1. コクゾウムシとはお米を食べる害虫である
コクゾウムシとは、お米などイネ科の穀類を食べる害虫だ。米につきやすいことから「米虫」と呼ばれることもある。ここではコクゾウムシの特徴など、基本的な情報を紹介するので押さえておこう。
コクゾウムシの見た目などの特徴
コクゾウムシは体長3mmほどの黒い虫で、象の鼻のような口吻(こうふん)を持つのが特徴だ。その形状から、カブトムシのオスに似ているともいわれる。コクゾウムシは口吻で穀類に穴を開け、その中に卵を産む。放っておくと孵化した幼虫が米を食べて成長し、米びつの中で繁殖するおそれがある。コクゾウムシを見つけたら、すぐに駆除するのが望ましい。
お米以外にもさまざまな穀物を食害する
コクゾウムシはお米以外にもさまざまな穀物にわきやすい。例えば、玄米や小麦粉、パスタ、乾燥麺、ビスケットなどにも発生する。とくに白米よりも玄米で繁殖しやすいので、普段から玄米をストックしている人は要注意だ。
お米にわく虫はコクゾウムシだけではない
お米にわきやすい虫は、コクゾウムシ以外にもいろいろといる。例えば、ノシメマダラメイガは1cm弱の小さな蛾で、その幼虫であるイモムシが穀物を食べて成長する。細長い甲虫のコナナガシンクイも、お米を食害する。2~3mmと小さい暗褐色の体が特徴で、幼虫も成虫もお米を食べるのが特徴だ。
2. コクゾウムシが発生したお米を食べることに問題は?
もしコクゾウムシがお米に発生してしまった場合、虫をすべて取り除けばお米を食べても問題ないのだろうか?結論からいうと食べることは可能だが、あまりおすすめできない。理由を詳しく解説しよう。
毒性はないとされているが「味」は疑問
コクゾウムシには毒性はないとされている。虫を取り除けば食べることも可能だ。コクゾウムシは日光に当たると逃げるといわれるので、ベランダなど日当たりのよい場所に新聞紙を敷いて米を広げ、ピンセットなどで1匹ずつ除去するとよい。しかし、お米の味が落ちてしまうのはどうしようもない。
人によっては「アレルギー」が起こる場合もある
ただし、コクゾウムシがわいたお米を食べることにはリスクもある。人によってアレルギーが起きるケースもあるためだ。心配な場合は、コクゾウムシが発生したお米は食べないほうが無難だろう。
成虫は取り除けても卵や幼虫が残っているかもしれない
コクゾウムシの成虫は目に見えるので除去できるが、米粒の中に産卵するため、卵や幼虫にはなかなか気づけない。卵や幼虫を食べてしまうのに抵抗がある人は、もったいないが廃棄することも考えよう。
3. コクゾウムシの発生原因と対策
お米にコクゾウムシを発生させないためには、コクゾウムシが発生する原因や予防方法を覚えておきたい。以下の方法で対策し、お米を虫から守ろう。
コクゾウムシが発生する理由
米びつ内のお米にコクゾウムシがわいていたら、もとからお米についていた可能性が考えられる。害虫対策として農薬を使ったお米には付着しにくいが、無農薬のお米には稲の段階で卵を産んでいる場合もあるためだ。
米の保存状態が悪い場合も発生しやすくなる。温かい環境では虫がわきやすいうえ、米びつのまわりに米の粉や砕けたお米が落ちていると、コクゾウムシがにおいを嗅ぎつけて集まりやすい。米びつのフタに隙間ができている、米袋に穴が開いているなどの状況では、コクゾウムシが中に侵入することもある。
コクゾウムシの発生を防ぐ方法
コクゾウムシは、15℃以下の環境では繁殖できない。コクゾウムシの発生を防ぐには、お米を冷蔵庫で保存するのがよいだろう。お米を袋のまま保存している場合は袋を破って侵入される可能性があるため、できれば米びつに移し替えるのがおすすめだ。
結論
コクゾウムシはお米の中に卵を産みつけるので、もし1匹見つけたら大量発生していることも疑ったほうがよい。コクゾウムシがわいたお米は、虫を取り除けば食べられる。しかし、卵や幼虫が混入しているおそれがあり、アレルギーになるリスクも考えられる。できれば食べないことをおすすめする。