目次
1. ゼニゴケとは?

ゼニゴケは湿度が高く、太陽の光がほとんど当たらないジメジメした場所に繁殖するコケだ。見た目が悪く、ガーデナーには嫌われる存在だ。
ゼニゴケの特徴
ゼニゴケの特徴は見た目が不快で、しかも繁殖力が旺盛だということだ。水に濡れた環境では、雄株と雌株が有性生殖を行い、胞子を飛ばして繁殖する。もし近くに雄株がなくても、ゼニゴケは雌株だけでも自己繁殖できる。いったん繁殖したゼニゴケをすべて駆除するのは時間や手間がかかるため、早めの対処が大切だ。
ゼニゴケが発生しやすい場所
ゼニゴケが発生しやすい場所は、湿度の高いジメジメしたところだ。また、直射日光が当たらない場所も好む。そのため路地裏、雑草が生い茂った場所、用水路のまわりなどに発生しやすい。とくに梅雨のあいだは、ゼニゴケが繁殖しやすい時期といっていいだろう。
2. ゼニゴケは熱湯や除草剤で駆除できる?

ゼニゴケの駆除は、熱湯や除草剤で駆除することができるのだろうか。
除草剤では駆除できない
実は、ゼニゴケは一般的な除草剤では駆除できない。コケは雑草とは構造が違うためだ。コケはさまざまな環境にも耐えられるだけの強い構造を持つので、コケ専用の駆除剤を使用する必要がある。
熱湯で枯らすことができる
一般的な除草剤で駆除できないゼニゴケでも、熱湯なら駆除することができる。コケ類は熱湯に弱いためだ。熱湯をかけるだけで、ゼニゴケは枯れてしまう。
しかし、熱湯を使う方法は、ゼニゴケが広範囲に発生している場合には非常に効率が悪い。熱湯は、部分的にゼニゴケを駆除したい場合に使うのが効果的だ。
3. 熱湯以外を使ったゼニゴケの駆除方法

熱湯を使う方法は、手軽だがデメリットもある。ゼニゴケの繁殖状況によっては、ほかの方法もあるので紹介しよう。
駆除剤を使う
ゼニゴケは、一般的な除草剤が効かない。ゼニゴケ専用の駆除剤を使うことがポイントだ。ゼニゴケの駆除剤は、液体タイプと粒状タイプがある。液状タイプは即効性、粒状タイプは持続性に優れているのが特徴だ。使用前に説明書をしっかりと読んで理解しておくことが大切だ。
酢を使う
殺菌作用のある酢は、ゼニゴケの駆除にも効果的。甘味成分の含まれていない酢と水を1:3の割合で混ぜてゼニゴケにかける。水の代わりにお湯を使うと効果がアップする。ただし、酢を大量に使うと酢の独特のニオイがあるため、近隣の迷惑になる可能性もある。広範囲のゼニゴケ駆除に用いるのは、熱湯処理と同じように難しいかもしれない。
木酢液を使う
木酢液は、酢と同様にゼニゴケの駆除に効果を発揮する。熱湯ほどの即効性はないが、植物を害虫から守るためにも使うことができる。木酢液は酸性の液体であるため、アルカリ性のものと組み合わせることはNGだ。また、木酢液は濃すぎるとほかの野菜などの植物に悪影響を及ぼすことを覚えておこう。
石灰を使う
ゼニゴケは、アルカリ土壌を嫌う植物だ。石灰はアルカリ性なので、酸性土壌を改善するために効果がある。ただし、ゼニゴケのまわりにある植物にはアルカリ土壌を嫌うものもある。ゼニゴケの近くにお気に入りの植物がある場合は注意が必要だ。ほかの植物への影響も十分考慮しながら使おう。
バーナーを使う
熱湯処理など熱に弱いゼニゴケの性質を利用して、バーナーで駆除するという方法もある。バーナーの熱によって、ゼニゴケの表面を焼くので即効性がある。ただし、周囲に枯れ葉などがあると火事の危険性があるので、十分注意して作業をしよう。
根ごと引き剥がす
熱湯処理よりも簡単な方法が、根ごと引き剥がす方法だ。ただし、限られたスペースであれば有効だが、広範囲では大変な作業になる。また、引き剥がすときに根や胞子が残ってしまうことも考えられる。剥がし残しがないように注意が必要だ。
4. 駆除後のゼニゴケ発生を予防するコツ

ゼニゴケを熱湯などでせっかく駆除しても、油断しているとすぐに再発生してしまう。ゼニゴケを再発生させないために心がけたいことを紹介しよう。
日光が当たるようにする
ゼニゴケは、日光が苦手だ。陰を作っている樹木を伐採したり、雑草を刈ったりするなどして、できるだけ日光が当たるようにすることが大切だ。
湿度が高くならないようにする
湿度が大好きなゼニゴケを駆除するためには、湿度が高くならないように風通しをよくすることが大切だ。植物が密にならないように、間引きをするなどの手入れをしよう。
ゼニゴケが発生しにくい土壌にする
根本的なゼニゴケの駆除のためには、土壌の改良が必須だ。石灰などを散布して土の酸性度を変えることで、再びゼニゴケが繁殖することを抑制することができる。
結論
ゼニゴケは、見た目の悪さからガーデナーにとっては天敵といっていいだろう。ゼニゴケはジメジメした場所に生息し、条件によっては一気に繁殖する。ゼニゴケは一般的な除草剤では駆除できない。熱湯、専用の駆除剤、酢、木酢、石灰、バーナーなどを使って駆除するのがおすすめだ。ゼニゴケを発生させないためには、日光が当たるようにまわりの植物を伐採し、土壌改良をするといいだろう。