目次
1. ガガンボとは?

ガガンボとは、双翅目(そうしもく)ガガンボ科に属している昆虫の総称だ。特徴や発生時期、被害など基本的な情報を解説する。
ガガンボの特徴
見た目は蚊と似ているが、非常に足が長い。いろいろな種類がいて、日本では約700種が確認されている。キリウジガガンボは体長15~18mm、ミカドガガンボは30~38mmあり、蚊と比較して大型なのが特徴だ。水辺や草むらに産卵して幼虫は腐植や植物の根を食べて成長するが、成虫になると花の蜜を好む。
ガガンボは弱い
ガガンボの体はもろいため、軽く叩くだけですぐにバラバラになってしまう。さらに寿命は10日ほどしかなく、ふわふわと飛ぶ速度は遅い。存在感のある見た目と反して非常に弱いのが特徴だ。
ガガンボの発生時期
ガガンボは日本全国に生息しており、主に3月~10月に活動する。この時期になると池の岸や藪の陰、平地などで見られるだろう。明かりに向かって飛ぶ習性があり、夏に窓を開けておくと家の光に引き寄せられて侵入することがある。
ガガンボによる被害
蚊と似ているガガンボだが、人を刺すことはない。基本的に無害なので屋外で見かけたときは、放置してもよいだろう。一方でガガンボの見た目を不快に思う方は多いようだ。ほかにもバラバラになった死骸が、工場で異物混入の原因となる恐れがある。なお、稲の根を食べるキリウジガガンボなど、一部の幼虫は作物を食害するので注意してほしい。
2. ガガンボの駆除方法

基本的に無害なガガンボだが、自宅に侵入した場合は駆除が必要になる。簡単な3つの駆除方法を紹介しよう。
叩いて落とす
非常に弱いガガンボは叩くだけで駆除が可能だ。飛行速度もふわふわと遅いので、簡単に叩いて落とせるだろう。手で叩き落とすのに抵抗があるなら、丸めた新聞やハエたたきを使えばOKだ。ただし、ガガンボの体は叩くとバラバラになるため、掃除に手間がかかる。ティッシュで取り切れないなら、掃除機で吸い取ればキレイに除去できるだろう。
殺虫剤を使用する
不快害虫用のエアゾール殺虫剤をスプレーするとよい。触らず簡単に駆除できるので虫が苦手な方におすすめだ。ただし、一部の殺虫剤は噴射が強く、吹きかけたときの衝撃でガガンボの体がバラバラになることがある。片付けの手間が増えないよう、少し離れた場所からスプレーするのがポイントだ。なお、ガガンボの幼虫を駆除したいなら粒剤や液剤を使うとよい。
電撃殺虫器を設置する
電気殺虫器とは光に集まる害虫を電気ショックで駆除する機器だ。ガガンボは光に向かって飛ぶため、電撃殺虫器を置いておけば簡単に駆除できる。殺虫剤と違って薬剤を使用しないので、お子さんやペットがいるご家庭でも使いやすい。屋外用と屋内用があり、屋外用はアウトドアの害虫対策としても使用できる。
3. ガガンボへの侵入対策

明かりを好むガガンボは、家の中に侵入することがあるので注意しよう。3つの効果的な対策を紹介するので、ぜひ実践してほしい。
忌避剤を置く
ガガンボが家の中に侵入するのは、主に扉や窓の開閉時だ。ガガンボに対応する忌避剤を侵入経路に置いて対策をしよう。置くタイプや吊るすタイプ、貼るタイプがあるので、使用したい場所にあったものを選んでほしい。忌避効果がある殺虫剤なら、気になるところにスプレーするだけで効果が持続するため手軽に使用できるだろう。
遮光カーテンをかける
家から明かりが漏れると、ガガンボを始めとするさまざまな害虫が引き寄せられる。光を遮る遮光カーテンに変えることが対策として有効だ。遮光カーテンに変えるのが難しいなら、窓用の防虫フィルムを貼るとよい。虫が好む光をカットすることで寄り付きにくくなる。
隙間を塞ぐ
ガガンボが侵入する隙間を塞ぐのも対策として有効だ。網戸や窓に隙間があれば、隙間テープを貼り付けておくとよい。忌避タイプの殺虫スプレーを、網戸や窓に吹きかけておくのも効果的だ。また、網戸が破れているならしっかりと補修しておこう。穴を簡単に防げる専用の補修シートや補修テープがあれば簡単だ。
4. ガガンボと間違いやすい虫の種類

一見ガガンボのように見える虫でも、種類が異なることがある。ガガンボと間違えやすい虫の特徴を紹介しよう。
ガガンボモドキ
見た目はガガンボによく似ているが、ガガンボモドキは肉食だ。オスが獲物を捕獲してメスにプレゼントする習性がある。ガガンボとの大きな違いは羽の枚数だ。ガガンボは飛ぶための羽が2枚しかないが、ガガンボモドキには4枚ある。
ガガンボダマシ
ガガンボと同じく足が長く、見た目がよく似ている。ガガンボダマシは種類によって姿が異なり、ガガンボと見分けるのは難しい。
ユスリカ
ユスリカは蚊と似た姿をした小さな虫だ。蚊と違って人を刺す心配はない一方で、大群(蚊柱)を作って人の頭に集まることがある。見た目はガガンボと似ているが、ユスリカのほうが小さいため見分けるのは簡単だ。
結論
ガガンボは非常に弱く無害な虫だ。しかし、体がバラバラになりやすいので、駆除の方法には注意が必要になる。叩いたあとに掃除機で吸い取る、殺虫剤をやや離れた場所から吹きかけるといった方法で駆除しよう。明かりを好むガガンボは家の中に侵入することがあるので、忌避剤や遮光カーテンを使って予防してほしい。