臭いの原因であるトランス-2-ヘキセナールは、油に溶けやすい性質がある。オリーブオイルやサラダ油でこすったあと、石鹸で洗うとよいだろう。
洗濯物に付いた臭いの取り方
洗濯物に付いた臭いには界面活性剤が有効だ。洗濯用洗剤で洗うだけでもスッキリ落とせる。また、臭いの元である分泌液は揮発性なので、ドライヤーやスチームアイロンで熱を加えたり天日干しをしたりするのも効果的だ。
結論
カメムシの被害は、十分に対策をすれば防ぐことが可能だ。カメムシを見つけたときは、殺虫剤やガムテープを使って刺激しないように捕獲してほしい。あとはハッカ油やすきまテープ、市販の忌避剤を使い、家に寄せ付けないための対策をしよう。臭いがついてしまったときの対処法も紹介したので、あわせてチェックしてほしい。