目次
1. コガネムシとは?

コガネムシとはどんな虫なのか、はじめに特徴や生態について説明する。また、カナブンとの違いや害虫扱いされるケースの解説も併せて紹介していこう。
見た目の特徴や生態
コガネムシの成虫は、光沢感のある緑色の昆虫だ。体長は2cmほどで、丸みを帯びた形状をしている。コガネムシの幼虫は、体長2~3cmで黒か茶色の頭部と乳白色の胴体を持ち、春と秋頃に多く発生する傾向がある。幼虫期間は土の中で過ごし、さなぎから成虫へと変化を遂げるのだ。
カナブンとは何が違うのか?
コガネムシの見た目はカナブンと似ているが、異なる点や見分け方が存在する。見分けるポイントは羽の付け根であり、コガネムシは楕円型、カナブンは逆三角型をしているのが特徴だ。食べる物も異なり、花や葉を食べるコガネムシに対してカナブンは樹液が主食である。
コガネムシが害虫扱いされるケース
コガネムシは植物に被害を与える害虫だ。とくにコガネムシの幼虫による被害が大きく、植物の根を食べることにより植物が生育するのに必要な栄養吸収を妨げてしまうのである。また、コガネムシの成虫も植物の葉を食い尽くしてしまうため、植物を枯死させるケースもあるほどだ。
2. コガネムシの幼虫を駆除する3つの方法

ではここからは、そんな厄介者であるコガネムシの幼虫を駆除する3つの方法を紹介していこう。
1.熱湯をかけて土の中から出し、捕獲・駆除する
コガネムシの幼虫を駆除するには、まず土の中から出す作業が必要になる。そのとき役立つのが熱湯だ。熱湯をかけることで、コガネムシの幼虫は溺れるのを回避しようと土の中から表面に現れる。出てきた幼虫は土が乾く前にすばやく捕獲して、1匹残らず駆除することが大切だ。
熱湯を使う場合はやけどなどの注意点も
熱湯はコガネムシの幼虫を土から出すのに有効だが、実行する際にやけどを負う危険があるため取り扱いには注意が必要だ。また、熱湯を土にかけると植物を枯らすリスクも発生するので、その点を十分理解したうえで行ってほしい。
2.土をまるごと入れ替える
コガネムシの幼虫による被害がプランターや鉢植えで発生したときは、土を全部入れ替えてしまうのが手っ取り早い解決方法である。効率的に幼虫を見つけられるだけでなく、土をまるごと交換するため、1匹も見落とさず確実に駆除が行えるのだ。
3.即効性があり効果も高いのが薬剤の散布
地植え植物や畑の野菜など、広範囲でコガネムシの幼虫被害を受けている場合は、即効性のある薬剤を使用することで高い効果を発揮する。土に混ぜる「ダイアジノン」や植物に吸収させる「オルトランDX」など、殺虫効果のある薬剤散布が有効だ。
3. コガネムシの幼虫の発生を防ぐ方法

コガネムシの幼虫駆除に抵抗があったり面倒だと感じたりする方には、発生予防の対策を行うことがおすすめだ。次に4つの予防対策を紹介していく。
薬剤を散布しておく
コガネムシの幼虫発生を防ぐには、種や苗を植える際に土の中に薬剤を混ぜるのが効果的である。使う薬剤は、殺虫剤としても利用する「オルトランDX」や「ダイアジノン」で、栽培面積の広い畑や地植えする場合におすすめだ。
熱湯消毒をする(とくに古い培養土などの場合)
古い培養土や屋外保管していた培養土などには、コガネムシの卵や幼虫が隠れている可能性がある。古い培養土をリサイクルする前には、コガネムシの幼虫発生を少しでも抑えるために熱湯消毒をしておこう。手間はかかるが無農薬で殺虫でき、カビなどの退治にも効果的である。
忌避剤をまいておく
コガネムシの発生を予防するには、忌避剤である木酢液を散布するのも有効である。木酢液は、木炭を作るときに発生する煙や水蒸気を冷却し液体にしたもので、ホームセンターなどで購入可能だ。原液はにおいが強いため、水で薄めたものをスプレーでまくとよいだろう。
コンパニオンプランツを植える
殺虫剤を使用したくない場合は、コガネムシ防除に役立つコンパニオンプランツを一緒に植えるとよいだろう。バラやニンニク、マリーゴールドなどのコンパニオンプランツは、一緒に植えると互いによい効果をもたらし、コガネムシ予防効果が期待できる代表例だ。
結論
コガネムシの幼虫は熱湯で駆除可能である。しかし、熱湯を使うには植物を枯らすリスクも生じるため、使用の際は注意を払う必要がある。コガネムシの幼虫から植物を守るには、今回紹介した駆除方法の中から適したものを選択し、その後の発生予防を行うことも大切だ。